ファンベルトが切れた際の対処方法を紹介!主な原因や交換方法も解説

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ファンベルトが切れた場合、ウォーターポンプやオルタネーターなどの故障を引き起こす可能性があります。最悪の場合、エンジンが停止したり、ハンドルが重くなったりと危険な状態にもなりかねません。本記事では、ファンベルトが切れる原因や対処方法、交換方法を紹介します。

ファンベルトが切れる主な原因は2つ

クランクシャフトの動力を伝えるファンベルトが切れる原因としては、次の2つが一般的です。

  • 摩耗や経年劣化により寿命
  • 張り調整のミス

ファンベルトが切れると、大きな事故につながる恐れもあります。急なトラブルに慌てないためにも、まずは本質的な原因について理解しなければなりません。本章では、それぞれの詳しい内容を解説します。

摩耗や経年劣化により寿命

ファンベルトは摩耗や経年劣化によって寿命を迎えると、いずれ切れてしまいます。ファンベルトはゴム製の消耗品で、使っていくうちに少しずつ劣化が進むからです。普段から使用する輪ゴムをイメージするとわかりやすいでしょう。 劣化が進むとひび割れや裂けなどの症状があらわれ、いずれは切断するという流れです。特に、縦方向に割れや裂けが見られる場合は、早急に交換しなくてはいけません。

張り調整のミス

ファンベルトの張り調整にミスがあると、切れるリスクが高まります。ファンベルトは、手動またはオートテンショナーと呼ばれる機械のいずれかで調整しますが、張りを強くしすぎると切れやすくなります。 ただし、オートテンショナーで調整するときには、張りすぎるというミスは基本的に起こりません。多くの場合、手動でファンベルトを調整した際に、張りすぎの状態となります。

ファンベルトが切れるとどうなる?

車のエンジンに電気を供給する重要な役割を担うファンベルトが切れると、次のような問題が発生します。

  • ウォーターポンプが故障する
  • パワーステアリングポンプが停止する
  • オルタネーターが故障する
  • エアコンプレッサーが停止する

いずれも、車の安全な運転や快適な車内環境に影響を及ぼす内容ばかりです。ここでは、それぞれの詳しい内容について解説します。

ウォーターポンプが故障する

ファンベルトが切れるとウォーターポンプが故障し、エンジンのオーバーヒートを引き起こします。 ウォーターポンプは他の部品と連携しながら、エンジンの温度を冷やす冷却水を循環させる役割を担います。ウォーターポンプが故障するとエンジンの温度が下がらず、オーバーヒートを起こす原因になるのです。

オーバーヒートに早く気づければ、その後の処置も簡単に済みます。しかし、オーバーヒートに気づかずに走行し続けると、最悪の場合エンジン交換や廃車になるケースもあります。

パワーステアリングポンプが停止する

ファンベルトが切れるとパワーステアリングポンプが停止し、車を正常に動かせなくなる可能性があります。パワーステアリングポンプは、ハンドル操作を補助する役割の部品です。 パワーステアリングポンプが停止すると「ハンドルが重くなる」「低速で操作ができなくなる」といった状態になります。また、走行中にパワーステアリングポンプが停止すると、ハンドル操作に影響が生じ、事故につながるケースもあるでしょう。

オルタネーターが故障する

ファンベルトが切れてオルタネーターが故障すると、車のエンジンがかからなくなる場合があります。発電を担うオルタネーターを正常に動かなくなると電気を供給できなくなり、 バッテリー上がりを引き起こすからです。 また、外出先などでオルタネーターが故障すると身動きが取れなくなるため、JAFなどに救援を依頼する必要があります。

エアコンプレッサーが停止する

車種によっては、ファンベルトがエアコンプレッサーの役割を担う場合があります。このような車種ではファンベルトが切れると、同時にエアコンプレッサーも停止します。 エアコンプレッサーが停止すると暖房・冷房のいずれも使えなくなり、季節によっては大きなトラブルにもつながりかねません。快適な車内を維持するためにも、定期的なファンベルトのチェックが必要です。

走行中にファンベルトが切れた際の対処方法


走行中にファンベルトが切れた際の対処方法として、次の3つが挙げられます。

  • まずは安全な場所で停車する
  • 修理の依頼先へ連絡する
  • 自動車保険会社やJAFに連絡する

ファンベルトが切れると、エンジンのオーバーヒートやパワーステアリングポンプの停止などを引き起こし、安全な運転操作の妨げとなる可能性があります。このような場面で慌てずに対応できるよう、それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

まずは安全な場所で停車する

走行中にアクセルを踏まないとエンジンが止まったり、水温計がHに近くになったりした場合は、ファンベルトが切れたことでオーバーヒートを起こしている可能性があります。 また、急にハンドルが重くなった場合は、同様の原因によってパワーステアリングポンプが停止しているかもしれません。

何か違和感や変化がある場合は、まずスピードを落とし、安全な場所に停車してください。 ファンベルトの異常はブレーキには直接影響しないため、慌てずブレーキを踏むようにしましょう。そして、素早くハザードランプを出し、自身も安全な場所に避難するようにしてください。

修理の依頼先へ連絡する

車を停車させ、自身も安全な場所に避難したのちは、修理の依頼先へ連絡しましょう。車の購入先や普段から付き合いのある修理工場などに連絡し、これから修理を依頼する旨を伝えます。 また、ファンベルトが切れたことで他の部品も大きく損傷している場合は、修理ではなく廃車も視野に入れる必要があります。ただし、自身では見分けがつかない可能性が高いため、まずはプロの目で確認してもらいましょう。

