トレーラーのバックが難しい5つの理由を紹介!成功させるコツも徹底解説

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トレーラーでのバックは、他の車両とは異なる操作が求められます。高い運転技術を必要とするため、苦手意識も持つドライバーも少なくありません。本記事では、トレーラーのバックが難しいとされる理由や成功のコツ、上達方法などについて詳しく解説します。

トレーラーのバックは高い運転技術が求められる

トレーラーの車体は長く、許可を受けた場合であれば最長25メートルまでけん引可能です。さらに、一般の車のようにまっすぐバックするわけではなく、ハンドルの切り方によっては、思わぬ方向へ曲がってしまうこともあるでしょう。 運転操作が難しいのはもちろん、複数の箇所に死角ができるため、危険な状態が伴うシーンが多いです。また重量も大きく、運転に慣れていないと事故の危険性が高くなります。

近年、ECサイトで購入する方が増えており、運送業界は常に人手不足の状態です。トレーラーは一度に多くの荷物を輸送できるため、需要が高くなっています。 しかし、トレーラーは車体の大きさや運転技術が一般車やトラックとは異なる点が特徴です。特にハンドル操作が逆になるため、十分な経験とテクニックが必要になります。よって、免許を取ったからといって、すぐにトレーラーを運転できるわけではありません。

トレーラーの中でも、特にバックは難しいといわれます。トレーラーのバックが難しい理由を次はページでも詳しく解説しているのでご確認ください。
参考:「トレーラーの運転のコツや気をつけたい現象とは?業務についても解説」

トレーラーのバックが難しいとされる5つの理由

トレーラーのバックが難しいとされる理由は、主に以下の5つが挙げられます。

  • 車両が長い
  • 直進バックができない
  • 運転感覚が大きく異なる
  • 死角が多い
  • ハンドルを逆方向に切る必要がある

トレーラーは一般車だけでなく、大型のトラックなどとも異なる形状をしています。また、荷台を固定する器具もないので、もし後退して他の車にぶつけるようなことがあれば、大事故にもつながりかねません。 それぞれの理由を確認しておきましょう。

車両が長い

トレーラーの運転台だけを見れば、他のトラックの大きさとそれほど変わりません。ただしトレーラーを連結すると、想像以上に長くなります。 トレーラーのサイズは申請していない場合、一般道で最大16メートル、高速道路では12メートルです。一方、許可を得た場合は、最長で21メートルになります。これだけの長さの車両を運転するだけでも大変ですが、バックはさらに困難です。

直進バックができない

トレーラーは一般車や大型トラックなどのように、まっすぐバックをすることができません。一般車でバックをする場合、ハンドルを切らない限りはまっすぐ後退します。 しかし、トレーラーの場合は少しハンドルを動かすだけで連結部分の状態によっては大きく曲がってしまうのです。

途中で軌道を修正しようと反対にハンドルを切るとさらに思いもよらない方向に曲がってしまうため、慎重な運転操作が欠かせません。 トレーラーでバックする際は必ず左右に曲がるものとして認識する必要があります。

運転感覚が大きく異なる

トレーラーは他の車両とは運転感覚が大きく異なります。一般車やトラックでバックをする場合、ハンドルを切らない限り、まっすぐに進みます。 しかし、トレーラーでバックをする場合は、運転席とけん引しているトレーラーの部分が少しずつ折れ曲がっていくのが特徴です。 また、最長25メートルにもなるトレーラーには多くの死角が存在します。連結部分は折れ曲がり、反対側がまったく見えないことも多々あります。

さらに、トレーラーは一般車や大型トラックとは異なり、バック時のハンドル操作が逆になる点も特徴です。一般車や大型トラックは、前輪を進行方向に向けることでそのまま進みますが、トレーラーは運転席のある部分を進行方向へ向ける必要があるため、ハンドル操作が逆になります。 トレーラーの運転に慣れるためには、この感覚を覚える必要があり、バックの場合はなおさらでしょう。

死角が多い

連結している部分が曲がるトレーラーは、死角が多い点が特徴です。特にバック時は見えない部分が多く、バックミラーでもすべてが確実に見えるとは限りません。そのため、トレーラーでバックをする際には、死角だらけの状況に対応する必要があります。 しかし、トレーラーの運転席から後ろを見るには視界が狭すぎることや、助手席・後部座席からも運転者の背中しか見えません。

そのため「バックモニター」を取り付けておけば、バック時に後方の映像がよく見えるようになります。 トレーラーでバックをする際には、運転席の窓を全開にして目視で確認したり、第三者に誘導してもらったり、さまざまな方法で安全を確保しなければなりません。 また、できるだけ死角が生まれないような位置取りをすることも大切です。

例えば、これから駐車をしようとしている場所の前を一旦通り過ぎ、バックしやすい場所に頭をふって止まるだけでも、格段にバックがしやすくなります。 これは一般車でもトレーラーでも同じ原理です。一度駐車スペースを通り過ぎることで、バック時の動きをイメージしやすくなるでしょう。

