ダンプ運転手は、トラック運転手の中でも少し特殊な業務に携わっていますが、給料にはどのような違いがあるのでしょうか。また、これからダンプ運転手を目指す方にとって、仕事内容や必要なスキルも気になるポイントではないでしょうか。
そこで本記事では、ダンプ運転手の仕事内容や給料について解説します。仕事内容や年収などの条件を知りたい方や、就職、転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ダンプ運転手の給料相場はどれくらい？
ダンプ運転手は、トラック運転手の一種に分類されます。全日本トラック協会の調査によると、令和4年度のトラック運転手の平均月収は372,300円で、年収に換算すると約447万円となります。
参考：全日本トラック協会「2022 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」
では、ダンプ運転手はトラックドライバーの給料と比べて、どれくらい稼げるのでしょうか。ここでは、ダンプ運転手の平均年収や地域ごとの年収について詳しく見ていきます。
平均年収
ダンプ運転手の正社員の平均年収は約437万円で、トラック運転手の平均年収とほぼ同じです。
参考：経済産業省「2022 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」
ダンプ運転手の給料は、勤務先の条件だけでなく、所有する資格や経歴、担当する業務によって大きく変わるため、平均年収から外れることも多いです。高収入を目指すには、必要なスキルや資格を事前に取得しておくことが重要です。
地域別平均年収
ダンプ運転手の地域別の平均年収は下記のとおりです。
参考：経済産業省「2022 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」から男性運転者の平均賃金を参照
ダンプ運転手の平均年収は地域によって差があり、最も高い近畿と沖縄を比べると、約130万円の差があります。
ダンプカーのサイズごとに給料が異なる
ダンプカーにはいくつかのサイズがあり、それによって給料の平均も異なります。ダンプカーは運転免許の種類に応じて、「小型」「中型」「大型」の3つに分類されます。それぞれのサイズに対応する重量と必要な免許は以下のとおりです。
一般的に、サイズが大きくなるほど必要な資格や運転技術が求められるため、給料も高くなる傾向があります。実際、車両のサイズが大きくなるごとに、月収が平均で5万円ほど上がるともいわれています。
ダンプ運転手の仕事内容
ダンプ運転手は、貨物として運ぶ荷物として、土砂や産業廃棄物、草木などを運ぶことが多いです。ここでは、運ぶ荷物ごとに業務内容を紹介します。
主に土砂を運ぶ「土砂ダンプ」の仕事内容
土砂ダンプはその名のとおり、土砂を運ぶためのダンプカーです。主な業務は、建設現場や土木工事現場からの土砂を積み込み、別の場所へ運搬、埋め立てが必要な現場への土砂搬送です。
ダンプ部分は傾けることで、一度に大量の土砂を素早く降ろせる仕組みになっており、効率的に作業を進められます。
さらに、山間部や大規模な工事現場で使用される「重ダンプ」という種類もあり、非常に大きな積載量を持っています。しかし、重ダンプは一般道を走行できないため、通常のトラック運転手の業務とは少し異なります。
また、山間部や大規模の工事現場で活躍する重ダンプという種類もあり、非常に大きな積載量であるため、操縦に専門のスキルが必要です。加えて、重ダンプは一般公道を走行できる規格ではないため、一般的なトラック運転手の業務内容のイメージとは離れています。
土砂以外を運ぶ「深ダンプ」の仕事内容
土砂や砂利以外の荷物を運ぶダンプカーは「深ダンプ」と呼ばれ、かさばる荷物の運搬に使われます。具体的には、草木やペットボトル、農作物などが対象です。
深ダンプは、運ぶ荷物によって用途が変わります。例えば、清掃作業で使用される場合、落ち葉やゴミなどを焼却場へ運搬し、農場や牧場では、農作物や家畜用飼料を運ぶ役割を担っています。こうした農業向けの深ダンプは「ファームダンプ」や「デカ箱」とも呼ばれます。
深ダンプは一般的なダンプカーよりも深い構造になっており、かさばる荷物の運搬に適していますが、比重の重い土砂を積むと重量オーバーになるため、法律で禁止されています。
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ダンプ運転手に必要な技術や心得
ダンプ運転手として活躍するために必要な技術や心得がいくつかあります。ここでは、代表的なものを4つ紹介します。
運転技術
ダンプカーは一般の車両よりも大型かつ、車両の形状から後方の確認が難しいため、より高い運転技術が求められます。さらに、貨物の内容によっては、荷物が少しはみ出したり、車体の重量が変わったりするため、高速道路での運転にも注意が必要です。
