過積載対策は必要!違反を起こさないための有効な5つの対策を紹介

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過積載とは、貨物車両が規定の重量を超えて荷物を搭載して走っている状態です。法律に違反しているほか、事故や道路の劣化を引き起こす危険な行為なので、対策の必要性があるでしょう。今回は過積載対策の方法や罰則について紹介します。

過積載対策の必要性

「目視で積み荷の状態はある程度把握できるから、過積載対策の必要はないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、次のように過積載対策の意義は大きく、対策が必須です。

  • 過積載は違法行為に当たるため法的な罰則がある
  • 事故の危険を高める
  • 道路橋の劣化を生む原因になる
  • 取り締まりが強化されている

ここでは過積載対策の必要性の根拠となる上記の事柄について、具体的な内容を解説します。

違法行為なので法的な罰則があるため

過積載は法律に違反する行為のため、取り締まりの対象です。例えば、過積載を起こしたドライバーは、道路交通法所定の違反点数や反則金の納付処分を受けます。 また、再発防止を求めたのに改善しなかったり、何度も過積載を起こしたりした時は、荷主や事業主も懲役や罰金などの処分を受ける可能性が高いです。法律違反が問題になると社会や顧客からの信用が失墜し、売上が減少する可能性もあります。

事故の危険を高めるため

過積載が原因の事故は増加しており、危険性への意識の向上が進んでいます。事故として考えられるのは、荷物が道路に落下して通行の妨げになることで生じる事故や道路の陥没などです。 過積載は運転主の怠慢や認識不足だけでなく、発注者や荷主の意向で行われる場合もあるのです。

警察や国土交通省は、過積載が荷主の行動に起因する場合、当該荷主に対し再発防止の措置を取るよう求める荷主勧告をはじめ、発注者や荷主の管理責任を問う制度を整えています。

道路橋の劣化を生む原因になるため

大半のケースで道路橋の劣化を引き起こしているのは、過積載の大型車両(総重量20トン超えの車両)だと考えられています。総重量20トンを超える大型車両は数としては少ないですが、道路橋に与える負荷の程度は甚大です。 車両総重量の何倍もの負荷が生じるため、舗装面の崩壊や道路に大きな穴が空いてしまう危険もあります。

取り締まりが強化されているため

国を挙げて過積載対策に取り組んでおり、具体的な取り締まり対策として次の施策を講じています。

  • 走行車両の重量とナンバーを測定し、データベースと照合することによる違反車両の判別
  • 違反者に対する荷主情報の聴取
  • 荷主勧告を発動しやすい制度の整備
  • 違反点数に応じた高速道路の割引停止措置

取り締まりが強化された背景は、違反車両が大幅に増加したためです。2012~2014年の3年間で違反車両は約3割も増えています。

過積載を起こさないための5つの対策

過積載対策の主な手法は次の5つです。

  • 施工計画書への必要事項の明記
  • 搬出車両記録表による報告
  • トラック総重量の計測
  • 積み荷量の計測
  • 荷姿の目安を遵守

大別すると事前に過積載防止の防止策や責任者を決めておく方法と、運搬時の対策に分けられます。運搬時の対策は、車両情報の記録、トラックや積み荷の重量計測、荷姿の目視です。 ここでは、それぞれの対策について具体的な方法を紹介します。

 

施工計画書への必要事項の明記

施工計画書の作成に当たり、過積載防止計画を策定しましょう。過積載防止計画には、次のような事項を明記します。

  • 運搬量や運搬先、運搬方法など運搬に関する事柄
  • 積載監視責任者や積載量の点検方法、関係者に対する過積載防止に関する周知・啓発など過積載防止についての事柄