ハンドルを逆方向に切る必要がある

トレーラーは一般車やトラックとは異なり、ハンドル操作が逆になる点に注意しましょう。 特にトレーラーの免許を取ったばかりの時期には、ハンドル操作の感覚を掴むのに苦労するはずです。 トレーラーは運転席の部分が、タイヤの役割を果たしています。そのため、運転席全体を曲げたい方向へ向けなくてはいけません。 運転席を進めたい方向に向けるためには、ハンドルを逆に切る必要があります。つまり、右に曲がりたければハンドルを左に、左に曲がる場合はハンドルを右に切るわけです。

この操作に慣れるまでには一定の時間は必要ですが、一度慣れてしまえばスムーズに操作できるようになるでしょう。 また、ポールトレーラーやフルトレーラーのハンドル操作については次のページでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参考:「フルトレーラーの運転が難しい4つの理由を紹介!運転時のコツも解説」
参考:「ポールトレーラーの運転が難しいとされる理由と練習方法を紹介」

トレーラーにおけるバック手順

トレーラーにおけるバック手順は次のとおりです。

  1. 入口を超えて停止(入口ぎりぎりだと事故になる可能性がある)
  2. ハンドルを右に切る
  3. トレーラーがくの形に折れたところでハンドルを戻す
  4. 折れている角度を保ったままゆっくりバックしていく
  5. 違う方向に曲がらないように調整をしながらバックする

入口を超えて停止をする以外は、一般車や大型トラックとは異なる手順を踏むことになります。特に、ハンドルを戻すタイミングや角度を保ったままバックする場合には、多くの方が苦労するでしょう。 各手順を丁寧に進めることで、流れるような運転操作ができるようになるので、何度も練習することをおすすめします。

トレーラーのバックを成功させる10のコツ

トレーラーのバックを成功させるためには、以下10個のコツを押さえるのがポイントです。

  • 角度をつけすぎないように意識する
  • 無理をせずに前進してから持ち直す
  • 速度と角度を一定に保つ
  • アクセルを多用しない
  • 右バックになるよう配慮する
  • 周囲の方に誘導を依頼する
  • バックモニターを活用する
  • 運転席の窓は全開にする
  • バックする周辺を目視で確認する
  • 内輪差に注意する

どれか1つではなく、できるだけ多くのコツを押さえて運転することが大切です。それぞれの詳しい内容について解説します。

角度をつけすぎないように意識する

トレーラーは一般車とは異なり、少しハンドルを回しただけで大きく曲がってしまうという特徴があります。修正しようとすればするほど、思いもよらない方向に曲がってしまうのです。 そのため、ハンドルを回すときには、最初から角度をつけすぎないように注意しなければなりません。

進みながら角度をつけるのではなく、先に角度を作り、その状態のままバックするのがコツです。 常に同じ方向からバックをする癖をつけておくと、車体が曲がる感覚を掴みやすくなるでしょう。

無理をせずに前進してから持ち直す

連結部分のあるトレーラーは、バック時に思いもよらない動きをする場合があります。そのため、イメージと異なる挙動が見られた際には、無理にバックしながら調整しようとせず、一旦前進してから、もう一度バックするようにしましょう。 特に車庫入れなどの場面は、他の車両や壁、柱などが周囲にあるケースも少なくありません。無理にバックをして衝突させるようなことがないよう、困ったら一旦前進する癖をつけましょう。

速度と角度を一定に保つ

トレーラーでバックをする際は、ハンドルを切った状態のまま後退します。そのため、速度を変えてしまうと角度も大きく変わってしまい、思ったようにトレーラーがバックしないと悩むドライバーも少なくありません。そのため、トレーラーの操作時は速度と角度を一定に保つことが大切です。

また、速度と角度を一定に保つことを無意識にできるようになるまで、練習を積む必要があります。安全運転を徹底するためにも、速度や角度を常に意識しておきましょう。

アクセルを多用しない

一般車と同様、トレーラーをバックさせる際、エンジンを吹かすようなことは、ほぼありません。アクセルではなく、クラッチワークでバックするのが基本です。 バックの際にアクセルを使うのは、一度前進をする必要があるときだけと考えるべきでしょう。アクセルを多用しないバック操作を日頃から練習してみてください。

右バックになるよう配慮する

安全にトレーラーを駐車するためには、右バックになるよう意識してみてください。トレーラーも一般車と同じように、左右どちらからでもバックができます。 しかし、運転席の窓を全開にすることで視野が広がる右バックのほうが、より安全にバックできるのです。また「音」に関しても、右バックのほうが聞き取りやすく、左右どちらも選べるような状況であれば、安全性の高い右バックを選択するべきでしょう。

周囲の方に誘導を依頼する

いくら運転経験を積んでいても、周囲の安全をすべて把握することはできません。そのため、可能な限り周囲の方に誘導を依頼したほうが、より安全にバックできます。 例えば、ゴミ収集車は1人で移動することはありません。これは助手席に乗っている人がゴミを拾ったり誘導したりするためで、トレーラーにも同じことがいえます。

バック時は後方の景色が運転席からは見えにくいため、第三者に合図を送ってもらい、それに合わせてバックすることで安全性が向上します。運転に慣れないうちは、必ず誰かに誘導してもらいましょう。

