ユニック車の資格は操作する場面ごとに異なる?取得費用の目安も紹介

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ユニック車の資格は操作する場面によって異なり、「公道走行時」「クレーンの操縦時」「フックの操作時」の3パターンに分けられます。 また、扱うユニック車の仕様によっても取得すべき資格が変わります。本記事では、ユニック車の運転に必要な資格の種類や費用の目安、メリットを紹介します。

ユニック車の運転に必要となる資格

クレーンを装備したトラックであるユニック車を運転するのに必要な資格は、次の操作する場面によって異なります。

  • 公道走行
  • クレーンの操縦時
  • フックの操作時

この3つが作業をすべて担当できれば、仕事の幅も大きく広がります。その結果として、新たなビジネスチャンスも掴みやすくなるでしょう。ここでは、それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

公道走行

ユニック車に限らず公道を走行する際には、普通・中型・大型運転免許のいずれかが必要となり、一般的な自動車と変わりません。必要な免許の種別は、総重量と積載量によって決まります。

  • 大型免許:ユニック車の総重量が11t以上、かつ積載量が6.5t以上の場合
  • 中型免許:ユニック車の総重量が11t未満、かつ積載量が11t未満の場合
  • 普通免許:ユニック車の総重量が3.5t未満、かつ積載量が2t未満の場合

中型免許の取得には、普通免許の保持が欠かせません。また、免許の取得年度によって上記にずれが発生する場合があるため、事前に確認しましょう。 中型免許を保有している場合、大型免許の取得が通常よりも容易になり、費用も抑えられます。

クレーンの操縦時

クレーンの操縦時は、吊り上げる貨物の重さによって受講する必要のある講習や資格があります。吊り上げ荷重ごとに必要な講習や資格を次の3つに分けて解説します。

  • 吊り上げ荷重「0.5t以上~1t未満」
  • 吊り上げ荷重「1t以上〜5t未満」
  • 吊り上げ荷重「5t以上」

取り扱う荷重ごとに適した講座を選ぶようにしましょう。

吊り上げ荷重「0.5t以上~1t未満」

吊り上げ荷重が「0.5t以上~1t未満」の場合は「小型移動式クレーンに関する特別講習」を受講する必要があります。民間企業や日本クレーン協会が主催しており、約2〜3日で取得可能です。 しかし、ほとんどの現場では1トン未満のクレーンを利用することはありません。そのため受講者も少なく、連鎖的に特別講習を実施している機関が少なくなっているのが現状です。

吊り上げ荷重「1t以上〜5t未満」

吊り上げ荷重が「1t以上〜5t未満」のクレーンを操縦するには「小型移動式クレーン運転士技能講習」を受講する必要があります。 こちらも民間企業や日本クレーン協会が主催しており、約2〜3日(20時間)で取得可能です。ただし、次のいずれかに該当する方は受講時間が短くなります。

  • 小型移動式クレーンに関する特別講習を受講後、実務経験が6ヶ月以上ある
  • 車両系建設機械運転技能講習を修了している
  • 建設機械施行技師の1級、もしくは2級の第2種または第6種に合格している
  • クレーン・デリックの運転士資格を所有している
  • 揚貨装置の運転資格を保有している
  • 玉掛け技能講習を修了している
  • 床上操作式クレーン運転技能講習を修了している
  • 鉱山において、吊り上げ荷重5t以上の移動式クレーンでの業務経験が1ヶ月以上ある

後述する「玉掛け技能講習」でも受講時間が短くなりますので、受講する順番については考える必要があります。 また、同講習は「労働安全衛生法 第61条ー1よりクレーン等安全規則第68条」で次のように規定されています。 「但し、つり上げ荷重が1t以上5t未満の移動式クレーンの運転の業務については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者を当該業務に就かせることができる」 例えば、車両の貸し出しをする際にも、この条件を満たさないドライバーに貸し出してしまうと事業主も罰則の対象となる点には注意が必要です。

吊り上げ荷重「5t以上」

吊り上げ荷重「5t以上」のユニック車を扱うには「移動式クレーン運転士」という国家資格の取得が必要です。 試験では、学科と実技の2つが実施されます。両方の試験を直接受ける方法もありますが、約10日で卒業できる教習所に通えば実技試験は免除されます。 普通免許などと同様に試験場での実技試験は難しく、なかなか合格できないケースもあるため教習所に通うことをおすすめします。 また、同資格は「労働安全衛生法 第61条ー1よりクレーン等安全規則第68条」の次の文章によって規定されています。 「事業者は、令第20条第7号に掲げる業務については、移動式クレーン運転士免許を受けた者でなければ、当該業務に就かせてはならない。」 このように、車両を保有する事業主の責任が明記され、規定されています。