作業現場では、効率よく業務を進めるためにも、適切な場所への正確な駐車技術も重要です。大型車の駐車には一般車両にはない高度なスキルが求められるため、あらかじめ練習してコツを掴んでおく必要があります。
また、ダンプカーのサイズによっては、大型免許が必要です。免許がない場合、ダンプカーの運転はできず、就職や業務に就くことができない可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
安全意識
ダンプ運転手には、一般の車両以上に安全運転への強い意識が求められます。万一、事故を起こすと、積んでいる荷物が道路に流出し、交通を妨げるだけでなく、他の車両にぶつかり二次的な事故を引き起こす可能性もあるためです。
さらに、荷物の種類によっては撤去に時間がかかり、自社やクライアント、さらには行政にも大きな負担をかけてしまう恐れもあります。
こうしたリスクを避けるためにも、ダンプ運転手は体調管理を徹底し、常に安全運転を心がけることが重要です。
時間厳守の意識
ダンプ運転手に限らず、トラック運転手はクライアントの荷物を運搬するため、スケジュール管理が非常に重要です。時間に遅れてしまうと、工事や建設現場の進行が遅れ、多くの関係者に影響を与えてしまいます。場合によっては、取引先との信頼が損なわれ、責任問題に発展することも考えられるでしょう。
こうしたトラブルを避けるためにも、正確なスケジュールを立て、予定時間よりも早めに目的地に到着できるよう心がけましょう。特に長距離輸送の場合は、スケジュールと体調管理により注意が必要です。
体力向上の意識
ダンプ運転手は、荷物を長距離運搬することも珍しくありません。業務によっては、数日にわたる運搬もあるため、長時間の運転に耐える体力が必要です。
また、長時間同じ姿勢を保つことで、腰などに負担がかかりやすくなります。休憩をこまめにとり、体に負担がかからないよう工夫することも大切です。
給料をアップさせる方法
ダンプ運転手も資格やスキルによっては、高収入が狙える仕事です。そこで、給料をアップさせるための方法を3つ紹介します。
資格を取得する
ダンプカーは、サイズが大きくなるほど求められる資格やスキルが増え、それに伴い給料も上がりやすくなります。そのため、大型ダンプカーを運転するためには、大型自動車免許を取得することが重要です。
大型自動車免許を取得すれば、ダンプカーだけでなく、さまざまなトラックも運転できるようになるため、転職活動でも有利に働きます。
また、産業廃棄物など特定の荷物を運搬する際には、危険物取扱者などの専門資格が必要です。これらの資格を取得することで、給料アップにつながることもあります。さらに、重機を使用した積み込みや積み下ろしを行う場合は、対応する免許を取得しておくとよいでしょう。
勤続年数を上げる
ダンプ運転手に限らず、同じ会社で長く働くと、給料が上がりやすくなる傾向があります。特に会社に問題がなければ、長期間勤め続けて、昇給を狙うのがよいでしょう。
ただし、企業によっては、長く勤めても給料があまり上がらない場合もあります。そのような場合は、転職を検討するのも一つの手です。新しく就職する際には、上司や会社の平均給与などを事前に調べておくと、よりよい判断ができるでしょう。
今より待遇のよい会社に転職する
さらに給料アップを目指す場合は、より待遇の良い会社への転職が給料アップに繋がるでしょう。転職の際は、待遇や給与条件、勤務時間などをしっかり把握するようにしましょう。
また、転職の際に資格を取得しておくと、給料が高くなったり、職場の選択肢が増えるメリットがあります。取得可能な資格がある場合は、転職前に挑戦してみることをおすすめします。
ダンプ運転手の業界には女性の方も増えている
ダンプ運転手は、大型貨物を運ぶというイメージから、男性が多い業界と見られがちです。しかし、実際には女性のダンプ運転手も増え、全国で活躍しています。
さらに、福利厚生や勤務条件の改善も進んでおり、女性が働きやすい環境が整いつつあります。自分の希望に沿った条件の求人があるか、ぜひ確認してみてください。
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ダンプ運転手は高い給料が期待できる仕事
ダンプ運転手の平均給与は、一般的なトラック運転手とほぼ同じですが、資格やスキル、経験によっては高収入を狙うことができます。また、荷物の積み込みや積み下ろしがない職場も多く、体力に自信がない方にも向いている仕事です。
ただし、契約通りに荷物を運ぶ責任があるため、運転技術やスケジュール管理、安全運転への意識は非常に重要です。これから目指す方は、大型免許など必要な資格を取得しつつ、技術を磨いて挑戦してみてください。
