オイルエレメントとフィルターの違いは?3つのタイプを紹介

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フィルターはエンジンオイルの汚れをろ過する装置全体を指すのに対して、オイルエレメントは部品を構成する「ろ過紙」を示しています。 エレメントには純正やろ過性能に特化したものなど、いくつかのタイプがあるのが特徴です。今回はオイルエレメントとフィルターの違いやエレメントの種類などを解説します。

フィルターは汚れをろ過する装置全体

フィルターは汚れをろ過する装置全体

エンジンオイルの汚れを取り除く機能を持つオイルフィルターは金属でできた円柱状のケースです。 オイルフィルターは核となるエレメントの他、リリーフバルブ(流し弁)やアンチドレーン弁(逆流を妨げる弁)などで作られています。 オイルフィルターのケースごと交換するカートリッジ式と、中身のエレメントだけを替えるエレメント交換式に分かれます。現在の主流はカートリッジ式で乗用車のほとんどがこのパターンです。

エレメントはフィルターを構成するろ過紙

エレメントはひだ状の構造を持っており、ろ紙が折りたたまれて格納されています。オイルと接するろ紙面積が広いため、フィルターを通り抜ける流量をしっかりとキャッチできます。 まずポンプによって吸収されたオイルは、オイルフィルターの位置まで移動します。ケース壁面からオイルがろ紙に到達し、フィルタリングによってキレイになったオイルが中央部に染み出て、エンジンへ戻っていく仕組みです。 エンジンにはフィルターが存在しないため、エレメントがなければどんどんオイル内に不純物が蓄積されます。エンジンや車両を長く安全に走行させるためには、エレメントが必要不可欠です。

オイルエレメントの種類3つ

純正フィルター

純正フィルターは車両の購入時からついてきた自動車メーカーが販売している製品です。純正品と対を成す言葉が社外品で、こちらは純正品より格安の製品と高品質のものに分かれます。 格安製品はエレメントの折り込み方や大きさが異なっている場合が多いです。一方、社外品の高品質製品は、純正品の機能を高めるために作られたケースが少なくありません。 特にこだわりがなければ、純正品のエレメントを選ぶとよいでしょう。なぜなら、一定の品質が担保されており、商品の選択で失敗する可能性が低いからです。

ろ過性能が高いフィルター

エンジンは数十ミクロン単位の細かなゴミや不純物の影響も受け、劣化が進行します。逆に言えば、エンジンの稼働に支障をきたさないほどの小さなものであれば、ろ紙を通過してもそれほど影響はないでしょう。 ろ過性能が高いフィルターとは、対応するミクロン数の値がより小さな製品です。商品説明では「ろ過精度〇〇ミクロン」等の記載があるため、できる限りこの数値が低い製品を選びましょう。

マグネット付きフィルター

高性能社外品の一種で、通常のフィルターなら通過してしまうごく小さな金属片でも、マグネットの力で吸い寄せることが可能です。 通常のフィルターと比較してろ過性能がパワーアップしています。そのパワーの強さゆえ、通常のフィルターよりも交換頻度が増えてしまう点がデメリットです。 後に紹介しますが、オイルエレメントは走行距離が2万kmを超えたら替え時だといわれています。しかしながら、マグネット付きフィルターの中には6,000kmでの交換を推奨しているものもあるため、求める性能に合わせて選びましょう。

オイルエレメントは定期的な交換が必要

オイルエレメントはエアコンのフィルターのように清掃してメンテナンス完了とはいかず、定期的な交換が必要です。 その理由は同じエレメントを使い続けていると、本来の機能を保てなくなってしまうから。交換の目安は、走行距離が2万kmを超えるタイミングです。エンジンオイルと交換のタイミングを合わせることで、作業の効率性・効果ともに向上します。

使い続けるとエンジンの性能が落ちる

オイルエレメントを交換せずに放置していると、不純物がフィルターに溜まり、目詰まりを起こす場合があるでしょう。 目詰まりによっていきなり車両が故障するのではなく、オイルの循環を促すリリーフバルブが稼働します。 しかし、リリーフバルブを通るオイルはろ過作用の恩恵を受けていません。不純物を抱えたオイルが循環するため、エンジンの性能低下を引き起こします。最終的にはエンジンの故障に発展する可能性もあるので、手遅れになる前に交換が必要です。

交換の目安は走行距離2万km

オイルエレメントはどのタイミングで取り換えればよいかというと、走行距離が2万kmに達したときです。 あくまでも目安ですが、2万km走行したエンジンは金属片やゴミが内部に蓄積し、劣化が生じている場合が多いため注意しましょう。 エレメントを交換する際は、通常エンジンオイルも一緒に交換します。片方だけ取り替えると、古いほうに付着した汚れが移るため、効果が半減してしまいます。エンジンオイルを2回交換するごとに、エレメントを取り替える頻度が適切です。

