トラッカーズ通信

運送業界の即戦力「ベテランドライバー」にこそ対策を!

事業用トラックの死亡事故「200人以下」の壁


事業用トラックによる死亡事故がなかなか減りません。

国土交通省は2017年、「事業用自動車総合安全プラン2020」の中で、事業用トラックによる交通事故死者数を200人以下、人身事故件数を12,500件以下、飲酒運転による事故件数をゼロとするよう目標を設定しました。

そんな中、直近、警視庁から発表された「交通事故統計」によると、事業用トラックによる死亡交通事故は今年9月末時点ですでに173件(軽貨物・トレーラー含む)。
過去のデータを見る限り、同プランが掲げられて以降、この目標をクリアした年はなく、2020年もこのペースでいくと制限目標の200件を超えてしまう可能性が高いといえます。

言わずもがな、トラックによる事故には実に様々な要因があります。
急に止まれない、死角ができやすいといった「車体の特性」はもちろん、時間に追われるドライバーの「過酷な労働環境」もその例といえるでしょう。

しかし昨今、これらと同じくらい憂慮しなければならいと個人的に思っているのが、「トラックドライバーの高齢化」です。

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、全産業の平均年齢が42.9歳であるのに対し、中小型トラックドライバーは45.9歳大型トラックドライバーにおいては48.6歳と、どちらも高くなっています。

私がこれまで出会った大型ドライバーの中での最高齢は72歳。主に千葉から静岡間を走っているとおっしゃっていましたが、もしかすると彼以上に高齢で長距離を走っているドライバーさんも少なくないのかもしれません。

高齢化が進むトラックドライバーの懸念点

こうした高齢の職業ドライバーのほとんどは、ドライバー歴数十年のいわゆる「ベテラン」です。
ベテラン職業ドライバーは、それまでの経験や運転技術、豊かな土地勘が買われ、人手不足の運送業界では「即戦力」として重宝されることが多いです。

しかし、ベテランドライバーだからといって全てがメリットというわけではありません。
彼らベテランドライバーには、憂慮せねばならない点が2つあります。

1つは、「過剰な自信」です。

トラックドライバーに限らず、その業界で「ベテラン」になると、「勘」というものが働くようになります。とりわけ交通状況や天候など、「不可抗力」によって仕事の流れが大きく変わる運送業界にとって、彼らの「勘」というものは非常に有用に働きます。

そこでしっかりと意識しておかなければならないのは、その「勘」というのが「慣れ」と紙一重であるということ。

「だろう運転」はその典型で、「この道はいつも人通りが少ないから今回も大丈夫だろう」や、「この場合相手が譲ってくれるだろう」など、ベテランだからこそ存在するその「リズム」や「習慣」が注意不足に繋がるシチュエーションが多くありますが、これは勘でもなんでもなく、ただの「慣れ」です。

また、高齢になると「思い込み」や「我(が)」が強くなる傾向があることを忘れてはなりません。
実際、池袋で暴走し、多くの死傷者を出した高齢者ドライバーは、クルマに欠陥はなかったと結論付けられた今においてもアクセルとブレーキの踏み間違いを否定し続けています。

そしてもう1つの懸念点は、他でもない年齢による「老化」です。

「プロドライバーだから大丈夫だ」と思われているのか、これだけ世間が「高齢者ドライバー」に対してセンシティブになっている中、「職業ドライバーの高齢化」においてはあまり指摘されませんが、やはりどれだけプロであっても、そして安全運転をしたとしても、老いによる体力的な衰えには敵いません。

前出の「事業用自動車総合安全プラン2020」でも、

「視力等が弱まることにより周囲の状況に関する情報が得られにくくなり判断に適切さを欠くようになる、反射神経が鈍くなることによってとっさの対応が遅れる等の一般的な高齢運転者の特徴」

に対しての指摘があります。

事故防止に企業ができること


ただ、これら「過剰な自信」や「老化」に懸念点があるからといって、業界の即戦力となっている高齢ドライバーに今すぐトラックを降りてもらうというのは、全く現実的ではありません。

では、自分の会社に高齢ドライバーがいる場合、企業はどうするべきなのでしょうか。
それは、高齢ドライバー1人ひとりの「パーソナリティの把握」と「健康管理と適性診断」、そして過酷な労働環境になりやすい「長距離」や、人身事故の確率が上がる「地場輸送」の回避です。

「これまで長年ドライバーとしてやってきた人だから」という信頼感は非常に大事ではありますが、上記の理由から、「人は老いると変化が生じる」という俯瞰的目線も同じくらい必要になってきます。

事業用自動車総合安全プラン2020」にも、

「適齢診断の受診を拡大・徹底し、事業者が個々の運転者の運転特性を把握した上で、運転上の注意事項を的確かつきめ細やかに指導・監督するとともに、状況に応じ夜間・長距離運転を担当させない措置をとる等の対策を推進すべきである」

