ポールトレーラーの運転が難しいとされる理由と練習方法を紹介

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ポールトレーラーの運転が難しいとされる大きな理由に「バック時」や「カーブ時」の特殊な動きが関係しています。いずれも一度操作を誤ってしまうと、大きな事故にもつながりかねません。 そこで、本記事では具体的な理由の内容や運転のコツ、練習方法などについてみていきましょう。

ポールトレーラーの運転が難しいとされる4つの理由

ポールトレーラーの運転が難しいとされるのには、次の4つの理由があります。

  • 内輪差が大きい
  • バック時はハンドルを切った時に逆方向に動く
  • ジャックナイフ現象が起こる危険性がある
  • トレーラースイングが起こる危険性がある

ポールトレーラーは、輸送トラックの中でも運転が難しい車両の1つです。しかし、実際に運転したことがない方にとっては、どのような点が難しいのかが分かりにくいでしょう。ここでは、理由ごとの詳しい内容について解説します。

内輪差が大きい

ポールトレーラーは長さがあり、全車両の中でも内輪差が大きい車種になります。そのため、右左折やカーブの時には十分に気を付けなければなりません。 走行中にトレーラー部分が振れてしまうとハンドル操作ができなくなり、制御できなくなれば大きな事故につながる可能性もあります。 また、右左折をする場合は、内輪差を考えないと対向車と接触事故を起こしやすくなるでしょう。車体に長さがあるため運転席から最後尾を確認するのが難しく、大きな荷物を積んでいる場合は運転席から目視するのは困難です。さらに、他の車両よりも死角が多く、運転には高い技術が必要になります。

バック時はハンドルを切った時に逆方向に動く

ポールトレーラーの運転で最も難しいのがバックです。トレーラーには連結部分があるため、バック時にはトレーラー部分がハンドルを切った方向と逆に動いてしまいます。 乗用車やトラックの場合、右にハンドルを切ってバックすると後ろが右側に動きますが、トレーラーは連結部分から後ろが左側に折れてしまうのです。トレーラーを運転し始めの際は混乱してしまい、うまくバックできない方も多いでしょう。 そのため、最初にバック時のハンドルの切り方に慣れる必要があります。バック時には後方の確認が難しいため、窓を全開にして耳も使いながら運転していきましょう。また、必要であればバックモニターを活用するなど、安全な運転につながる工夫も必要です。

ジャックナイフ現象が起こる危険性がある

ジャックナイフ現象とは、走行時に急にブレーキを踏んだり、ハンドルを切ったりした場合にトレーラーとトラクターヘッドの連結部分が「く」の字状に折れる現象のことです。 急ブレーキや急ハンドルをしても、トラクターヘッド部分は普通の車のように止まったり曲がったりの制御ができます。しかし、トレーラー部分には慣性の法則が働くため、制御ができず直進します。その結果、車体がくの字に曲がってしまうのです。 ジャックナイフ現象が起きるとトレーラー部分の制御が効かず、周囲の車や人を巻き込む重大な事故を起こす恐れがあります。トレーラーを運転する際は急ハンドルや急ブレーキをかけないよう、焦らず落ち着いて安全運転を心がけることが大切です。

トレーラースイングが起こる危険性がある

トレーラースイングとはトレーラーの後輪がロックされ、進路外側にトレーラーが大きくスイングしてしまう現象です。これは、ジャックナイフ現象と同じく急ブレーキや急ハンドル時によって起こり、重大な事故につながる可能性があります。 直進中に前の車が急ブレーキをかけた場合、ポールトレーラーはブレーキが間に合わず追突してしまいます。これを避けるために急ハンドルを切れば、トレーラーがスイングしてしまい、周囲の車や物に衝突してしまうでしょう。 この現象を防止するためには前の車との距離を大きめに取り、急ブレーキを踏まないよう安全に運転する必要があります。また、この現象は路面の状態にも左右されるため、特に雨天時や未舗装の道路では注意が必要です。

【バック】操作が難しいポールトレーラーを運転する際のコツ

バック時の操作が難しいポールトレーラーを運転する際のコツについて、次の4つが挙げられます。

  • 左バック時に折りすぎないように意識する
  • 右バック時はハンドルを回しすぎない
  • シャーシとヘッドが直線になるよう意識する
  • 窓を全開してからバックを始める

