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アルミバントラックって、どんなトラック?
「街中でよく見かけるトラックは?」と聞かれたら、多くの人が、車体の後部にコンテナ型の荷台を備えたトラックをイメージするのではないでしょうか?それこそが今回ご紹介するアルミバントラックです。
アルミバントラックは、荷台にアルミ製の箱を装備した車両です。箱型の部屋のような構造をもつアルミバントラックの荷台には、車体重量をできるだけ軽くし、より多くの荷物を運べるよう、軽量のアルミ素材が採用されています。また、アルミの強度不足を補うため、多くのアルミバントラックの荷台側面の板には、波型(アルミコルゲート)の加工が施されています。
雨や直射日光、粉塵などから荷物を守れることに加え、走行中の落下防止、梱包の簡素化など、様々なメリットから運搬業や宅配業、引越業などの幅広い分野で使用されています。
アルミバントラック種類と必要な運転免許は?
アルミバントラックには、2t(小型)から10t(大型)まで幅広いサイズがあるほか、同じサイズにもベースとなる「標準」のほか、標準に比べ縦長の「ロングボディ」、車幅が広い「ワイドボディ」などのタイプの違いが存在します。そんなアルミバントラックの種類についてまとめてみます。
アルミバントラックの種類 | 運転に必要な免許 | 積載量の目安 |
2t | 普通免許、準中型免許 | 単身者〜夫婦2人世帯の引っ越しなど |
2tロング・ワイドボディタイプ | 準中型免許 | 大人2人以上、かつ子供がいるファミリーの引っ越しなど |
4t | 中型免許 | 大人3〜4人の引っ越しなど |
10t | 大型免許 | 二世帯家族の引っ越しなど |
参考:大型・中型・小型トラックのサイズ・用途の違いをプロが解説 | トラッカーズマガジン
ここで注意が必要なのが、2tアルミバントラックを運転するために必要な免許です。「2tまでは普通自動車免許で運転できるんじゃないの?」と考える方もいると思いますが、免許の取得時期に定義された車両総重量の規定で、同じ普通免許でも取得した時期に応じて、運転できる車両重量の上限は異なります。お持ちの普通免許で運転できる車両総重量については、以下の表をご参照ください。
普通自動車免許の取得時期 | 運転できる車両の重量 |
平成19年6月1日以前 | 8t未満 |
平成19年6月2日~平成29年3月11日 | 5t未満 |
平成29年3月12日以降 | 3t未満 |
アルミバントラックを販売しているメーカーと、それぞれの特徴
アルミバントラックは、トラック専門メーカーをはじめ、様々なメーカーから販売されています。ここでは2tアルミバントラックを基準に、それぞれのメーカーの特徴をご紹介します。
【各メーカーの特徴と代表モデル】
三菱ふそう
尿素水溶液を使ったクリーンディーゼルを採用しています。高性能ブレーキと低燃費性も魅力です。
2tアルミバントラック代表モデル:「キャンター」
「キャンター」 の車両一覧(トラッカーズ)
いすゞ自動車
アルミバントラックを含む「小型トラック」の国内シェアNo.1メーカーです。
尿素水溶液を用いない排出ガスクリーン化システムを搭載し、環境にも配慮した車両です。
2tアルミバントラック代表モデル:「エルフ」
「エルフ」 の車両一覧(トラッカーズ)
日野自動車
トラックの最大手メーカーです。
尿素水溶水を使用しない排出ガスクリーン化システムを採用しています。
2tアルミバントラックの代表モデル:「デュトロ」
「デュトロ」 の車両一覧(トラッカーズ)
マツダ
高い耐久性が人気です。いすゞの技術を用いたトランスミッションと排出ガスのクリーン化システムを採用しています。
2tアルミバントラックの代表モデル:「タイタン」
「タイタン」 の車両一覧(トラッカーズ)
日産
三菱ふそうの「キャンター」と同じ、トランスミッションを搭載しています。
2tアルミバントラックの代表モデル:「アトラス」
「アトラス」 の車両一覧(トラッカーズ)
トヨタ
プリウスなどでおなじみのハイブリッドシステムによる低燃費・低排出ガスで人気です。
2tアルミバントラックの代表モデル:「ダイナ」
「ダイナ」 の車両一覧(トラッカーズ)
アルミバントラックを運転する上で注意すべきことは?
アルミバントラックと普通車では、運転感覚が全く異なります。特に注意すべきポイントを4つにまとめまましたので、アルミバントラックを運転する際はぜひ参考にしてください。
車両の高さに注意する
アルミバントラックを運転する際、まず意識するべきはその高さです。普通車と同じ感覚で運転していると、荷台の上部が標識や民家の屋根に接触するなど、思わぬトラブルが発生することもあるので注意が必要です。また、通過予定のルートにトンネルなどがある場合には、高さ制限などについて事前にしっかり確認しましょう。
普通車にはない死角に注意する
車高が高いアルミバントラックは、前方の視界が良好な反面、「フロントガラス側面の柱」、「フロントガラス下部」、「後方」など、普通車と異なる死角が生じます。発車時や右左折時には、死角に人が入り込んでいないか慎重に確認しましょう。
バックの際の距離感に注意する
上記の<普通車にはない死角に注意する>でも触れましたが、アルミバントラックでは、荷台が視界を遮ってしまうため、ルームミラーによる後方確認ができません。バックの際は、サイドミラーと目視でしっかり確認しましょう。また、駐車時も普通車と同じような感覚で「車止め」までバックすると、荷台後部が店舗などの軒先に接触する可能性があります。
内輪差の大きさに注意する
普通車でも生じる内輪差ですが、車体が長いアルミバントラックでは、その差はさらに大きくなります。左折する際には、サイドミラーの死角に自転車やバイクがいないか、慎重に確認する必要があります。
まとめ
アルミバントラックと一口にいっても、ワイドボディやロングボディなど、様々なタイプが存在しますので、用途にかなうタイプを選びましょう。
また、運びたい荷物の量などに合わせて、2t、4t、10tサイズの車両の中から最適なものを選びましょう。