増トン車が持つ2つの特徴!導入するメリットやデメリットなども解説

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増トン車とは、車体の改良によって元々備わっている積載量を上乗せしたトラックのことです。通常の大型トラックに比べて維持費も経済的、かつ効率的に荷物を運べます。 そんな増トン車の導入を検討する方向けに、本記事では増トン車が持つ特徴やメリット、デメリットなどを紹介します。

増トン車は積載量を重視して作られたトラック

増トン車とは、最大の「積載量」を増やしたトラックのことです。見た目は4トントラックそのものですが、車軸やフレームの強化によって車両重量を増やし、6.5トンや8トンまで積載量を増加しています。 10トン以上の大型トラックは積載量を多く確保できる反面、本体の購入価格や維持費が高くなる点が課題でした。

しかし、道路交通法が平成19年に改正されたことで、8トン未満に定められていた4トラックの車両総重量が、11トン未満にまで引き上げられました。 結果として、6.5トンや8トンとった増トントラックが誕生し、10トン以上の大型トラックにおける課題の解決にもつながったのです。

参考:改正道路交通法の施行(平成19年6月2日)

増トン車が持つ2つの特徴

増トン車はさまざまなトラックメーカーで販売されています。6トンの増トン車であれば、 「日野のレンジャー」「三菱ふそうのファイター」「いすゞのフォワード」などが挙げられます。 各メーカーが扱う増トン車に共通した特徴は、安全面の補強が施されている点と、車体の寸法やサイズは車種や改良内容によって異なる点です。ここでは、各特徴に関する詳しい内容をみていきましょう。

安全面の補強が施されている

増トン車は安全面の補強が施されています。具体的には車軸の強化やサイドバンパーの増設、サイドミラーへのアンダーミラー追加などです。 さらに、タイヤの少し大きなサイズに変更されており、タイヤを車軸に締めるナットも異なります。中型トラックの場合、6個の穴が開いているものが一般的です。 一方、増トン車は8個や10個の仕様に変更され、より強力にタイヤを締められます。

車体の寸法やサイズは車種や改良内容によって異なる

増トン車における車体の寸法やサイズは、車種や改良内容によってそれぞれ異なります。ただし、いずれも4トントラックのロングボディやワイドボディ寸法になるため、おおよそ次の寸法に近い値になります。

  • 全長:約8,600mm
  • 全幅:約2,200mm
  • 全高:約2,680mm

ここでは、6トンと8トンの増トントラックにおけるメーカーごとの違いをみていきましょう。  

6トンクラスのトラックにおける積載量や寸法

6トンクラスの増トン車は6トン前後の積載量になるように作られており、車種によって寸法が大きく異なります。

【三菱ふそう「ファイター」(平ボディ)】

最大積載量 6,300㎏
車両総重量 10,880㎏
荷台長 5,750mm
荷台幅 2,350mm
荷台高 400mm
全長 7,685mm
全幅 2,470mm
全高 2,485mm

参考:FIGHTER CARGO(総合) – Mitsubishi Fuso  

【日野「レンジャー」(冷凍冷蔵車)】

最大積載量 6,600㎏
車両総重量 10,900㎏
荷台長 6,490mm
荷台幅 2,140mm
荷台高 2,050mm
全長 8,910mm
全幅 2,340mm
全高 3,390mm

参考:冷凍車・保冷車 | ラインアップ | 日野レンジャー  

8トンクラスのトラックにおける積載量や寸法

8トンクラスの増トン車も8トン前後の積載量になるように作られており、車種によって寸法が大きく異なります。

【三菱ふそう「ファイター」(カーゴ)】

最大積載量 8,500㎏
車両総重量 13,250㎏
荷台長 5,750mm
荷台幅 2,160mm
荷台高 4,250mm
全長 7,540mm
全幅 2,290mm
全高 2,565mm

参考:FIGHTER CARGO(総合) – Mitsubishi Fuso  

【いすゞ「フォワード」(カーゴ)】

最大積載量 6,000kg
車両総重量 10,970kg
荷台長 7,190mm
荷台幅 2,360mm
荷台高 3,900mm
全長 9,480mm
全幅 2,480mm
全高 2,940mm

参考:キャブバリエーション | ISUZU:フォワード(中型トラック)  

