運行管理補助者とは?業務内容や設置するメリットを解説

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運送業の事業所を運営するうえで、運行管理補助者を選任する機会もあると思います。運行管理補助者を選任することで、運行管理者の業務を分担でき、負担の軽減が可能です。とくに運行管理者が少ない場合は、毎日の点呼業務の負担を軽減できるため、選任することをおすすめします。

そこで今回は、運行管理補助者が行える業務内容や選任方法、メリットについて解説していきます。運行管理補助者についての基礎知識を知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

運行管理補助者とは


運行管理補助者とは、運行管理者の業務の一部を補助できる方を指します。

運行管理者とは異なり、事業所に必ず選任する義務はありませんが、運行管理者の人数が少ない場合は、業務補助のために選任されるケースが多いです。

とくに運行管理者が1名しか選任されていない場合、その1名が毎日休まず出勤し続けなければならない事態となり、負担が大きくなってしまいます。運行管理補助者を選任することで、一人に負担が集中することを防ぐことが可能です。

そもそも運行管理者とは

運行管理者とは、運送事業時の安全確保を行う責任者です。自動車運送事業者は、営業所ごとに運行管理者を選任することが義務付けられています。運行管理者の業務内容は、運転手の指導や管理、乗務割の作成、業務開始や終了時の点呼などです。

運行管理者として選任されるためには、運行管理者資格者証の交付を受けなければなりません。交付には、1年以上の実務経験または基礎講習を受講のうえで、該当種別の運行管理者試験に合格する必要があります。

貨物の場合、営業所ごとの配置基準は、保有車両が29台までは1名、それ以降は30台ごとに1名の追加が必要となります。

運行管理補助者が行える業務


運行管理補助者は、運行管理者の補助として業務開始前と終了時の点呼を行うことが可能です。また、運行管理者の指示のもとであれば、運行指示に関する資料作成や運転者に対する伝達行為も行えます。

ただし、運行管理補助者の業務は、運行管理者の管理下で行われることが条件であるため、業務内容に制限があることには注意が必要です。

運行管理補助者に点呼をさせるときのポイント


運行管理補助者に点呼をさせるときには、いくつか見落としがちな注意点が存在します。ここからは、点呼をさせるときのポイントを解説します。

点呼時に運転手に問題がないかを確認する

点呼時に大切なことは、運転手に問題がないかを漏れなく確認することです。点呼で問題がなければ運転手は業務を開始できますが、何かしらの問題があれば運行管理者の確認が取れるまで、業務を開始させてはいけません。

問題がないかを確認するために、以下に該当するかどうかを中心にチェックをしましょう。

・運転者が酒気帯びの状況ではないか
・疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転に支障がでる状態ではないか
・無免許運転、大型自動車等無資格運転ではないか
・過積載運行ではないか
・速度違反行為をしていないか

上記の項目を漏れなく確認し、該当者がいた場合は、業務を開始させないようにしてください。

問題があった場合は運行管理者に連絡し判断させる

もし点呼時に疑われる項目があれば、必ず運行管理者の指示を受ける必要があります。運行管理者が不在の場合でも、運行管理補助者が直接業務可能かの判断や指示を出すことはできません。そのため、外出中や休日であったとしても、運行管理者に連絡を取り、判断の指示を受けてください。

もしも、運行管理者との連絡がつかない場合は、運行管理補助者は自分だけで判断せず、必ず連絡が取れるまで対象のドライバーには待機してもらいましょう。

点呼は総回数の3分の2未満しか行えない

運行管理補助者が点呼を実施できる回数には制限があり、月の総回数に対して3分の2未満までと決められています。ここで注意が必要なのは、日数ではなく回数ということです。

例えば、運転手1人につき、最低でも開始・終了と2回の点呼を行うため、運転手が1か月間で20日間の乗務がある場合は、最低でも40回の点呼が必要となります。

運転手が3人いる場合は、1か月間で40回x3人で、最低でも合計120回の点呼を行うことになるため、このうち運行管理補助者が行えるのは、120回の3分の2未満にあたる、79回までとなります。

補助者が行う点呼は開始・終了のいずれかに偏っても問題はないため、この場合は、開始・終了のどちらかは必ず運行管理者が点呼を行い、もう片方を運行管理補助者が行うなどして、回数の制限を超えないように調整することが可能です。