と記されており、この高齢トラックドライバーへの対策は、本格的な増加が始まる今のうちから準備しておく必要があるといえるでしょう。

車体の大きさから、事故を起こすとその規模や結果が悲惨なものになりやすいトラック。近い将来、「死亡者数200人」が限りなく「ゼロ」へと近づけられるといいですね。

トラックドライバーの「トイレ問題」と企業がすべき「教育」とは

悪マナーの常連「トイレ問題」


トラックドライバーのマナー問題に触れる際、避けて通れないのは、「トイレ問題」。いわゆる「立ち小便」と「黄色いペットボトル」に対する問題です。トラッカーズ通信でも過去に少し言及したかと思います。

以前にお話している通り、「立ち小便・黄色いペットボトル=トラックドライバーの仕業」というわけではありません。乗用車のドライバーも人間なので生理現象は同じようにあり、我慢できず同じようなことをしている人もいるはずです。しかし、SNSでトラックドライバーの「証拠動画」が拡散されたり、車高の高いトラックでないと捨てられないところに放置されたりしているペットボトルを多く目撃するのも事実です。

ご存じの通り、トラックドライバーが使用できるトイレの少なさは、長年議論されては解決に至っていない闇深い問題です。車体の大きさゆえに、たとえコンビニや公衆トイレが目の間にあっても駐車場がなく、涙を呑んで通り過ぎざるを得ないことも多くあります。それに加え、オフィスワーカーのように近くに必ずトイレがある環境とは違い、ドライバーはトイレのない道路にいる時間が長いです。交通渋滞にもハマれば、より一層「トイレへの道のりが遠のく」というジレンマもあります。

それがゆえに、トラックドライバーの「立ち小便・黄色いペットボトル」の率は上がると考えられるのですが、ただ、中にはすぐ近くにトイレがあるはずの高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの大型車専用駐車場で立小便姿や黄色いペッボトルが目撃されることも少なくありません。

実際、ある現役トラックドライバーからは、

「目の前のトイレまで歩くのも面倒な『物臭運転手』の仕業。運転中にペットボトルに用を足すことはできない。必ず停車中にしている。許せない」
 
という指摘の声がありました。

“黄色いペットボトル”の被害者たち

とりわけこの黄色いペットボトルの目撃者になりやすいのが、それらを清掃する各自治体の職員や施設のスタッフ、そして同じ車道を走る「サイクリスト」(自転車乗り)です。彼らは目撃者となるのと同時に、「被害者」になることも非常に多いです。

以前、ある市の清掃員に話を聞いたところ、十数年前よりは量は減ってはきているものの、工場地帯や信号の手前にはコンビニの弁当容器と一緒に、その黄色いペットボトルが捨てられていることが多く、処理のために開封する時は、怒りとともに自分自身「何をやっているんだろう」という情けない気持ちになると漏らしていました。

同じ車道を走るサイクリストは、やはり道路上にペットボトルが落ちているのをよく見るといいます。右高左低という道路の構造上、彼らが走らされる車道左側にゴミが転がり集まりやすく、それらを避けて走る度に不快な気持ちになるとのことでした。

これらに対して、現役トラックドライバーたちに意見を求めると、

「同じドライバーとして恥ずかしい」
「DNA鑑定してやりたい」
「正直、運転手の自分ですら、『トラック運転手ってクズばっかだな』と思ってしまいます」

といった怒りの声が集まりました。
 
中には

「袋詰めされたものが自分のトラックのチェーンフックに引っかけられていたことがある」

というドライバーも。

こうした事例含め、この黄色いペットボトル問題においては、清掃員やサイクリストと同じくらい、いや、社会的地位を貶めるという観点から見ると、良マナーで走るトラックドライバーもれっきとした被害者だといっていいでしょう。

企業がすべき「教育」とは


立ち小便しないこと、黄色いペットボトルをポイ捨てしないことは、「トラックドライバー」以前の問題で、人間としてごく当然のことだということは言うまでもありません。それゆえ「立ち小便・ポイ捨てしない=良マナー」とするのも非常におかしな話なのですが、こうした一部の悪マナードライバーの強烈なインパクトのせいで、日々マナーを守って走り続けるトラックドライバーや、毎朝会社周辺のゴミ拾いをする運送企業も結局ひとくくりにされ、悪いイメージが付いてしまっている実態。
 
毎度言うことなのですが、そんな業界の社会的地位を上げるためには、業界外からの理解とイメージアップが欠かせません。そのためには、やはりトラックで社外へ出るドライバーへの「道徳的教育」を基礎からしていかねばならないのです。

経営者の方からは、「そんな人間的に当たり前なことを教育しなければならないのか」「そんなマナーの悪い人間をわが社では採用していないから大丈夫」という声を聞くことがあります。が、トラックドライバーは単独で行動をするため、周囲の目が届かない分、どうしても気が緩む人も出てきてしまいます。

運送業界に関わらず、団体に所属する人全員に「常識的行動」をさせることは、それほど簡単なことではないのです。経営陣と個別に対面する時はマナーが良くても、いざ会社を出て単独行動した途端に「社会性」が欠如してしまう人もいることを忘れてはなりません。

