パッカー車の仕組みは圧縮と排出の形式で異なる!売買時の確認点も紹介

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パッカー車の仕組みは、ごみの「圧縮形式」と「排出形式」によって異なります。パッカー車を選ぶ際は、収集するごみの種類などにあわせて最適な仕組みを選ばなければなりません。 本記事では、パッカー車の「圧縮形式」と「排出形式」における仕組みの内容や売買時に確認するべき点について紹介します。

パッカー車の仕組みは「圧縮」と「排出」で構造が異なる

パッカー車の仕組みは、「圧縮」と「排出」で構造が異なります。圧縮は「プレス式」「ロータリー式」「巻き込み式」、排出は「押し出し式」「ダンプ式」「ロータリー式」のそれぞれ3構造です。 目的に合った仕組みを選ぶことで、回収作業をスムーズにします。それぞれ、収集に適したごみは異なりますので、まずはパッカー車の仕組みの違いを正しく理解しておきましょう。

パッカー車の圧縮形式における3つの仕組み

一度に多くのゴミを運ぶには、圧縮した状態で荷箱へ収納しなければいけません。前述の通り、パッカー車の圧縮形式における主な仕組みは次の3つです。

  • プレス式
  • 巻き込み式
  • 回転板式

それぞれの圧縮形式は特徴が異なるため、用途や目的にあわせて選ぶ必要があります。回収したいごみに応じて最適な形式を選べるよう、ここでは圧縮形式ごとの詳しい内容についてみていきましょう。

強力に圧縮できる「プレス式」

プレス式とは、ごみを2段階の方式で圧縮して回収する形式のことです。ごみを投入口の手前と奥の2段階で強力に圧縮することで、家庭ごみに含まれるような水気も圧縮してコンパクトに荷室へ収納できます。 他の種類に比べて圧縮力が強いプレス式は、硬い廃棄物に最適です。冷蔵庫や電子レンジといった家電なども粉砕して回収できます。 しかし、危険物がごみの中に混入していても、押し潰してしまう可能性がある点には注意が必要です。危険物の混入が原因となり、火災や爆発が発生するケースもあります。

続けて投入できる「ロータリー式」

ロータリー式とは、大きなドラムがゆっくりと回転しながら投入したごみを荷箱に送る形式のことです。常時回転するドラムによってごみを投入し続けることができ、作業をスムーズにしてくれます。 さらに「汚水が道路に飛び散りにくい」「シンプルな構造でメンテナンスしやすい」といった点も、特徴といえるでしょう。 ただし、他の種類と比べて圧縮力が弱く、積載できるゴミの量が少ない点はデメリットといえます。また、家庭ごみや水分を含む廃棄物を回収するのに適したロータリー式ですが、最近はあまり出回っていません。

重ねてまとめる「回転板式」

回転板式とは、ごみを回転板で巻き込むように回収する形式のことです。上記の種類と異なり、圧縮ではなくごみを重ねてまとめます。作業員が投入したごみを回転板が荷箱へかき込み、内部にある押し込み板で奥に詰め込んでいく方式です。 家庭ごみの収集には、この回転板式が多く利用されています。この他にも、剪定作業で出た枝ごみなどの収集にも適しており、造園会社などでも導入されている種類です。 ただし、圧縮力が弱く長尺の鉄などを投入してしまうと、回転板が停止してしまうおそれがあります。そのため、粗大ごみや硬いごみには向かない種類といえるでしょう。

パッカー車の排出形式における3つの仕組み

収集したゴミは各地域の清掃工場などで排出されます。パッカー車の排出形式におけるおもな仕組みは、次の3種類です。

  • 押し出し式
  • ダンプ式
  • ロータリー式

収集するごみにあわせて前述の圧縮形式と排出形式の組み合わせを選ぶことで、作業効率のアップを期待できます。ここでは、排出形式ごとの詳しい特徴についてみていきましょう。

排出板を使う「押し出し式」

押し出し式とは荷室に備えられた排出板を使用し、ごみを奥から外へと押し出す仕組みのことです。回収作業中は、この排出板は荷室前部に収納されています。 排出作業時に開口した荷室後部からピストン運動を繰り返し、ごみを荷室外へ排出します。荷室の奥から開口部にごみを強い力で押し出せるため、荷室にごみが残りにくい点が特徴です。