いずれも、ポールトレーラーを運転する際の大きなポイントとなります。今後ポールトレーラー免許の取得を検討している方は、これらのコツを理解しておくべきでしょう。ここでは、それぞれの詳しい内容についてみていきます。

左バック時に折りすぎないように意識する

左バックのコツは、以下のとおりです。 車体を縁石から60cmほど離し、トレーラー部分をくぼみ部分からさらに2m離した位置からバックを始める。 1回ハンドルを切ってバック、120度ほどに折れたところで、ハンドルをまっすぐに戻す。 150度になる手前までそのままバックし、ハンドルを左側に1回転、150度ほどになったら左側に切る。 このとき、折りすぎないよう意識してハンドル操作を行いましょう。 日本の車は運転席が右側にあるため、左バックが苦手だという方も多いですが、右バック時はサイドミラーだけでなく窓を開けて後方を確認できます。 一方、左バックの場合はサイドミラーを頼って運転するしかありません。そのため、バックカメラやモニターなどを設置するケースも多くあります。

右バック時はハンドルを回しすぎない

右バックは運転席側の窓が開けられるため後方も確認しやすく、左バックに比べると運転しやすいです。ただし、右バックもうまく運転するためにはコツがありますので、しっかりポイントを押さえておきましょう。 右バック時のコツとしては、ハンドルを回しすぎないことです。まず、バックし始める前に車両後部をどこに停めるかイメージしておきます。イメージができたら、トラクターのヘッド部分を少し折っておきましょう。 少し折れた状態からトラクターヘッドをまっすぐにしてバックすると、シャーシが折れてきます。その後、車両をバックさせながらハンドルを少しずつ調整し、ヘッドの後輪が白線上に来るようハンドルを右方向に切ります。 右バックのコツとして、「ハンドルを回しすぎない」「1回転以上させない」の2点について意識してみてください。

シャーシとヘッドが直線になるよう意識する

右バックと左バックのいずれも、ヘッドとシャーシは直線にするよう意識しましょう。もしバックで行き詰った場合、曲がっている方向とは逆にハンドルを回せば調節が可能です。 つまり、右に車体を動かす場合は左にハンドルを切り、左に動かす場合は右にハンドルを切るようにしましょう。バック時には45度まではシャーシが曲がり、90度曲げたらその場で止まります。

窓を全開してからバックを始める

バック時には周囲の状況が把握しやすいように、窓を全開にしてから運転し始めるようにしましょう。窓を全開にした方が見える範囲も広がり、耳から得られる情報もあります。 運転席の窓を全開にしてからバックを始めるのが基本です。ただし、それでも不安や違和感があれば一旦停車しましょう。そして、運転席から降りて目視で確認するなどの慎重さが大切です。 また、リヤウインドウから直視できる場合はそこからの情報も活用してバックしていきましょう。

【カーブ】操作が難しいポールトレーラーを運転する際のコツ

カーブ時の操作が難しいポールトレーラーを運転する際のコツとして、次の4つが挙げられます。

  • センターラインを意識する
  • しっかりとスピードを落とす
  • 側方の死角に注意を払う
  • 内輪差を意識する

ポールトレーラーの総重量はトラックよりも重く、カーブ時にはかなりの遠心力がかかります。そのため、カーブの多い道で曲がり切れず、前方への衝突や路肩への脱線といった事故が起きやすい車両です。ここでは、それぞれの詳しい内容について解説します。

センターラインを意識する

ポールトレーラーに限らず、大型の車両を運転する際はカーブ時にセンターラインに寄りすぎないように意識しなければなりません。特に道幅が狭い場合、車両の一部が対向車線にはみ出してしまい、結果として大きな事故に発展する恐れがあるからです。 長さのあるポールトレーラーの運転時にはより注意深くセンターラインを確認する必要があり、常に車体幅を意識する必要があります。