「道徳的教育」とは、座学や業務マニュアルにある出社時の「確認事項」時の会話だけではありません。ドライバーの個性に配慮したコミュニケーションをとることでも、彼らの社会性や企業貢献意識は高まり、ひいては運転マナーにも繋がっていくものだと私は思っています。

橋本愛喜が本音で語るトラックドライバーのマナー問題

媒体によって「書き分け」をしているというフリーライターの橋本愛喜氏。それには「トラックドライバーの地位向上」という深い目的があるのだそうだ。今回はそんな同氏の思いと、トラックドライバーのマナー問題について語ってもらった。

媒体で「書き分け」る理由


いきなり個人的なお話で恐縮ですが、運送業界やトラックドライバーについて執筆する際、実は業界向けの媒体と業界外向けの媒体で「真逆」になることがあります。それは「当事者目線」です。

ネットニュースや大衆誌など、業界外の媒体で発言・意見する時は、基本的にトラックドライバーの裏事情や、彼らがマナー違反せざるを得ない実態などを書き、業界やトラックドライバーへの理解や関心を高めてもらおうと意識しています。一方、この『トラッカーズ通信』のようなオウンドメディアへの寄稿や、業界紙にコメントを求められた時は、トラックドライバーのマナー違反や業界の欠点、悪しき習慣などを指摘することが多いです。

言い換えれば、「外向け」の媒体ではトラックやドライバー目線で世間に説明し、「内向け」の媒体では世間目線でトラックドライバーの悪マナーの改善を促すよう、“書き分け”をしています。

中立公平を重んじる身として、こうした“書き分け”をすることはあまり良いことではないのですが、事実、マナー違反を指摘されても仕方ないトラックドライバーが一定数存在すること、そして、世間がそのごく少数の悪素行を「トラックドライバー全体のイメージ」として捉えていることに鑑みると、こうしたギャップを埋めつつドライバーの地位を向上させるためには、ある程度致し方ないのかなと思っているところです。

しかし、こうした書き分けをし、ネットニュースでいくらトラックの擁護や事情を説明しても、毎度私の元にはトラックを批判する声が非常に多く集まります。正直、その中には「ごもっとも」と言う他ない指摘も多くあり、ネットニュースで取り上げるとマナーを守るトラックドライバーたちにまで影響を及ぼしかねないものばかりです。

今後もこうしたネットニュースでは扱いにくい「世間の声」を多く紹介していけたらと思っていますが、今回はその中から最近取材中にいただいた、「ある施設からの声」をご紹介します。

ガソリンスタンドから聞こえてきた要望

昨年末から世界中を大混乱に陥れている新型コロナウイルス。日本全国を走るトラックドライバーも例に違わず影響を受けており、荷量の極端な増減や、「コロナ運ぶな」といった誹謗中傷など、各地から様々な報告が寄せられます。中でも以前書いた「ガソリンスタンドのシャワールーム使用停止」は、1次輸送を担うドライバーにとって、かなりの痛手でした。

ガソリンスタンドは、言わずもがな運送業界とは「持ちつ持たれつ」の関係。こうした現場からの意見を汲んでくれてか、結果的に1週間程度で各ガソリンスタンドはシャワールームの再開を決定してくださり、大きな混乱は起きず私も胸をなで下ろしたのですが、この取材をする中で、とあるガソリンスタンドの広報担当者から「ガソリンスタンドの現場店員から聞くコロナ禍におけるトラックドライバーへのお願いとクレーム」を聞かされ、ハッとさせられました。

そのお願いとは、「トラックドライバーの皆さんには、是非車内でもマスクをしていてほしい」というものでした。

以前、トラックドライバーに「コロナ禍の中、終日マスクをしているか」というアンケートを取ったことがあります。その結果、

終始着けている…11.9%
運転中はしていないが構内業務時には着けている…31.4%
終日着けていない…49.8%

と、約半数のドライバーがマスクを1日中着けていないことが分かりました。

乗用車と違い、日頃からフルサービスを受けることの多いトラックですが、そうするとガソリンスタンドの店員は必然的に多くのトラックドライバーと接触することになります。しかも彼らは、車高の高いトラックに乗ったドライバーを見上げ、上からしゃべりかけられる状態に。飛沫は無論、上から下へと落ちていくので、マスクをしていないトラックドライバーとの接触は、感染リスクが非常に高くなるのです。

1人で行動されるドライバーさんは、運転中にマスクを着ける必要はもちろんありません。が、ふらっと立ち寄るコンビニや給油をお願いするガソリンスタンドでは、こうした配慮を忘れないようにしたいところです。

