大手飲料メーカーとの取引をメインに売上を拡大してきた同社。長年のノウハウをもとに一般運送事業を5年前にスタートしてから、堅調に取引先が増加したものの、荷主ごとの請求書や売り上げの管理が煩雑化し、エクセルでの管理が困難になりました。
また、請求書管理のシステム導入を検討する中で、車両情報の管理(安全管理や監査に必要な帳簿類)が全て紙で管理されており、必要な情報がタイムリーに収集できないことから、現場の負担が増加しておりました。
「トラッカーズマネージャー」を導入することでどのように改善ができたのか、導入までの経緯や導入後の状況、また今後に向けた期待をお聞きしました
【お話を伺った方】
株式会社日東フルライン経営管理部 取締役 経営管理部長 奥田真規様
車両台数:370台(2023年2月時点)
【導入の目的】
・請求情報と車両情報の2軸管理を行いたい
・収支情報を必要なタイミングで、必要な担当者が閲覧できるようにしたい
【具体的な課題】
・案件増加に伴い、請求書発行、売上管理が煩雑化しエクセル管理が限界に達していた
・車両別、従業員別収支をタイムリーに把握したいが、情報が点在しており管理ができていない
【導入効果】
・請求情報と車両情報の2軸管理が実現でき、業務の効率化を実現
・必要な情報を必要なタイミングで誰でも閲覧することができる
目次
エクセルによる管理では業務負担が増加しており、業務効率化ができないか悩んでいた
株式会社日東フルライン 取締役 奥田真規様
—— 本日はよろしくお願いします。まず、株式会社日東フルラインさんはどのような業務をされているのでしょうか?
運送業務としては、 飲料関連を主軸に様々なサービスを展開しており、
- 自動販売機の商品補充や管理業務まで対応する『フルサービスオペレーション』
- 『主要大駅構内の自動販売機や売店の商品管理・倉庫管理・オペレーション業務』
- 大型スーパーなどの共配センターへの配送業務を担う『センター配送』
- スーパーや居酒屋、喫茶店などへ直接飲料を配送する『ルート配送』
- 2t・4t・10tトラックにて地場、中・長距離、定期便・スポット便などのさまざまな荷物の輸送を請け負う『一般物流業』
上記5つの領域のサービスを提供しています。
—— 今回トラッカーズマネージャーを導入されましたが、システム検討はどのようなきっかけで始めましたか?
当社では、大手飲料メーカー様との取引をメインに売上を拡大してきました。大手飲料メーカー様の関西地区・東海地区を委託されており堅調に売上も伸びておりますが、長年のお取引で培った物流品質とノウハウを活かして、5年前より一般運送事業(大手飲料メーカー様以外の運送)をスタートしています。
ありがたいことに、一般運送事業も堅調に荷主様が拡大しており、複数の荷主様に対する請求書発行や、売上管理が必要となり、エクセル運用では厳しい状況に変化していました。
—— 具体的にはどのような点でエクセル管理が厳しいと感じられましたか?
システム導入前のエクセル管理では請求書発行までは比較的スムーズにできていましたが、その後の車両別・従業員別収支、その他車両コストの集計作業が大変でした。特に収支管理においては、エクセルに1件ずつ手入力、場合によっては運転者日報を確認しながらの作業を行っていたので、時間を要しました。特に収支はタイムリーに見たいニーズがあり、その為には、ある程度の入力人員も必要であり、ここに工数も人的リソースもかかっていました。
—— 明確なニーズがあったと。その中でシステム選定はどのような観点を意識されましたか?
請求管理システムの検討において、システムが個別最適になるのも良くない、と言う観点で、他の事業部では課題や非効率さがないか、現状を把握しました。すると、車両の管理面でも安全管理や監査に必要な帳簿類がアナログ管理になっている事に気づきました。具体的には、監査書類が全て手書きの紙管理で、現場に行かないと情報が出てこない。現場の負担軽減を考えながら、情報管理を仕組み化しないといけない状況と現状認識しました。
よって、「請求管理」と「車両管理(車両の情報管理)」の2軸ができるシステムを軸に検討を進めました。
—— 2軸管理を軸にシステム選定をされる中で、Azoopにはどのような形で接点を持たれましたか?
複数のシステム会社に話を聞きました。請求管理ができるシステムは複数ありましたが、車両の管理まではできない。欲しい軸の1つが不足している状況ですね。
情報収集の為、物流展に行った際に出会ったのが、Azoopさん(トラッカーズマネージャー)です。気になる会社でしたので、後日、商談を行い、まさにイメージしていた事ができる。やりたい2軸管理ができるシステムでしたね。
—— まさにシステム選定の軸に合っていたと。もう少し商談の印象を伺ってもいいですか?
車両管理から始まったシステムの様で、車両管理がずば抜けて良かった印象を覚えています。車両管理がずば抜けたレベルででき、請求書管理は過不足なくできる。また、直感的に使えそう、見やすいシステムだなと感じた事も、記憶にあります。
現場の手間(入力の手間・情報入手の手間)の削減ができる環境を作りたかったので、「直感的に使える」は、重要なポイントですよね。トラッカーズマネージャーであれば、現場の手間が大幅に削減されるシステムだと思っています。
カスタマーサクセスのサポートにより、活用におけるギャップが埋まっていった
—— 導入前後で何かギャップはありましたか?
車両管理は、さすがです。イメージ通りでした。一方、正直申し上げると請求書発行面では、少しギャップがありました。細かい部分で自社の運用に合わない、使い方が分からないなどですね。しかし、月に数回のミーティングを組んで頂き、使い方の説明を受け、ギャップとなる部分を改善出来る様に取り組みました。
—— どのようなミーティングが実施されましたか?