しっかりとスピードを落とす

ポールトレーラーのカーブ時は、しっかりとスピードを落としましょう。総重量の重いポールトレーラーは、カーブ時に大きな遠心力がかかります。また、スピードに乗ったままカーブすれば、さらに遠心力は大きくなるでしょう。 そのため、カーブに進入する前にブレーキを踏み、できるかぎりスピードを落とすことが重要です。慌ててブレーキを踏むことがないよう注意してください。

側方の死角に注意を払う

ポールトレーラーは他の車に比べて側方の死角が多く、運転時には注意を払う必要があります。 特に、左折時などは二輪車や人を巻き込んでしまう可能性が高いでしょう。安全確認はミラーだけでなく、必ず目視でも行わなければなりません。 しかし、運転に慣れてくると緊張感が薄れてきてしまい「だろう運転」をしてしまいがちです。一瞬の油断が人の命を奪う可能性があることを常に意識し、慎重な運転を心がけましょう。

内輪差を意識する

ポールトレーラーは通常のトラックよりも長く、内輪差が大きいのが特徴です。そのため、車体の内輪差を意識した運転操作が欠かせません。 カーブ時には、コースの取り方で曲がりきれるかどうかが決まります。コースの取り方を間違えると道路内で身動きが取れなくなり、周囲の交通を妨げる原因にもなりかねません。車体の内輪差を考慮し、余裕を持った運転操作が求められます。

ポールトレーラーの運転を練習する4つの方法

ポールトレーラーの運転を練習する方法として、次の4つが挙げられます。

  • 自動車練習場や私有地で感覚を掴む
  • ベテラン運転手の横に乗せてもらう
  • アプリやラジコンなどを活用する
  • 自動車シミュレーターを活用する

ポールトレーラーは他の車に比べ、運転が難しい車両の1つです。特に、バックについては何度も練習をして感覚を身に着ける必要があるでしょう。ここでは、練習方法ごとの詳しい内容について紹介していきます。

自動車練習場や私有地で感覚を掴む

ポールトレーラーの運転感覚を掴むためにも、自動車練習場や私有地での練習がおすすめです。自動車練習場などの広い場所であればカーブだけでなく、バックの練習もできます。また、通行人や障害物などもないため運転に集中できるでしょう。 左バックや右バックなど、ポールトレーラーの運転方法にはコツがあります。何度も練習を重ねることで感覚を掴めば、スムーズに運転できるようになるでしょう。また、練習を重ねると車体の内輪差も感覚的に把握できます。

ベテラン運転手の横に乗せてもらう

ベテラン運転手の横に乗せてもらうのも1つの方法です。1人で運転しているだけでは分からない部分が解決されず、やみくもに練習しているだけの状態にもなりかねません。 そこで、ベテラン運転手の横に乗せてもらえば技術を見て勉強ができ、運転や練習のコツを教えてもらえる可能性もあります。同行してもらえるドライバーがいるのであれば、積極的にお願いしてみてください。

アプリやラジコンなどを活用する

実際にトレーラーを運転するのが難しい場合は、アプリやラジコンなどの活用もおすすめです。トレーラーの運転ができるスマホアプリを活用すれば、時間のある時に手軽に運転感覚が養えます。 また、トレーラーのミニカーを使ったイメージトレーニングも効果的です。右にハンドルを切った際に、トレーラー部分がどう動くかといった実際の動きを確認できます。

自動車シミュレーターを活用する

自動車シミュレーターを活用するのもおすすめです。教習所にある自動車シミュレーターは、実際にトレーラーを運転しているような感覚を体験できます。そのため、アプリやミニカーよりも実際の運転に近い形で練習できるでしょう。 また、シミュレーターを使えば普段の運転とは異なるシチュエーションでの練習もできるため、教習所に通った際はぜひ体験してみてください。

ポールトレーラーの運転には高い技術を要する

ポールトレーラーは、大型のトラックやダンプなどに比べても運転が難しい車です。よって、高い運転技術を求められ、ニーズの高い職種であることは間違いありません。 また、私たちの生活には欠かせないさまざまな長尺物を運搬できるポールトレーラーは、今後も重要な仕事として求められ続けるでしょう。売上アップにもつながる可能性があるポールトレーラーについて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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