一方、そのガソリンスタンドの広報が「クレーム」として聞かせてくれたのが、「ゴミの分別」です。

コロナ禍により多くのガソリンスタンドでは、今まで実施していた「店員による車内ゴミの預かり」を一時的に取り止めるところが増えました。が、中には利用客からの声に応えて、各自でゴミを捨ててもらうよう、ゴミ箱を撤去せずに置いてくれているところもあります。しかしその際、コンビニの袋に缶コーヒーと弁当容器をひとまとめにして捨てるなど、ゴミの分別がされていないことが多いといいます。
 
無論それは、分別が面倒だからというわけではなく、分別をすることで結局感染リスクが高まるからとのこと。せっかく「車内ゴミの預かり」を取り止め感染リスクを減らそうと対策しても、ゴミが分別されていなければ、結局店員がゴミ袋に手を突っ込むことになり、全くもって意味がないのです。

ドライバーのマナー違反「最大の被害者」とは


「ゴミを分別せずに捨てているのはトラックドライバーだけではない」という意見もあると思います。が、ゴミを分別せずに捨てているトラックドライバーがいるのもまた事実です。

一方、現役のトラックドライバーから時々、「ドライバーの地位を向上するためには、世間の指摘を真摯に受け止め、1人ひとりが身を正す必要がある」という真っ当な意見をいただくことがあります。しかし皮肉なことに、こうした世間からの声に耳を傾けるドライバーは、やはり元々マナーがいい人がほとんどで、本来こうしたクレームを聞かねばならない悪マナーのドライバーにはなかなか届かないのが現状です。

一部のドライバーの悪マナーが、他業種の人々に多大な迷惑をかけているのはもちろんですが、実は一番迷惑を被っているのは、普段からマナーを守り、トラックドライバーとしての誇りを持って日々走ってらっしゃる同業のトラックドライバーさん自身なのかもしれません。運送企業経営者さまには是非、「こんな常識を教えないといけないのか」とせず、日々の社員教育・指導を徹底してほしいと思います。

増加する異業種からトラックドライバーへの転職

新型コロナウイルスと運送業界

緊急事態宣言が一旦明けても尚、依然として我々の生活に様々な我慢や不自由を強いる新型コロナウイルスですが、ご存じの通り、運送業界にも甚大な影響が出ています。

その「影響」の出方は実に様々で、ラストワンマイルの輸送を担う宅配業はまさに「激忙」。ヤマト運輸によると、今年4月の宅配便の数は、去年の同じ月と比べて13%以上増え過去最多に。これに伴い同社は先日、配送ドライバーなどの従業員約22万人に1人当たり最大5万円の見舞金(総額70億円)を支給しました。

また、食品や日用品など、生活インフラに関わる商品を輸送するトラックドライバーたちも、普段以上の物量に疲弊しています。一般社団法人全国スーパーマーケット協会が発表した2020年3月期の販売統計調査(速報値)によると、スーパーマーケットの総売上高は前年同月比の8.8%増。日々スーパーに生活必需品を降ろすトラックドライバーたちからは、「もう勘弁してくれ。毎日、毎日、盆暮れ並みの物量」という嘆きの他、「最近の物量の多さと連続する雨のせいでもういっそコロナになって休んだが楽なんじゃないかと思うようになってきた」といった声すら聞こえてきました。

しかしその一方、とりわけ一次輸送を担う運送企業やトラックドライバーからは、「物量が減った」、「会社がもたない」、「平日でも2日しか仕事に出ていない」、「(洗車する時間がたっぷりある)おかげで最近トラックが毎日ピカピカ」という真逆の悲鳴が上がります。

全日本トラック協会の「日本のトラック輸送産業現状と課題2018」では、平成28年度の「消費関連貨物」は全体の32%程度。物量が激増した食料品やトイレットペーパーなどの「生活必需品」は、ここからさらに絞られます。この「消費関連貨物」以外の輸送においては、木材や砂利、廃棄物などの「建設関連貨物」が37.3%、そして、製造現場で使用する金属、機械、石油などの「生産関連貨物」が30.4%を占めますが、周知のとおり、コロナで経済活動は著しく鈍化。

生活必需品以外の輸送に携わるトラックはそれに引っ張られるように物量が減り、ドライバーの仕事も薄くなっているのが現状です。

今、この記事を読んでくださっている企業さまは、後者だという方のほうが多いのかもしれません。

物流の実情を知らない人たちによる転職活動

ただ、こうした状況は、実は世間にはあまり知られていません。世間が抱く現在のトラックドライバーたちのイメージは、「コロナ禍の中を必死に走り回るエッセンシャルワーカー」であり、「総じて大忙し」という印象をもたれているのです。

そんな中で起きているのが、「他業種からの転職希望者の急増」です。
業界関係者たちに取材をしてみると、免許取得支援制度のある求人に未経験応募者の列ができたり、まだ募集をかけていないのに「近所に住んでいるから」という理由で問い合わせの電話がかかってきたりするケースがあるといいます。