主に、現在の体制と、今後の運用体制の整理ですね。その中で、どのような使い方ができるか、使い方の不明点の解消です。また、ギャップが大きい部分に関しては、機能改善の要望を出し、「できる・できない」の議論をしながら進めていきました。当社からいくつかの機能改善要望を出しましたが、すぐに機能アップデートとして反映された要望もありました。また、他社様の事例も共有して助言いただける点もよかったですね。
自社の使い方のレベルアップとシステムの機能レベルアップでギャップを埋めていく形ですね。
機能アップロードが週次単位でされる事は、いい意味でギャップでしたね。
今後、トラッカーズマネージャーを利用する事で、明るい未来しか見えないです(笑)
—— 上手く使える様になってきた印象ですね。今後はどのような利用を想定していますか?
請求書発行面のシステム運用ができる様になってきたので、今はトラッカーズマネージャーの機能をフルに使いこなす事を考えています。具体的には、配車機能や損益レポート機能です。1つのシステムを軸に、業務を変えていく事ができるか。もちろん、機能要望も出しますが、業務をシステムに合わせる事で効率化を図る、これも重要な点だと考えています。
また、情報の管理体制を整える事で、監査対応もトラッカーズマネージャーで対応できるようにする事を目指しています。監査対応が一つのシステムで完結できる、これ程効率的な事はないですからね。
—— ありがとうございます。実際に1年後、2年後どのような活用ができているか楽しみですね。
導入してから1年後の活用状況
実際の効果確認の為、奥田様のインタビューの1年後に現場担当の吉田様にお話を聞きました。
—— まずは吉田様の業務に関して教えてください
管理部門として、日々の運行の事務業務を行っています。少し、具体的に言うと、日報のチェックや請求書の発行、月末の集計業務です。
—— 日々の業務ではどのような点を意識されていますか?
私たち管理部門の使命は請求書を正確に発行すること、またその後のアフターフォロー(収支をタイムリーに共有すること)だと認識しております。7月の実績を9月、10月に物流部門へ情報提供しても意味がありません。正確さとスピードが重要な業務のポイントだと思っています。
—— 正確さとスピードを意識されている中で、システム導入する事で何か変化はありましたか?
システム導入後は、請求書情報がそのまま収支計上に繋がり、請求書さえしっかり作りこみしておれば、ボタン1つである程度の収支の完成は容易となりました。もちろんその後社内ルールに沿ったアレンジは必要にはなってきますが、数字を1件ずつ捉えなくて済んだ事と、様々なデータや資料を見て確認していくという作業がなくなり、業務の効率化(スピード向上)に繋がった実感があります。PCだけで作業が完結できたというのは非常に大きいと思います。
また、今までは情報(売上額を知りたいなど)を知りたい社員に、個別にメールなどを送っていました。システムを通して情報が共有され、見える化が実現できたことで、個別対応をしていた工数の削減ができたと感じています。社員側も問い合わせなく、自ら情報を見る事ができるので、タイムリーに知りたい情報を確認できます。双方にメリットが出た事は大きな変化だと感じています。
—— 結構な工数削減に繋がっている印象ですね。工数削減ができた事のメリットに関して、もう少し教えてください。
収支完成を早めることができましたので、他の業務に注力できる時間が多くできました。管理部門は少数精鋭なので、今まで取り組めていなかった業務、特に有休管理に今年から積極的に取り組んでいっております。
—— 余剰時間を他の業務に充てる事ができた訳ですね。ちなみに、収支情報はどのように活用していますか?
正確な売上が把握できたので、どこが不採算なルートかしっかり捉えることが出来ました。ここから各荷主様への交渉や継続して仕事を受けるかの判断は物流部門の仕事ですが、資料を提供するのは管理部門になります。物流部門は肌感覚で採算があっているか不採算かは分かっているとは思いますが、正確な金額まで出せないので。根拠となる資料と共に、営業に出向かれる姿を見ると、非常に重要な業務であると実感いたします。
要望に応じた機能アップデートにより、利便性が増していくトラッカーズマネージャー
—— 導入後1年でかなりシステムを使いこなされ、業務内容を変容されている印象を持ちました。奥田様のインタビューでは機能アップデートへの期待を持たれていましたが、印象に残っている事はありますか?
個人的には案件/日報のらくらく一括登録の機能アップデートが非常に嬉しかったです!
—— どのような機能でしょうか?
システムへの登録や編集をシステムで行うのではなく、CSVで行いアップロードする事で、システムに反映する機能です。運送ではイレギュラーな案件も多く、システムに事前登録した情報を編集する事が多くあります。今まではシステム上で修正をしていましたが、機能アップデートでCSV編集ができるようになり、コピペで大量な情報登録や編集ができる様になりました。これでかなりの入力の手間を削減できます。何かエラーが生じた場合も、トラッカーズマネージャー側ではじいてくれるので、不備も見つけやすくなりました。
—— 運送業界の特化したシステムだからこそできる機能アップデートかもしれないですね。最後に、今後のトラッカーズマネージャーに期待する事を教えてください
2024年問題が目の前に迫っており、様々な観点から労働時間の削減に取り組まなければなりません。そうした中でシステムを活用し、物流現場が現業に特化できる点、管理部門は正確な情報をもとに売上拡大やコスト削減を含めサポートできる体制の構築に期待しています。
—— インタビューは以上になります、ありがとうございました。
ありがとうございました。