運送業で最も利用が多いトラックウィング車(アルミウィング)の積載に関する注意点

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ウィング車(アルミウィング)の特徴

ウィング車(アルミウィング)とは、ボディ(荷台)部分をアルミパネルで囲い、ウィングと呼ばれる側面のアルミパネルが左右に跳ね上がる機構を装備したトラックです。ウィング車(アルミウィング)は、フォークリフトを使った効率的な積荷の積み下ろしが可能なため運送業界で多く利用されています。ウィング車(アルミウィング)では、食料品、飲料類、機械部品、建築資材、フレキシブルコンテナバッグなど多種多様な積荷を運搬します。

アルミバンとの違い

アルミバントラックは、ボディ(荷台)部分をアルミパネルで囲ったトラックです。ウィング車(アルミウィング)との最も大きな違いは、ウィング機構の有無になります。
アルミバントラックはウィング機構がなく、ボディ(荷台)部分の後方一箇所しか開閉できない構造になっているため、荷の積み下ろし効率はウィング車(アルミウィング)に劣ります。

しかし、ウィング機構がない分、ウィング車(アルミウィング)と比較してボディ(荷台)部分の隙間は少ないため、気密性は高く防塵性に優れた構造になっています。このような違いから、ウィング車(アルミウィング)とアルミバントラックは、荷の積み下ろし効率や運搬する荷に防塵性がどの程度必要かによって使い分けされています。

ウィング車(アルミウィング)のサイズの違い

ウィング車(アルミウィング)は、トラックの最大積載量の違いで大きく分別されています。
トラックの最大積載量の違いとしては、2tウィングが小型、4tウィングが中型、10tウィングが大型と分類され、積み荷に応じて利用するトラックの大きさの選択が可能です。

また、トラックのサイズが同じでも、ボディ(荷台)に載せているウィングの大きさや重さによって最大積載量や寸法は細かく変わってきます。運搬用のトラックを選ぶ際はこれらの値を必ず確認するようにすると良いでしょう。

ウィング車(アルミウィング)のメーカーごとの最大積載量と内寸の目安

小型のウィング車(アルミウィング)には、UDトラックス(日産)のカゼット、三菱ふそうトラック・バスのキャンター、いすゞ自動車のエルフなどがあります。

メーカー 最大積載量 内寸
UDトラックス(日産)カゼット 3.9t 長さ:444 cm 幅:207 cm 高さ:195 cm
三菱ふそうトラック・バス キャンター 3.0t 長さ:362 cm 幅:178 cm 高さ:204 cm
いすゞ自動車 エルフ 2.8t 長さ:440 cm 幅:210 cm 高さ:223 cm

中型のウィング車(アルミウィング)には、UDトラックス(日産)のコンドル、三菱ふそうトラック・バスのファイター、いすゞ自動車のフォワード、日野自動車のレンジャーなどがあります。

メーカー 最大積載量 内寸
UDトラックス(日産) コンドル 4.5t 長さ:620 cm 幅:237 cm 高さ:235 cm
三菱ふそうトラック・バス ファイター 3.0t 長さ:624 cm 幅:221 cm 高さ:231 cm
いすゞ自動車 フォワード 2.9t 長さ:622 cm 幅:241 cm 高さ:240 cm
日野自動車 レンジャー 3.0t 長さ:627 cm 幅:240 cm 高さ:240 cm

大型のウィング車(アルミウィング)には、UDトラックス(日産)のクオン、三菱ふそうトラック・バスのスーパーグレート、いすゞ自動車のギガ、日野自動車のプロフィアなどがあります。

メーカー 最大積載量 内寸
UDトラックス(日産) クオン 12.7t 長さ:960 cm 幅:238 cm 高さ:240 cm
三菱ふそうトラック・バス スーパーグレート 13.6t 長さ:959 cm 幅:241 cm 高さ:265 cm
いすゞ自動車 ギガ 14.2t 長さ:960 cm 幅:240 cm 高さ:267 cm
日野自動車 プロフィア 12.2t 長さ:961 cm 幅:236 cm 高さ:250 cm