コロナ禍による失業者は、今後きっと増加してゆくと予想します。中でも、緊急事態宣言中に「営業自粛」という名の強制休業を迫られた業種からは、多くの従業員たちが職場を離れる、または離れざるを得なくなるでしょう。実際、総務省統計局「労働力調査(基本集計)」が発表した「完全失業率」をグラフに表して見てみると、その数値の跳ね上がり方に、正直息を飲みます。

また、恐ろしいことにこの「完全失業率」というのは、「職を探しているのに見つからない人の割合」のこと。コロナ禍で職を失った人の中には、感染拡大を恐れて自宅待機をし、あえて転職活動や求職活動をしなかった人」もおり、こうした人たちは、この中にはカウントされていません。
 
世間の「トラックドライバーは人手不足」というイメージと、失業者の増加。これが、運送業界に転職者が急増するとする根拠です。

現役ドライバーの仕事を阻む新人ドライバー

慢性的な人手不足に陥っている運送業界においては、ピンチの中でもこれを人材獲得のチャンスだととらえる人もいます。もちろん人材が必要ならば積極的に受け入れ、育成するべきです。が、ここで気を付けなければならないのは、他業種からの転職希望者がどこまで運送の過酷な実情を知っているかです。

現在の運送業の現状を知らない転職希望者から聞こえてくるのは「トラックドライバー“にでも”なろう」という声。

実際、コロナ禍以降のSNSには、
「こんな稼げない状態が3年5年と続くようならいっそ大型免許取ってトラックに転職しようか最近少し考えてる」
「飲食店で失業してもECを扱ってる物流倉庫の作業員や運び屋の需要は旺盛だろうしそっちにシフトした方が儲かりそう」
という投稿が相次いでいます。

前回にも紹介した通り、4月にはトラックドライバーたちの間でシャワー問題やトイレ問題が立て続けに起きました。そんな中でも、あっけらかんとその現状を自虐織り交ぜながら報告し合う現役ドライバー達を見た時、彼らにとって「トラックドライバー」という職は、巷でよく言われる「底辺職」ではなく、むしろ「天職」なのだと再認識したと同時に、“にでも”な転職組には務まらないなと改めて思った次第です。

入社してもすぐに辞めてしまう人材を雇っては、研修期間中、教育係になる現役ドライバーの邪魔になるだけになってしまいます。実際、現役ドライバーからは「すぐ辞める人たちがいて仕事にならない」という声もすでに入ってきています。

採用面接で転職希望者に接する際は、過酷なトラックドライバーの実情を予め提示し、長く業界にいてくれる人材をしっかり把握・獲得することで現役ドライバーの仕事の効率を守るのも、企業側の大きな責任なのかもしれません。

コロナ禍から垣間見えるトラックドライバーのマナー教育の重要性

「シャワー難民」が続出

ご存じの通り、コロナ禍で生じた物量の増減によって物流・運送業界は混乱を極めました。
中でも現場のトラックドライバーには、精神的苦痛・死活問題とも言うべき出来事が4月から立て続けに起きており、「体力面だけでなく精神面でも疲弊している」という声が私のところにも毎日のように届いている状況です。

かねてよりトラックドライバー職は「底辺職だ」、「あんな仕事なんてやりたくない」などと言われてきました。そこに突如降って湧いたコロナ禍では、「物流を支える人たちのお陰で今こうして通常通り暮らせています」、「トラックドライバーさんありがとう」という声がある一方で、「コロナ運んでくるな」という心無い言葉や、中には除菌スプレーを吹きかけられたという許されない行為の他、家族が出勤・登校拒否されるという職業差別の被害まで聞こえてきます。

さらにドライバーを苦しめたのが、各ガソリンスタンドにあるシャワールームの利用停止です。

ご存じの方も多いかと思いますが、4月中旬、トラックドライバーの間で最も利用率の高いガソリンスタンドのシャワールームがコロナの感染拡大防止を理由に次々閉鎖され、「シャワー難民」が続出した出来事がありました。しかし、再開を望む声が非常に多く、各ガソリンスタンドはこの決定を早々に取り止め、1週間ほどで事態は収束。SNS上などでは「よかった」と安堵するドライバーの声が多く見られました。

この「シャワールーム騒動」を受け、Twitterを通じて「シャワーがない間どうしていたのか」とドライバーに取材してみたところ、こんな声が返ってきました。

「公園の障がい者用トイレで頭を洗った」
「コンビニのお湯を拝借して体を拭いた」
「赤ちゃん用のお尻拭きシート」で体を拭いた」
「ガソリンスタンドの洗車用の水を使った」

ガソリンスタンドにシャワールームがあることすらほとんど知られていない中、こうしたドライバーたちによる涙ぐましい努力は、世間にはなかなか伝わりません。
実際、騒動の最中、各ニュース媒体にこのシャワー問題を書いたところ、「そんな苦労があったのか、知らなかった」と、大変多くの反響がありました。

