クレーン免許の取得費用として、試験の受験料金が必要です。また、教習所で教習を受ける場合は別途費用が発生します。 本記事では、これからクレーン免許の取得を目指す方向けに、各免許の取得にかかる費用や受験に要する資格と条件について詳しく解説します。
目次
クレーン免許の受験に必要な資格と条件
クレーン免許の受験に必要な資格と条件は次の2つです。
- 受験対象となる年齢
- 受験に必要な資格
対象となる年齢に満たなくても、講習を受講できる場合があります。ただし、免許の交付は誕生日を迎えるまで待たなければならないケースもあり、事前のチェックが欠かせません。 ここでは、それぞれの詳しい内容について解説します。
受験対象となる年齢
クレーン免許を取得できる年齢は、普通自動車第一種免許と同様に「満18歳」と定められています。そのため、ほとんどの教習所では18歳から受講可能です。 地域や教習所によっては、18歳未満でも講習を受講できるところもありますが、受講を完了しても免許の発行は18歳の誕生日を迎えてからとなります。また、満18歳以上なら学生でもクレーン免許の取得は可能です。
受験に必要な資格
クレーン免許は私有地内で使う場合に限り、車の免許など他の資格を持っていなくても運転できます。そのため、初めて取得する免許がクレーン免許だということもあり得るでしょう。 しかし、公道を走るためには普通自動車免許や大型特殊免許などが必要となり、同時に免許を取得しておくことがおすすめです。また、クレーン免許を取得するために実務経験を問われることはありません。
各クレーン免許・資格の取得にかかる費用
各クレーン免許・資格の取得にかかる費用は、クレーン車の種類によって違いがあります。主なクレーンの種類は次の4つです。
- クレーン・デリック運転士免許
- 移動式クレーン運転士免許
- 小型移動式クレーン免許
- 床上操作式クレーン運転技能講習
ここでは、免許・資格取得にかかる費用をそれぞれ種類ごとに分けて、詳しく解説します。
クレーン・デリック運転士免許
つり上げ荷重5トン以上のクレーンの運転に必要な「クレーン・デリック運転士免許」の取得費用は「学科・実技」もしくは「実技のみ」で異なります。 専門の教習所で学科と実技を受講する場合、120,000円程度の費用が必要です。一方、学科試験を独学し、実技教習だけ受講する場合は100,000円程度と教習料金を抑えられます。 クレーン・デリック運転士免許を取得すると、つり上げ荷重が5トン以上の天井クレーンや橋形クレーン、ジンポールなどの各種クレーン及びデリックを運転できます。 クレーンは工場や倉庫、建設現場などで、デリックは建設現場などで多く使用されています。
移動式クレーン運転士免許
「移動式クレーン運転士免許」の取得費用には、免除資格がなく教習所へ通う場合「約130,000円〜160,000円」の費用が必要です。加えて、学科試験の「6,800円」と実技試験「11,100円」の手数料をそれぞれ準備しなければなりません。 移動式クレーン運転士免許を取得すると、トラッククレーンや浮きクレーンなど、移動を伴う土台に取り付けられたクレーン車の運転が可能です。建築現場などへ運転して移動するクレーン車を扱えるようになり、対応できる業務の幅が広がる免許といえます。
小型移動式クレーン免許
同じく移動式クレーンの中でもつり上げ荷重が「1トン以上5トン未満」と制限される小型移動式クレーン免許の取得にかかる費用は「約27,000円~50,000円」が相場です。ただし、所有している免許に応じて幅があります。 免除科目がない場合は20時間の講習を要するものの、業務経験がある人などは13時間程度に短縮される場合もあります。 小型移動式クレーン免許を取得すると、つり上げ荷重5トン未満のクレーンを運転できるようになり、建築現場などで活躍する積載型トラッククレーンを使った業務などに従事することが可能です。
床上操作式クレーン運転技能講習
床上で運転し、運転者が荷の移動とともに移動するクレーンの操作に要する「床上操作式クレーン運転技能講習」の取得費用は「約45,000円〜50,000円」が相場です。 所有している資格によって免除される科目があり、必要となる金額が変動します。床上操作式クレーン運転技能講習を受けることで、天井クレーンやジブクレーン、橋形クレーン、テルハといった種類のクレーンを扱えるようになります。
クレーン免許に関連する免許・資格の取得費用
クレーン免許に関連する免許・資格の取得費用もあわせてチェックしましょう。ここでは次の4つの種類について紹介します。
- 大型自動車第一種免許
- 中型自動車第一種免許
- 玉掛け技能講習(1トン以上)
- 大型特殊自動車第一種免許
クレーン作業に関するさまざまな免許を取得することで、競合他社との差別化にもつながります。それぞれの費用に関する詳しい内容についてみていきましょう。
大型自動車第一種免許
走行用台車とクレーン旋回体が分かれるオールテレーンクレーンなどを公道で走行するためには「大型自動車第一種免許」が必要です。 大型自動車第一種免許を自動車教習所へ通って取得する場合「約100,000〜200,000円」の費用を要します。運転免許試験場で一発試験を受ける場合はこれよりも安くなるものの、取得の難易度は高まるでしょう。 また、大型自動車第一種免許の取得には、普通免許(中型・大型特殊含む)の運転経験が通算して3年以上必要です。
中型自動車第一種免許
トラックにクレーンが架装された搭載型トラッククレーンなどを運転する場合は「中型自動車第一種免許」が必要となる場合があります。 中型自動車第一種免許を自動車教習所で取得するためには、所有免許が「普通免許マニュアル」の場合で「約170,000〜240,000円」が必要です。一方、所持免許が「普通免許オートマ限定」の場合は技能教習の必要数が伸びるため「約210,000〜270,000円」が相場といえます。
玉掛け技能講習(1トン以上)
工場や建設現場などで重い荷物をクレーンで持ち上げる際に、フックに荷物を掛けたり外したりする作業に要する玉掛け技能講習(1トン以上)の取得費用は、小型移動式クレーン運転技能講習を受講している場合で「21,000円程度」の費用が必要です。学科と実技の2つに講習が分かれており、3日間で修了します。 また、1トン未満の荷物などを玉掛けできる「特別教育」は2日間の講習で修了でき、費用も「15,000円程度」で受講可能です。
大型特殊自動車第一種免許
1つの運転席で走行とクレーン操作が行えるラフテレーンクレーンを運転するためには「大型特殊自動車第一種免許」が必要です。 大型特殊自動車第一種免許の取得費用は、普通自動車免許を取得している場合で「約80,000〜90,000円」となります。一方、免許を持っていない場合の費用は「170,000円程度」が相場です。 大型特殊自動車第一種免許を取得するとトラクターなども運転できるようになり、対応できる業務の幅が広がります。
クレーン免許の取得は売上アップを期待できる
クレーン免許は取得する費用も種類によって「約30,000〜160,000円」と幅があり、いずれも比較的安く取得できます。建築や建設業界におけるクレーン免許の需要は高く、有資格者を増やせば自社の売上アップも期待できるでしょう。 あわせて、大型自動車第一種免許や中型自動車第一種免許、玉掛け技能講習(1トン以上)なども取得すれば、お客様のさまざまなニーズに対応できます。紹介した費用を参考に、今後のビジネス展開にぜひ活かしてみてください。