バックモニターを活用する

トレーラーによるバックの際は目視だけでなく、バックモニターも活用しましょう。目視では把握できない範囲を映像で確認するだけでも、衝突や事故を抑制できます。 ただし、バックモニターを信用しすぎるのは危険です。一般車のように、すぐに車体の後ろを確認できるわけではないからです。したがって、バックモニターだけでなく、複数のカメラを設置するなど、できるだけ死角を減らすための工夫を施しましょう。

運転席の窓は全開にする

トレーラーをバックする際は必ず運転席の窓を全開にし、できる限り視野を広くしましょう。 窓を全開にしても見えない箇所に関しては、一度トレーラーから降りて確認したほうがよい状況もあります。 止めようとしている場所の周辺に車が止まっていたり、交通量が多かったりする場合には特に注意が必要です。不安な部分を放置せず、自身の目や耳で確認することを徹底しましょう。

バックする周辺を目視で確認する

バックする際には、周辺を目視で確認するようにしましょう。サイドミラーやモニターでの確認も重要ですが、頼りにしすぎるのは危険です。 例えば、背の高いコンテナを積んでいるような場合は、特に注意しなければなりません。モニターやミラーでは後方が見えず、多くの死角が生まれます。周辺の目視を癖付けて、より安全な運転につなげましょう。

内輪差に注意する

トラックのバックが難しい理由のひとつに、内輪差があります。内輪差とは、ハンドルを切りながら曲がる際、前輪よりも後輪が内側を通る状態です。 つまり、狭い場所などで前輪が上手く通ったとしても後輪が内側を通るため、壁にぶつけたり、路肩に乗り上げたりする可能性があるのです。

また、最悪の場合は人やバイクなどを巻き込むような事態にもなりかねません。このような事態を防ぐためにも、侵入しようとする方向の反対側にハンドルを切り、逆ハンドルの状態で進入する方法が多く使われます。 ここで気をつけないといけないのが、反対側にステアリングを切ることでウインカーが反対に出てしまうことです。後続の車が勘違いをして、事故につながる場合もあります。 そのため「左折します」といった音で、アナウンスをするシステムを導入するのが効果的です。

トレーラーのバックを上達させる3つの練習法

トレーラーのバックを上達させるためには、次の3つの練習方法が挙げられます。

  • 広いスペースで運転感覚を掴む
  • 先輩ドライバーの横乗り指導を受ける
  • アプリや動画やでイメージを掴む

いずれも効果的な練習内容であり、できればすべてを試してもらいたいところです。特に難易度の高いトレーラーのバックは、繰り返し練習することによって、徐々に感覚が掴めるようになります。 トレーラーでのバック操作の上達を目指す方向けに、それぞれの内容について解説します。

広いスペースで運転感覚を掴む

トレーラーのバックを練習するには、広いスペースを使って運転感覚を掴みましょう。例えば、自動車練習場や物流施設などがこれに該当し、人が入ってこないような場所を選ぶことが重要です。 「トレーラーがまっすぐにバックしないこと」や「内輪差が大きいこと」などについて、ハンドル操作とあわせて体感しながら、感覚を染み込ませていきましょう。

先輩ドライバーの横乗り指導を受ける

先輩ドライバーに同乗してもらうことで「どのようなタイミングでハンドルを回すべきか」や「どのように角度を決めるべきか」といった、感覚的な部分を指導してもらえます。 運転の仕方はドライバーによってさまざまですが、技術の高い方にはある程度共通している部分もあるはずです。先輩ドライバーと自身の運転の違いを把握できれば、上達までの道筋が見えてくるでしょう。 また、不明な点はそのままにせず質問し、場合によっては実際に運転操作を見せてもらうことも効果的です。

アプリや動画やでイメージを掴む

近年では、トレーラーにおけるバックの仕方を紹介するアプリや動画も登場しています。テキストに比べ、アプリや動画のほうが、バックの操作方法はわかりやすいでしょう。また、アプリを使った練習は、イメージトレーニングにも効果的です。 アプリによっては現実のバックに近い体感を得られるものもあるため、積極的に活用したいところでしょう。さらに、バック時に注意すべき点をレクチャーしてくれる機能があるアプリもあり、侮れません。

まずはバックに慣れることが重要!

トレーラーのドライバーになるためには、高い運転技術が求められるバックを必ず修得しなければなりません。 「直進バックができない」「死角が多い」といった理由から、トレーラーの運転を断念するドライバーも少なくないでしょう。しかし、「無理をせずに前進してから持ち直す」「右バックになるよう配慮する」など、バックを成功させるコツを押さえることで、先輩ドライバーのようなバック操作ができるようになるでしょう。

何よりも重要なことは「バックに慣れること」です。運転する回数や時間が増えるほど、確実に上達していきます。 先輩ドライバーの横乗り指導を受けたり、アプリや動画やでイメージを掴んだりなど、今回紹介した運転技術を上達させる練習法などを、ぜひ実践してみてください。

どんな方でも最初からトレーラーを上手くバックさせることはできません。先輩ドライバーもさまざまな失敗を重ねながら上達してきたはずです。焦ることなく、一歩ずつ前進していきましょう。

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