一難去ってまた一難

さて、こうして胸をなで下ろしたのもつかの間、その数日後、新たに勃発したのが大手コンビニエンスストアによる「トイレの閉鎖騒動」です。

こちらも業界の中では深刻な問題とされているためご存じの方も多いはずですが、4月下旬、今度はコンビニエンスストア大手のローソンが全店舗のトイレ使用を停止して物議を醸しました。
言わずもがな、トラックドライバーにとってこのトイレ閉鎖は、シャワールーム閉鎖よりも深刻度が高いところです。

ですので、やはりこれにも強い「再開の声」が上がりました。しかも今度はトラックドライバーだけではなく、一般のお客さん、さらには一部の加盟店オーナーからの強い要望もあったことで、ローソン本部からのトイレ使用禁止は、発表翌日に撤回。

が、最終的な判断が店舗ごとに委ねられたことから、現在でもトイレ使用を禁止している店舗が目立っているのが現状で、さらにはこの「トイレ閉鎖」の動きが、他の大手コンビニや他商業施設でも徐々に広まりつつあり、トラックドライバーは現在も依然として「トイレ難民」と化しています。

トラックドライバーのマナー

こうした状況の中、現場から次のような声が聞こえてくることがあります。

「どうしてトイレやシャワーを勝手に閉めるんだ」
「物流を回しているのは俺たちトラックドライバーだぞ」
「我々トラックドライバーがいないとみんな困るだろう」

トラックドライバーも、「物流を停めない」という正義のもと日々走っていますが、施設側にも「開放によって感染者が出れば閉店を余儀なくされ、店員も客も守れなくなる」という彼らなりの「真っ当な理由」や、「その判断に至る正義」があります。

シャワーやトイレが使えないのは、トラックドライバーにとっては死活問題であることは間違いありません。が、これらの施設はあくまでも施設側の厚意で使わせてもらっている状態です。
ゆえに、こうした一部のトラックドライバーによる一方的で傲慢な主張は、筋が違うところ。

この件に関して、某県にあるローソンのオーナーさんに話を聞いたところ、「普段からトイレやゴミ箱の使い方が非常に悪い。本部から(トイレ閉鎖の)通達があった際は正直嬉しかったです。ああ、あのトイレをこれからしばらく掃除しなくていいのかと。なのに1日で再開。開放の判断は委ねてもらえたので、弊店ではトイレは貸していません」

もちろんこうした悪マナーはトラックドライバーに限ったことではありませんが、実際問題として、トラックドライバーの間でも、「立ち小便」や「黄色いペットボトル」が今後増えるのではという懸念は多く出ています。各いう私もその1人です。

実際すでに、トイレと一緒にゴミ箱が封鎖されたことによって、大型車枠近くにポイ捨てが目立つようになったと漏らすコンビニ店員もいます。
こうした状況が続いてしまえば、トラックドライバーの地位向上はもとより、職業差別が加速する恐れも否めません。

一方、トラックドライバーの中には、シャワーやトイレの閉鎖が相次いだことで、自分たちがいかに周囲の協力を得て仕事ができていたのかに気付いたとする人も多かったのが印象的でした。

「シャワー完備してくれているガソリンスタンドと大型駐車場完備のコンビニが無ければ僕らは大変な事に……。この環境に感謝してマナー良く使わせていただきましょう」

「コロナの影響で一部のコンビニさんではトイレが借りられない状態です。仕方ないですよね。店員さんだって、掃除、消毒、(中にはペーパーの持ち出し)などもありますもんね。コンビニさん!いつもお世話になってます!でも、危機一髪の時には貸してくれるのは感謝!」

様々なリスクを追って走るトラックドライバーは、間違いなく社会インフラの要です。が、決して「偉い」わけではない。大変な中ではありますが、こういう時だからこそ経営者の皆さんによるマナー指導を徹底し、ドライバーの地位向上を目指していただければと思っています。

トラックドライバーたちに聞いた!「運送業界におけるコロナの影響」

トイレットペーパーがしばらくなかった大きな理由

2月、突如として売店からトイレットペーパーが姿を消しました。
当時報道された通り、その直前に広く拡散された「マスクはトイレットペーパーからできている」や「トイレットペーパーは中国から輸入されており今後買えなくなる」といった情報は全くのデマで、それらの情報が流れた後にも、倉庫や製造工場には多くの在庫や原料の古紙が潤沢にありました。

それでもトイレットペーパーがしばらくなかった大きな理由の1つには、他でもない「配送」が追い付かなかったという事情があります。

ご存知の通り、日本の貨物輸送の9割以上を担うのはトラック。
しかし、定期便として輸送ルートがあらかじめ決められていること、そして何よりトラックドライバーの慢性的な人手不足により、こうしたデマ情報はトラック物流業界にとって大きな混乱を招く原因になります。

トラックがあっても、運ぶ商品があっても、それを運ぶ「人間(ドライバー)」がいなければ、物流は今回の騒動ように簡単に止まってしまう。
そうした単純でありながらもなかなか気付かれない裏事情に、「物流は経済を回す欠かせない存在でありながら非常に繊細」であると改めて感じずにはいられません。