増トン車を導入する3つのメリット

さまざまな用途で使用され増トン車を導入にする主なメリットは次の3つです。

  • 初期投資や維持コストを抑えられる
  • 道幅が狭い場所でも利用できる
  • 積載できる荷物が増え作業効率が上がる

いずれのメリットも増トン車の導入を検討するうえで欠かせない要素ばかりです。ここでは、各メリットの詳しい内容をみていきましょう。

初期投資や維持コストを抑えられる

増トン車における最大のメリットは、大型トラックに比べて購入価格が安い点です。大型トラックに近い最大積載量とボディサイズを持ちながら、価格は「20~30%程度」安くなります。 さらに、トラックの維持費用や保険料、高速道路の料金などの諸経費も安く抑えられ、初期投資や維持コストの削減が見込めます。効率よく利益をあげるためには、コストパフォーマンスの高い増トン車が欠かせません。

道幅が狭い場所でも利用できる

増トン車は、大型トラックでは通行できないような道幅の狭い場所でも利用可能です。特に、住宅街や山道などは道幅の狭い場所では、走行できる車体の大きさが限られます。 しかし、寸法自体は4トントラックに近い増トン車であれば、積める荷物は増やしながらも、通行が可能です。また、迂回が難しく方向転換を要する場所でも、小回りが利く増トン車が活躍します。

積載できる荷物が増え作業効率が上がる

増トン車は積載できる荷物が増えるため、作業効率が上がります。例えば、これまで4トン車で2回もしくは2車で運んでいた荷物があるとしましょう。このとき6トン車や8トン車でも進入できる経路であれば、一回の運搬で完了する可能性があるのです。 増トン車は作業効率の向上を目的として、引越し業者、鮮魚屋などでもあらゆる業種で利用されています。

増トン車を導入する際の3つのデメリット

企業にとってメリットの多い増トン車ですが、いくつかのデメリットがあるのも事実です。増トン車を導入する際のデメリットに次の3つが挙げられます。

  • 必要な免許証が変わる
  • 自動車税と車検費用が高くなる
  • 使用中のトラックの増トンには大きな費用を要する

増トン車を実際に導入する際は、メリットとデメリットのいずれも考慮して検討する必要があります。ここでは、デメリットに関する詳しい内容をみていきましょう。

必要な免許証が変わる

増トントラックは中型トラックに分類されるため、中型自動車免許免が必要です。中型自動車免許は、次の条件に該当する車両を運転できます。

  • 車両総重量:7,500~11,000kg未満
  • 最大積載量:4,500~6,500kg未満
  • 乗車定員:11~29人

ただし、中型自動車免許は「普通自動車免許」もしくは「大型特殊免許」を取得しているドライバーしか取得できません。また、普通自動車免許の取得後、2年を経過していないと取得できないという制限もあるのです。 さらに、視力や聴力などの身体的な条件もあるなど、免許を取得できるドライバーに制限がある点はデメリットだといえます。

自動車税と車検費用が高くなる

増トン車は4トントラックよりも重量が増加するため、自動車税と車検費用が高くなります。自動車税に関しては1トン増えるごとに「2,000~3,000円程度」の納付額が増え、 最大では「10,000円程度」の違いがあると認識しておきましょう。 また、増トンに伴い、車検時に必要な法定費用や点検・整備費用も高くなります。いずれも企業の利益に直結するため、正確な金額を事前に確認することをおすすめします。

使用中のトラックの増トンには大きな費用を要する

新車で新たに購入するだけでなく、現在使用しているトラックを改造することで増トン車にすることも可能です。ただし、使用中のトラックの増トンには多くの費用が必要になります。 使用中のトラックを構造変更して最大積載量を増加させるためには、トラックの重要な指定部品であるシャーシの補強が必要なので、その費用は決して小さくありません。

さらに、構造変更に伴う手続きや費用などを考慮すると、乗り換えた方が経済的なケースもあります。導入目的を考慮し、使用中のトラックを増トンすることで本当にメリットが得られるのか十分に検討しなければなりません。

増トン車で効率よく荷物を運ぼう

最大の積載量を増やしたトラックである増トン車は、道幅が狭い場所や駐車スペースが少ない場所でも利用でき、運搬効率を高めてくれます。 また、増トン車を導入することで、大型トラックの課題である購入価格や維持費の高さを解決する可能性がある点は大きなメリットです。

しかし、必要な免許証が変わったり、自動車税と車検費用が高くなったりするなど、増トン車特有のデメリットもあるため、導入の際は慎重に検討しなければなりません。 まずは導入目的を可視化し、本記事の内容を参考して増トン車で目的が達成できるかを確認してみてください。

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