自動車保険会社やJAFに連絡する

修理の依頼先へ連絡した後は自動車保険会社やJAFに連絡し、レッカー車を手配してもらいましょう。自動車保険会社に連絡すればレッカー車の手配だけでなく、現場までの送迎などを用意してくれる場合もあります。 自動車の任意保険に加入している場合は、優先的に自動車保険会社に連絡してみてください。また、保険に未加入の場合やレッカー手配のサービスがない場合は、自身でJAFに連絡し、その後の段取りを進めるようにしましょう。

切れてしまったファンベルトを交換する4つの方法

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ファンベルトが切れてしまったときの交換方法として、次の4つが挙げられます。

  • 整備工場に依頼する
  • ディーラーに依頼する
  • カーショップに依頼する
  • 自分で交換する

いずれもファンベルトの交換はできるものの、費用や手間、安全性などに大きな違いがあります。実際にファンベルトが切れてから慌てることがないよう、ここでは方法ごとの詳しい内容についてみていきましょう。

整備工場に依頼する

ファンベルトが切れてしまった場合は、最寄りもしくは行きつけの整備工場に依頼すれば交換できます。ただし、車種などによって金額が変わるため、交換前におおよその見積もり額を聞いておきましょう。 また、時間があれば複数の整備工場に連絡して金額を比べると、より安くファンベルトを交換できます。ただし、整備工場によって交換時間にも差があるため、事前に確認しておきましょう。

ディーラーに依頼する

自動車ディーラーでもファンベルトの交換は可能です。また、豊富な車種の在庫を取り扱っているディーラーであれば、タイミングによっては当日中に対応してもらえるケースもあります。 ただし、保有するピット数やメカニックの人数はディーラーによって大きく異なるため、 電話による事前確認と予約を取ったほうが確実でしょう。

カーショップに依頼する

カーショップでもファンベルトは交換可能で、さらに整備工場やディーラーよりも安く交換できる可能性があります。 整備工場やディーラーでは、純正品のファンベルトを取り扱っていることが一般的です。一方、カーショップではOEM部品を取り扱っているケースが多い傾向にあります。OEM部品といっても、純正品と同等の性能を誇るため、使用には問題ありません。

自分で交換する

整備工場やディーラーなどに依頼せず、自分で部品を取り寄せて交換するのも方法の1つです。交換に関する工賃をカットできるため、他の方法よりも安価に交換できます。 ただし、交換には多くの工具を要するだけでなく、交換に関する知識や技術も必要です。

よって、日頃から自分で修理している方でなければ、交換は難しいでしょう。 また、安全性の保証もないため、知識や技術に不安のある方は整備工場やディーラーなどに依頼するほうが無難です。

ファンベルトが切れた車を修理以外で対応する方法


車の年式や走行距離によっては、ファンベルトを修理しても異なる部品も故障する可能性があります。また、ファンベルトが切れたことで故障した部品の修理費が、想定以上に高くなるケースも少なくありません。 そこで、修理以外で対応する方法についても理解しておきたいところです。ここでは、ファンベルトが切れた車を修理以外で対応する方法として「新車への買い替え」と「廃車」の2つを挙げ、それぞれの内容を解説します。

新車への買い替え

ファンベルトが切れてしまった車の年式や走行距離によっては、交換しても別の部品が故障する可能性もあります。何度も高い修理費を払うことを考えれば、新車への買い替えを検討 したほうが、経済的なメリットが得られるケースもあるからです。 また新車以外にも、新古車や中古車への買い替えを視野に入れてもよいでしょう。ファンベルトが切れたことをきっかけとして、車の買い替えプランを検討してみてはいかがでしょうか。

廃車

修理や買い替えではなく、廃車にするのも有効な手段の1つです。ファンベルトは車の購入から3〜5年程度を目処に不具合が生じる場合が多く、年式の古い車では他の部品の故障が目立つ時期と重なるケースも少なくありません。 そのため、何回も修理に出すことを考えれば、廃車したほうがお得になる場合もあります。

ちなみに、ディーラーでは処分費を求められるような年式の古い車や状態の悪い車でも、廃車買取専門店であれば0円以上で買い取ってくれる場合もあるようです。そのため、買い取りで得たお金を新車の購入予算にもあてられるでしょう。

ファンベルトが切れた車は寿命が近い可能性も


車を動かすため欠かせない部品であるファンベルトが切れる原因は、主に「摩耗や経年劣化により寿命」や「張り調整のミス」です。 万が一、ファンベルトが切れてしまうと「ウォーターポンプの故障」や「パワーステアリングポンプの停止」などを引き起こし、結果として大きな事故につながる可能性もあります。 走行中にエンジンが止まったり、水温計がHに近くなったりした場合は、ファンベルトが切れているかもしれません。

その場合は、速やかに安全な場所に車を停車させ、修理の依頼先へと連絡しましょう。また、安全を確保した状態で自動車保険会社やJAFにも連絡してみてください。 切れてしまったファンベルトは整備工場やディーラーで交換できます。ただし、年式や走行距離によっては、車自体が寿命を迎えている可能性もあります。新車への買い替えや廃車なども視野に入れ、その後の対応を検討しましょう。

参考:廃車手続き完全ガイド!抹消登録を自分で行う方法と注意点を解説|ナビクル

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