トラックドライバーたちに聞くコロナの影響

こうして「国の血液」とも称されるトラックドライバーたちに、今回のトイレットペーパー騒動以外に生じているコロナの影響について聞いたところ、同じ運送業でも、「運んでいるモノ」によってその影響は大きく違ってくるため、その答えにはバラつきがありました。

「仕事が大幅に減った」と真っ先に答えが返ってきたのは、各イベントで使用する機材などを運ぶトラックドライバーと、中国をはじめとする海外からのコンテナを運ぶトレーラーのドライバーたち。

現在、「部品や製品が中国から入ってこないために作業が途中でストップしてしまい、納品できない」という状況が各所で生じていますが、こうした異変をいち早く感じ取ったのも、海上コンテナを運ぶトレーラーのドライバーでした。

また、国による大規模イベントの開催自粛要請は、演者や現場スタッフはもちろん、その機材を運ぶドライバーの仕事や収入をも奪っています。
ご存じの通り、トラックドライバーの多くは「日給月給」という給与体系で雇用されているため、仕事がなくなりその日が休みになれば、収入もそのまま吹っ飛んでしまいます。そのため、休みが増えるドライバーは生活が立ち行かなくなり、アルバイトを始めようとするケースも。が、こうした時世の中、都合よく仕事先も見つからないため、他業種や別路線を担う運送企業への転職を考える熟練ドライバーも出てきています。

その一方、二次輸送と言われる、いわゆる「宅配業務」は、各企業のテレワークの導入、国からの学校休校や不急不要の外出自粛の要請を受け、運ぶモノが多様化し、荷量も増えています。

大手宅配業者や大手ECサイトAmazonの配送員たちに話を聞いたところ、現在飛ぶように売れていると感じるのがレトルト食品、水、コメといった生活インフラのための備蓄品。
また、家で過ごす時間が増えるため、書籍のほか、トレーニングマシーンやダンベルといったジム用品なども多く運ぶ印象があるとのことでした。

冷蔵冷凍車のトラックドライバーからは、休校になり家で留守番をする子どもが増えたことで冷凍食品が大きく動いているという話が聞こえてきます。が、あくまでもそれは家庭用で、レストラン向けの冷凍食品は逆に5~6割減ったと感じるということでした。

トラックドライバーたちへの感謝の気持ち

そんな中、コロナ騒動以前にはなかった現象として挙げられるのが、「巣ごもり消費」です。
外出を避ける消費者からは、

「暇だからやることがネットショッピングしかない」
「何もできない歯痒さにネットショッピングでポチポチ」
「今は大人しくネットショッピングで経済を回します」
「コロナのせいで払い戻しなどがあり、ストレス発散も兼ねてネットショッピング。色々と届くため、ますます引き篭もりに拍車をかけている」

といった声が聞こえてきます。

しかし、3月と4月は元々、卒業や入学入社などによって贈り物が行き来し、引越し時期とも重なるため、業界は1年の中でも繁忙期。
仕事が減り、倒産寸前の同業者がいることを考えると、こうした巣ごもり消費は手を広げて歓迎したいところですが、今後こうした外出の自粛が続けば、荷量はさらに増加し、配達の遅延や物流のパンクなどが生じるのでは、と予想する経営者やドライバーもいます。

現場のトラックドライバーは、こうしたコロナによる騒動や混乱の中で在宅ワークが叫ばれる現在においても、そして今後においても、消費者の生活インフラを守るべく、第一線で日本中を走り回らねばなりません。

先が見えない不安によって、今後もデマの拡散や不要な買いだめは頻発するかもしれません。実際、トイレットペーパーのデマ騒動で少しは懲りたかと思いきや、一部地域に出された「週末の外出自粛」によって、消費者によるさらなる買占め・買いだめが勃発しました。 

在宅ワークもできず、第一線でインフラを支えるトラックドライバーたち。
そんなトラックドライバーたちに感謝せずにはいられません。

企業経営者自身も大変な時期ではあるかと思いますが、東日本大震災の際に得たそれぞれの教訓を思い出し、そして活かしながら、前へ進んでいっていただきたいと心から思っています。

「送料無料」で垣間見える世間の運送軽視

クローズアップされた「送料無料」

高齢化やネット社会、そして最近では新型コロナウイルスの蔓延によってその需要がますます高まる国内のネット通販(EC)。

そんな中で昨今話題となったのが、大手ECサイト「楽天市場」の“一連の騒動”です。

国内ECサイト「楽天市場」を運営する楽天は昨年、今年の3月18日から3,980円以上購入した客に対して一律「送料無料」とする施策を発表。しかし、実際発生する送料が店舗出店者の全額負担とされたため、「送料が商品価格に転嫁され、利益を削る競争が激化する」と多くの反発の声が上がりました。

これを受け、楽天市場の店舗出店者で構成されている団体「楽天ユニオン」は、楽天の送料無料化が独占禁止法の「優越的地位の乱用」にあたるとして、公正取引委員会に調査を求める陳情書と7,000にものぼる署名を提出。