荷箱を持ち上げる「ダンプ式」

ダンプ式とは、荷室前部を持ち上げて収集したごみを外へと排出する仕組みのことです。軽いごみの収集や運搬を得意とする「回転板式」との相性が良く、スムーズな収集から排出を期待できます。 ただし、ごみを押し出すような機構が備えられていないため、排出作業をしても荷室に細かいごみが残りやすい点はデメリットだといえるでしょう。

ドラムを逆回転させる「ロータリー式」

ロータリー式とは、回転板式に備えられている排出方法のことです。ドラムでごみを送り込む際とは逆回転させることで、排出作業を行います。また、このときにダンプ式と同じく荷室を少し傾けた状態で作業を行います。 ドラムにはコンクリートミキサー車のようなスクリューが装着されており、排出作業をアシストするのが特徴です。

パッカー車の売買で確認すべき5つの仕組み

パッカー車は収集作業の目的に応じて、圧縮形式と排出形式の選択が必要です。ただし、これらの仕組み以外にも売買時はいくつかの確認すべき点があります。おもな確認点は、次の5つです。

  • 排水溝の有無
  • 回転板の切り替えボタンの有無
  • 押し込み板の先端の摩耗
  • 装備やオプションの有無
  • PTOの状態

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

排水溝の有無

水分を含むごみの収集をする場合は、排水溝の有無を確認しましょう。枝ごみを中心に収集する造園や土木などの工事に利用する場合は、排水溝が無くても支障はないでしょう。 しかし、水分を含む家庭ごみなどを収集する場合、排水溝がついていないパッカー車を選ぶと水抜きができません。結果として投入口に汚水が溜まり、衛生面で支障をきたします。

回転板の切り替えボタンの有無

回転板の切り替えボタンの有無も確認しておきましょう。切り替えボタンとは、連続と単動を切り替えるための機能です。ボタンがついていると切り替えをスムーズにでき、枝ごみの収集などに利用する際は作業効率を高められます。 ただし、切り替えボタンがついているパッカー車は、家庭ごみの収集作業に使用できません。使用を禁止されている理由は、連続起動した場合に近くを通った人が巻き込まれる可能性があるためです。用途によっては、必ず確認を要するポイントだといえます。

押し込み板の先端の摩耗

パッカー車の押し込み板の先端が、摩耗していないかも確認しておきたいポイントです。先端部分が摩耗していると、押し込み板と投入口の間に隙間が生じます。 押し込み板と投入口の間にある隙間は、細かいごみが投入口に残る原因です。このような事態を未然に防ぐためにも、押し込み板の先端の状態は入念に確認するようにしましょう。

装備やオプションの有無

パッカー車ごとに装備やオプションが異なります。特にパッカー車の重量を把握できる計量器の有無は、確実に確認しておきたい部分です。計量器を搭載すると積載量が少なくなる一方で、過積載を防ぐためにも欠かせない装備といえます。 ほかにも、物入れとして使える横かごや専用のボックスを持ち上げて重量物を回収できる反転装置などもおすすめのオプション機能です。

PTOの状態

PTOの状態についても確認しましょう。PTOとは、エンジンの回転を油圧での動力に変換する装置のことです。パッカー車の場合、収集したごみをダンプして排出する際にこのPTOを利用します。 PTOは使用環境などによっては、想定以上の負荷がかかるケースがあるのです。中古車の場合はこれまでの使用状況やメンテナンス次第で、モーターやポンプ等が劣化しているおそれもあります。「PTOが劣化したパッカー車を購入してしまい、高額な修理が必要となった」といった事態を防ぐためにも、状態のチェックは慎重に行いましょう。

収集するごみの種類にあわせた仕組みのパッカー車を選択しよう

パッカー車の仕組みは「圧縮」と「排出」で構造が異なり、収集するごみや作業にあわせて選ぶ必要があります。 より多くのゴミを一度で運ぶには、圧縮した状態で荷箱へ収納しなければいけません。ただし、圧縮方法によっては、硬いものに対応していなかったり、水分を含むものに不向きだったりと特徴はそれぞれ異なります。 また、清掃工場などでゴミを排出する際には、排出形式によって「細かいごみが残りにくい」「排出作業をアシストしてくれる」といったメリットがあります。

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