フックの操作時

クレーンのフックにものを引っ掛けて操作する玉掛けには、専用の講習を受講しなければなりません。該当の講習は玉掛けするものの荷重によって決まります。

  • 重さが1tを超える場合:玉掛け技能講習
  • 重さが1t未満の場合:玉掛け特別教育

基本的には、学科講習が「計12時間」、実技講習が「計7時間」にわたって実施され修了となります。その際に受領する修了証書を作業時に携帯する義務があります。 法律によって規定されていますので、怠らないようにしましょう。また、すでにクレーン関連の資格を保有する場合は講習時間が短くなるケースもあります。

ユニック車の資格取得にかかる費用の目安

ユニック車をフル活用するには、3種類の講習受講や資格が必要であると紹介しました。続いて、それぞれの資格取得に必要な費用の目安についてみていきましょう。

  • 移動式クレーン運転士免許の取得
  • 小型移動式クレーン運転技能講習の受講
  • 「大型自動車免許や中型自動車免許」の取得
  • 玉掛け技能講習や特別教育の受講

受講先によっては、複数の講座を受講すると割引を受けられる場合もあります。資格取得を検討する際は、同時に受講する場合の費用もチェックしてみてください。

移動式クレーン運転士免許の取得

吊り上げ荷重5t以上を扱える移動式クレーン運転士免許の取得にかかる費用の目安は次の通りです。

  • 学科試験手数料:6,800円
  • 実技試験手数料:11,100円
  • 教習所費用:130,000〜160,000円

試験場での実技試験は難しいため、なかなか合格できない場合もあります。実技試験をなんども受け直すリスクを考えれば、教習所に通ったほうが効率的かもしれません。

小型移動式クレーン運転技能講習の受講

続いて1t以上、5t未満の荷重を扱える小型移動式クレーン運転技術講習です。通う教習所などによって多少の変動がありますが、こちらの講習は「約30,000円」で受講できます。 また、雇用主が受講費用を負担する場合「人材開発支援助成金」の適応となる場合があります。講習を申し込む前に条件を満たすかぜひチェックしてみてください。

「大型自動車免許や中型自動車免許」の取得

ユニック車を公道で運転するために必要な各種免許についてです。こちらは、一般的な自動車教習所と変わりありません。

  • 普通自動車免許:約300,000円
  • 中型自動車免許:約200,000円(普通自動車免許の保持が必須条件)
  • 大型自動車免許:約400,000円(中型自動車免許を保持している場合は約300,000円)

通所するよりも、合宿免許で取得するほうが短期間・低費用となる傾向にあります。

玉掛け技能講習や特別教育の受講

最後に、クレーンを操作するために必要な資格の費用を見ていきましょう。

  • 玉掛け技能講習:小型移動式クレーン運転技能講習を終了している場合は約21,000円
  • 玉掛け特別教育:約15,000円

玉掛け技能講習や特別教育を受講する前に、クレーン関連の講習を済ませておくとお得な費用で講習を受けられます。そのため、受講する順番は事前に検討しましょう。

ユニック車の資格を取得する2つのメリット

ユニック車の資格を取得する2つのメリットは、次の2つが挙げられます。

  • 担当できる仕事の幅は広がる
  • ドライバーのライフワークバランスを取りやすい

ユニック車の資格を取得することで、収益を取りやすくなったり労働者の負担を減らしたりと事業を効率的にできます。ここでは、それぞれに分けてメリットを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

担当できる仕事の幅は広がる

ユニック車の資格を取得すると、大型免許や中型免許のみを保有しているドライバーより仕事の幅が広がります。その結果、会社として取引できる対象顧客を増やし、売上向上につながるでしょう。 ユニック車に関する資格を持っていれば、建設や電気、土木などのさまざまな工事の現場で活躍できます。さらに、玉掛けまで持っていれば、現場で自ら作業も行えるのでより効率的といえます。 その他にも、災害現場におけるがれきの撤去や、引っ越しの荷物運搬などを担うことも可能です。

ドライバーのライフワークバランスを取りやすい

ユニック車での仕事は貨物運送系と異なり、ライフワークバランスが取りやすいのが特徴です。ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスがとれた状態を意味します。 朝は早いものの、夕方17時ころには仕事が終わることも多くあります。また、トラック業界にありがちな夜勤が少ないのも特徴です。ドライバーのライフワークバランスを取りやすくなれば採用の幅も広がり、事業を展開しやすくなります。

ユニック車の資格はさまざま場面で活かせる

ユニック車にまつわる資格取得や講習の受講は、請け負える仕事の幅を大きく広げます。それに加え、ユニック車を扱う業務を取り扱うと一般的な運搬業よりも生活リズムが整いやすいのも魅力的です。 現在、運送だけを取り扱っている場合は、企業と労働者ともにメリットを得やすいユニック車の資格取得をぜひ検討してみてください。

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