悪路や長距離走行が多い場合は注意

オイルエレメントの汚れ方は走行環境や車種などの影響を受けます。特に長距離走行や、凸凹した悪路の走行が多いシビアコンディションの場合、要注意を。 2万kmを目安に考えていると、エレメントが十分なろ過作用を発揮できずに、エンジンの劣化を引き起こす危険があります。 また、トラックは乗用車と比較して、フィルターに汚れが蓄積しやすいです。2回に1回ではなく、毎回オイル交換と同じタイミングでエレメントを替えるほうがよいかもしれません。

オイルエレメントの選び方

オイルエレメントの選び方でまず注意すべきは、自車に適合した製品を選ぶことです。エレメントによってはサイズが合わない場合があるため、確実に確認が必要です。 あとは基本的に自分が好きなエレメントを選ぶようにし、特に好みがないなら純正品を選べばよいでしょう。ここでは、自車に適合する製品の見つけ方や性能特化型のエレメントについて紹介します。

自車に適合する製品を選ぶ

車のメーカーやモデルに応じて、使用可能なエレメントの種類は異なります。作業したら接合部が合わず取り付けられないといった事態を引き起こさないためには、純正品を選ぶことがポイントです。 純正品のエレメントは取扱い店舗で購入する他、メーカーがインターネットで公表している適合情報を見ても確認できます。適合表は排気量・仕様・車種形式で枝分かれしているため、間違わないよう十分にチェックしましょう。

ろ過性能やマグネットの有無で選ぶ

通常の製品で物足りない場合、社外品の高性能製品を求めたほうがよいかもしれません。ろ過性能に優れたオイルフィルターや、マグネット付きのものを使えばより長持ちします。 他にも油圧が上昇してもオイルが流れやすいスポーツタイプのフィルターや、網目の異なるエレメントを複数重ねた多層構造タイプなどもあります。 全体的に通常のエレメントと比べて価格が高い傾向は見受けられますが、性能にこだわるなら十分採算に合う製品です。

オイルエレメントのQ&A

今まではオイルエレメントの種類や違いについて中心に解説してきました。エレメントに関しては「交換方法はどうやるの?」「費用はどれくらいかかる?」「使用済みエレメントの処分方法は?」といった疑問も生じるはずです。 ここでは、これらの気になる疑問について、詳しくお答えします。

エレメントの交換方法は?

エレメントの交換方法は、大きく「業者に依頼して取り替えてもらう」「自らDIYで作業する」の2つに分かれます。 業者の依頼先はトラックを購入したディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどです。店舗によっては事前の予約が必要な場合があるため要確認です。 DIYで作業する場合は、メンテナンスの知識や工具、平坦で安定した作業スペースが必要。工具がなく車両の整備に関する知識もない状態なら、店舗に依頼した方が手っ取り早いでしょう。

交換にはどれくらいの費用がかかる?

エレメントの交換を店舗に依頼する場合、かかる費用の相場は約7,000円です。内訳は本体と工賃に分かれ、エンジンオイル・エレメント(オイルフィルター)の購入が求められます。 車両やエレメントの種類などに応じて費用は変動するため、詳細は依頼先に問い合わせましょう。店舗によっては工賃無料のプランや、割引キャンペーンを実施している場合もあります。 自分で作業したほうが、安く済むイメージを持つかもしれません。1から必要な工具を揃えるのであれば、最初からお店に頼んだほうが安く抑えられる可能性があります。

交換済みエレメントの処分方法は?

交換済みのエレメントは交換を依頼した店舗で一緒に引き取ってもらえる場合があります。基本的には無料で対応していますが、店舗によっては引き取り費用が生じる可能性も。 DIYでエレメントを交換した人は、お住まいの自治体の処分方法を確認しましょう。オイルフィルターは金属・紙・廃油といった複数の材質から構成され、そのままの状態では処分できません。 素材別に分解した上で、資源ごみや可燃ごみとして回収している自治体もあります。

エレメントの違いを理解し目的に合った製品を選ぼう

エレメントは純正フィルターや社外品(ろ過性能が高いもの、磁石マグネット付きなど)の製品があります。 エレメント選びで失敗しないためには、それぞれの違いを理解し、目的に応じた製品を選ばなくてはいけません。特にこだわりがなければ純正品を、できるだけ品質が高い製品を求めるなら社外品の高性能品を選ぶのがおすすめです。 また、せっかく購入したのにサイズが合わないと目も当てられないので、自車に適合するサイズかどうかの確認は忘れずに行いましょう。

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