同委員会はその後、楽天に対し立ち入り検査を実施し、同サービスに対して緊急停止命令を出すよう東京地裁に申し立てます。

しかし、それでも楽天の三木谷浩史会長兼社長は、「(楽天が)Amazonに負けている理由は“送料”。(送料無料の取り組みは)何が何でも成功させたい」と、しばらく同サービスの決行を強調していましたが、先日、新型コロナウイルスの混乱を理由に、一律無料化を断念する結果となりました。

こうした一連の騒動が報道される度、何よりも引っかかったのが「送料無料」という言葉です。

この表現は楽天だけでなく、AmazonやYahoo!ショッピングなど、その他のECサイトでも昔から当然のように使われてきました。

が、言わずもがな「送料」が本当に「無料」であるということはあり得ません。運送業者には、少ないながらも運賃が支払われています。

それがゆえに、眠い目をこすり夜道をひた走るドライバーさんや、日本の経済を下支えしていると誇りを持たれる運送業者さんたちの中には「どうして自分の仕事が“無料”と表現されるのか」と、大変な違和感を抱くという方も多いことでしょう。

送料が“無料”と表現される理由。それには、国内に蔓延る行き過ぎた「顧客至上主義」が大きく関係しています。

ないがしろにされる「運送」

そもそもAmazonと楽天は、同じプラットフォーマ―ではあれど、ビジネスモデルはかなり違います。

簡単に言えば、楽天の場合は、「『楽天市場』という仮想商店街のスペースを貸して手数料を得ている」というイメージです。一方のAmazonは、「自社で在庫を持ち、自社の陳列棚に出品する」といったところ。

つまり、楽天の顧客は企業。Amazonの顧客は消費者。

今回の騒動は、楽天が自社とは直接関わりのない消費者への送料を顧客に強制的に負担させようとするものなので、やはり世間から見ても違和感があるものとなりますが、三木谷氏は、同じプラットフォーマ―としてしのぎを削るAmazonをライバル視し、強硬な策に打って出ようとしたのでしょう。

こうしてプラットフォーマ―、出店者、消費者の間で押し付け合いをされる“コスト”という名の運賃。お気付きでしょうか、「送料無料」に関わる立場として、ここにもう1つの登場人物が表れていません。

それは他でもない、運び手である「運送業界」です。

先ほども言及したように、「送料」は「無料」とされつつも本当に無料で輸送されているわけではありません。が、安い正規の運賃からさらに大口割引を強いられる厳しい状況にあります。

こうした状況を踏まえ、今回、一部の運送関係者にこの「送料無料」という言葉についてどう思うか聞いてみると、

「インフラを支えているというプライドだけでやってきているが、この送料無料という響きはモチベーションが一気に下がる」

「配送料無料じゃなくて『配送料お店負担』とか表記してもらいたい」

「(客は)直接おもむいて買いに行かないのに無料とか都合よすぎる」

といった声が多く返ってきます。

送料無料と表現される裏には、先述したようなドライバーさんや経営者さんなどによる「現場の努力」が隠されています。

が、こうした状況を知らないプラットフォーマ―や出店者、消費者たちには、送料は商品の原価以上に「削減すべき/できる/してもいい“コスト”」と見なされており、実際運送企業には、送り手から送料の割引交渉を持ちかけられるケースが非常に多いのが現状です。

ゆえに、「送料弊社負担」「送料込み」などいくらでも別表現がある中、「送料無料」という言葉を使ってしまうのです。

顧客至上主義がもたらす弊害

その根本にあるのが、他でもない「顧客至上主義」です。日本は世界的に見ても、客が「神」となる風潮があり、「サービス=無料」という固定観念が強い国。

奇しくも運送業界はそんな「無料サービス」の宝庫と化しています。

例えば、工場や物流センターなどまでの一次輸送を担うドライバーの多くが「荷待ち」や「荷物の積み降ろし」といった荷主への無料サービスを経験しており、二次輸送でも、エンドユーザーである消費者に対して、「送料」と並び「再配達」や「時間帯指定配送」なども無料となっています。

が、やはりこれらにも立派な人件費や燃料がかかっています。

物流の「サービス」はカタチとして残りづらいため、ありがたみや存在感を感じてもらうことがなかなかできません。

先述した通り、現に今回の騒動では、プラットフォーマ―、出店者、消費者で議論され、実際モノを運ぶ「運送業界」は完全に取り残されました。

運送業界やトラックドライバーが世間から時折言われる「底辺職」という言葉も、「送料無料」以上に業界軽視が強いところ。

そんな運送業界の地位向上に必要なことは、荷主や消費者からの「理解」です。

今回の送料無料化騒動が、世間にトラックドライバーの過酷な環境を知ってもらう1つのきっかけになってほしいと願ってやみません。

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Azoopは今後、そんな運送会社さまや所属するトラックドライバーさんからの声を聞きながら、世間との橋渡し役として積極的に取り組んでまいります。