すべての点呼を運行管理補助者が実施できないため、運行管理者とスケジュール管理を行い、回数の調整を行いましょう。

運行管理補助者を選任する条件や方法とは


運行管理補助者になるためにはいくつかの条件があります。ここからは、運行管理補助者になるための条件や、事業者が選任する方法を紹介していきます。

運行管理補助者になるための要件

運行管理補助者になるためには、運行管理者の基礎講習を修了するか、運行管理者資格者証を取得する必要があります。

運行管理者資格者証の取得には、基礎講習の受講や実務経験が必要となるため、運行管理者の基礎講習を修了して運行管理補助者になる方が多いです。

運行管理者の基礎講習を受講できる場所として一般的なのは、「自動車事故対策機構(NASVA)」です。日本全国に支所があり、各所で年間を通して開講されています。

行政への手続きは不要だが職務内容などの記載は必要

貨物の事業者の場合、運行管理補助者の選任届を提出する必要はありません。一方、貸切バス事業者は、2016年の法改正から補助者も選任届の提出が義務付けられました。

ただし、貨物事業者の運行管理補助者であっても、選定方法や業務内容を運行管理規定に記載する必要があります。また、選任者の氏名を事業所内の目立つところに掲示して周知しなければなりません。

運行管理補助者を設置する2つのメリット


運行管理補助者を設置することには、メリットがいくつかあります。今回は、その中でも代表的な2つを紹介します。

一般講習の受講義務がない

メリットの1つ目は、一般講習の受講義務がないことです。

運行管理者の場合、基礎講習受講後に運行管理者試験に合格した者か、もしくは5年以上の実務経験に加えて5回以上所定の講習を受講し、運行管理者資格を取得した者しか選任できませんが、運行管理補助者の場合、基礎講習の受講者であれば選任できます。また、運行管理者に必要な2年に1度の一般講習の受講義務も運行管理補助者にはありません。

実務経験や試験、一般講習の受講回数などに関する条件がないため、条件を満たしやすい点がメリットです。また、基礎講習の受講期間は3日間となり、費用も8,900円であるため、コストも少なく済みます。

複数の営業所で兼任させられる

メリットの2つ目は、運行管理補助者は複数の営業所での兼任が可能なことです。

運行管理者は、複数の営業所で兼任できません。一方で運行管理補助者は、無理のない範囲であれば、複数の事業所での兼任が可能です。事業内の人員が限られている場合は、あえて必要数以上の運行管理者を複数人設置せずに、運行管理補助者として兼任させることも可能です。

また、運行管理者に選任されている人員でも、無理のない範囲であれば、他の営業所の運行管理補助者に選任し、兼任させることは可能です。

運行管理者と運行管理補助者を上手く組み合わせることで、柔軟な人員配置が可能となります。

貸切バスの事業者が運行管理補助者を選任する場合は注意が必要


貸切バスなどの旅客事業も行っている場合、運行管理補助者についてのルールが貨物と違う部分があります。気づかずに運用してしまうと違反になる可能性があるため、しっかりと違いを把握しておきましょう。

旅客の運行管理補助者は運輸支局への届出が必要

貸切バスなどの旅客事業者は、運行管理補助者を選任した際、運輸支局に選任届を提出する必要があります。また、解任した場合も同じように届出を出さなければなりません。

運行管理補助者を選任するかどうかは任意ですが、選任または解任した際には届出が必要であることは覚えておきましょう。

旅客と貨物それぞれの基礎講習を受けてもらう必要がある

旅客と貨物で運行管理補助者を兼任できますが、それぞれ受講しなければいけない基礎講習が異なります。旅客の運行管理補助者になるためには旅客の基礎講習を、貨物の運行管理補助者になるためには貨物の基礎講習を受ける必要があります。

それぞれ該当する講習を受けなければ、運行管理補助者の業務は行えないので注意が必要です。

ただし、運行管理者資格者証の保持者は、貨物、旅客どちらであっても、運行管理補助者になることが可能です。

必要に応じて運行管理補助者を設置しよう


運行管理補助者の選任は義務ではないため、選任していない事業者もあります。しかし、運行管理者の負担軽減や運行業務の効率化のためにも、必要に応じて運行管理補助者を選任することをおすすめします。

また、運行管理者や運行管理補助者が行う運送管理業務の効率化には、トラッカーズマネージャーを利用してみてください。無料お試しプランもあるため、ぜひ一度ご検討ください。

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