※トラッカーズで取扱のあるウィング車(アルミウィング)の実測値を記載しています。
(車両ごと最大積載量とボディ(荷台)の内寸は異なるためおおよその参考値として参照ください)

ウィング車(アルミウィング)の運転免許

ウィング車(アルミウィング)の運転は、運転するウィング車(アルミウィング)の車両重量と最大積載量によって必要になる免許が異なります。

サイズ 車両重量 最大積載量 必要な免許
小型 5t未満 3t未満 普通免許
中型( 8t未満 ) 8t未満 5t未満 中型(8t)限定免許 (H19.6.2以前取得した普通免許)
中型( 5t~11t ) 5t~11t 3t~6.5t 中型免許
大型 11t以上 6.5t以上 大型免許

ウィング車(アルミウィング)へ積んだ荷の固縛(荷締め)

ウィング車(アルミウィング)に運び込まれた荷は、ラッシングベルトとボディに取り付けられたラッシングレールを使ってボディ(荷台)に固定されます。ダンボールなどを積荷が崩れる可能性がある場合は、荷崩れを防ぐために積荷を事前にストレッチフィルムなどを使って固定するなどの工夫をします。

積荷の固定を怠ると、貨物の落下やボディ(荷台)部分の重心の変動によりトラックの横転事故などを引き起こす可能性があるため大変危険です。安全に積荷を運搬するためにも必ず荷の固定をするようにしてください。

実際にラッシングベルトとラッシングレールを使って積荷を固定する手順は以下の3ステップになります。

  1. ラッシングベルトの先端の取り付け器具(ワンピース)をラッシングレールに引っ掛ける。
  2. ラッシングベルトがねじれないように注意しながら、ラッシングレールに固定されている位置から
    45度以内の角度で斜めにかかるよう積荷にかけ、反対側のラッシングレールに取り付け器具(ワンピース)をかける(※ベルトを直線にかけるとラッシングレールの破損の恐れがあるため)
  3. 余ったベルトを引きながらラチェットバックルを数回上下に動かしベルトを締める

ラッシングベルトを使った固定を行う際の注意点として、体重をかけてハンドルを動かすなどで腕力以上のトルクを掛けない、ベルトの安全使用荷重を守る、縫い目のほつれや切れ目が生じている場合は新しいものに取り替えるなどがあります。これらの注意を守らずにラッシングベルトを使用すると、ベルトが切れ荷崩れを起こす可能性が高くなるので注意してください。

ウィング車(アルミウィング)への積載時の注意点

ウィング車(アルミウィング)へ荷を積む際は以下の3点に特に注意する必要があります。

  • ウィングの周りに障害物がないことを確認する
  • ウィングを開く際に左右同時開閉はしない
  • 荷の片積みはしない

ウィングの周りに障害物の確認としては、ウィングの開閉で建物などに当たらないかの周囲の確認ももちろん、熱を持つものがウィングの近くにないかも確認が必要です。ウィングを開いた真上に照明など熱を持つものがあると熱でウィングが変形する恐れがあるので注意が必要です。

また、荷を積む際のウィングの開閉は必ず片方ずつ行う必要があります。左右同時に開閉を行ってしまうと、ウィングを動かすためのモーターに過剰な負荷がかかり、故障の原因になるためです。

ボディ(荷台)に荷を積む際は片積みにならないようバランスに注意してください。比重が片方に集中することで車両が傾きやすくなり、横転事故や車両の破損の原因になる可能性があります。また、積荷を壁面に寄せすぎるとウィングや煽りを閉じることができず、正常にロックできなくなる可能性もあるため、荷はバランスを見て積むようにしましょう。

まとめ

ウィング車(アルミウィング)へ積んだ荷の固縛(荷締め)を怠ると、荷崩れをおこし、積荷の落下やトラックの横転などが起こると大きな事故に繋がる可能性があります。安全な運搬を行うためにも荷の積み下ろし時に、荷が固縛(荷締め)されているかの確認は必ず行うようにしてください。

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