積載監視責任者とは、現場担当者のうち運搬物の積み込みや積載量を監視する職員を差します。

搬出車両記録表による報告

土砂やコンクリートなど運搬物を場外に搬出する際は、毎月1回、監督員に対して搬出車両記録表を提出するようにしましょう。搬出車両記録表には年月日や車両番号、最大積載量を記載します。 記録に残すことで過積載が起きた時にどの車両なのか確認が容易になります。計量表を書く必要はありませんが、記載ミスや記入漏れには気をつけましょう。

トラック総重量の計測

ポータブル車両重量計やセパレートスケール、過積載判定機を使えば、運搬前に車両の総重量を計測が可能です。 ポータブル車両重量計はパットの上に、セパレートスケールはスケールの上に車両を移動させて測定します。

セパレートスケールは簡易式のタイプを使用しても、一回だけで測定が完了するため便利です。 過積載判定機は設定値が重量を超えた場合に赤いランプが光り、過積載を教えてくれる装置です。

積み荷量の計測

積み荷量を確認すれば、最大積載量との比較によって過積載状態なのか把握できます。積み荷量の計測には、次のような機器が利用可能です。

  • 薄型ポータブル重量計
  • セパレートスケール
  • 超低床式スケール
  • デジタル台はかり
  • ハンドパレットスケール
  • 台車スケール

トラックスケールやセパレートスケールを使えば、トラック総重量も一緒に把握できます。

荷姿の目安を遵守

目安として発生土は平ボディーの嵩高いっぱいまで、コンクリートガラはさらに20cmまでを基準にすると良いでしょう。発生土は均した状態で測定してください。部分的に平ボディーの嵩高を超えていても均した時に規格に収まれば、定量内とみなせます。 発生土は水の含有量や比重など土質条件によって重量が変動する場合もあるため、測定時は注意しましょう。

過積載を起こしてしまったらどうなる?

過積載を起こした場合、次のような処置が取られる可能性があります。

  • 監督員からの改善指導を受ける
  • 法律違反による罰則を受ける

監督員からの指導で改善されれば良いですが、再発が繰り返されたり警察の取り締まりを受けたりすると、懲役や罰金などの法的な罰則が生じる可能性も高くなるでしょう。 ここでは過積載による罰則の詳しい内容を解説します。

監督員からの改善指導を受ける

監督員は過積載車両を発見したら、まず口頭で改善を促します。それでもなお状態に改善が見られなければ、書面による改善指導や工事成績評定へ反映されてしまう場合も。 また、改善報告書の提出を求められる可能性もあります。この場合、ただちに何らかの対策を施し、施した対策や改善状況などを報告しましょう。

法律違反による罰則を受ける

過積載を起こしたら道路交通法や貨物事業者運送事業法の罰則を受けます。主な罰則の条件や内容を、対象者別に表へまとめました。

荷主 事業主(車両の使用者) ドライバー
行政の再発防止命令に違反した場合 過積載車両の使用制限処分に違反した場合 過積載を起こした場合
6ヵ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 3ヵ月以下の懲役、または5万円以下の罰金 過載割合や車両の種別に応じて、違反点数や反則金が課される

荷主は過積載を認識していながら、積載物を引き渡してはいけません。これに違反し、再発の可能性もあると認められる場合、警察署長から再発防止命令が出されます。 また、過積載が行われた時は運行管理業務の改善を図るため、自動車の使用者に対して再発防止に必要な措置を取ることを求める場合があります。

この命令を受けたにもかかわらず同じ車両で再度過積載が認められた時は、自動車の使用制限処分を受けるのです。 公安委員会が自動車の所有者に対し3ヵ月の範囲内で自動車を運転させない、または運転しないことを求めます。

過積載対策は人命や会社の信用を守るために必須

過積載は事故を引き起こす危険行為であり、人命に関わる可能性もあります。法律にも違反するため、罰金の納付や懲役の可能性もあります。また過積載が発覚すると会社の信用は大きく失墜するでしょう。 運搬が発生する事業を営む会社にとって、過積載対策は必要不可欠です。この記事で紹介した対策の具体例を参考に、必要な措置を講じましょう。

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