運行管理者試験の合格率や難易度を解説!効率のよい勉強方法も紹介

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運行管理者は、運輸業や輸送業の安全な運営には欠かせないポジションです。

運行管理者になるためには国家資格を取得する必要がありますが、はじめて試験を受ける方やこれから資格取得を検討している方の中には、試験の難易度や勉強方法に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、運行管理者試験の概要や合格率、合格するためにおすすめの勉強法について解説します。

運行管理者とは?


運行管理者とは、自動車運送業者の安全を確保するために設けられている国家資格です。

運行管理者になるためには、運行管理者試験に合格するか、必要な実務経験などを満たしている必要があります。

自動車運送事業者には、営業所ごとの車両台数に応じて一定数以上の運行管理者の選任が義務付けられています。

そのため、運行管理者の資格を取得すれば、自動車運送業で働くうえで有利になる場面も増えるでしょう。

運行管理者の仕事内容

運行管理者の仕事は、運送業者の運転者が安全に運行できるように、責任を持って管理することです。例えば、適切な時間配分の乗務割の作成や、運転者が適切に休憩や仮眠が取れるように施設を管理することなどが挙げられます。

また運転者の指導監督や、点呼によって運転者の健康や疲労状態を確認し、安全な運行を指示することも重要な仕事の1つです。

自動車の運転には常に危険が伴うので、運転者と周りの安全を守るために徹底した管理を行う必要があります。

とくに事業として自動車を使用する場合、もしも事故やトラブルにあった際は会社の信用低下にもつながるため、未然に事故を防ぐためにも重要な仕事であるといえます。

運行管理者を目指すためのルート


運行管理者になるためには運行管理者の資格者証を取得する必要があり、その方法には以下の2つのルートがあります。

1.試験に合格する
2.一定の条件を満たす

1つ目のルートは、運行管理者試験を受けて合格することです。

運行管理者試験を受験するためには、1年以上の実務経験を積んでいるか、実務経験と同等の講習を修了している必要があります。

2つ目のルートは、一定の条件を満たしていることです。

5年以上の実務経験があり、かつ基礎講習や一般講習を修了している必要があります。どちらの条件も満たしていれば、指定された書類の提出により資格取得が可能です。

運行管理者試験を受けて合格すれば5年以上の実務経験がなくとも運行管理者になれるため、実務経験が足りない場合は運転管理者試験での合格を目指しましょう。

運行管理者試験の概要


運行管理者試験とは、運行管理者になるための資格試験です。公益財団法人運行管理者試験センターが主催していて、通常は年に2回実施されます。

ここからは、試験の詳細について解説していきます。

受験資格

運行管理者試験は、誰でも受験できる訳ではありません。一定の受験資格を満たす必要があるため、事前に確認が必要です。

運行管理者試験の受験資格は、次の2つのうちどちらか1つを満たしている必要があります。

①1年以上の実務経験
運行管理での実務経験が1年以上あれば、受験が認められます。具体的には、貨物軽自動車運送事業を除いた自動車運送事業者の事業用自動車、または特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車の運行管理です。

②基礎講習の修了
国土交通大臣の認定を受けている講習実施機関で基礎講習を修了していれば、受験が認められます。ただし、内容は貨物と旅客の2種類あるため、対応する講習を選んで受講しましょう。

試験日程

運行管理者試験は、2〜3月頃と8〜9月頃の年に2回実施されています。

令和2年に紙の筆記試験からCBT試験に移行し、期間内の希望日にテストセンターにてパソコンで受験する方式となりました。

申し込みは専用サイトからのインターネット申請のみとなります。

参考:新規受験申請サイト

試験の内容

運行管理者試験は、貨物と旅客で2つの内容に分かれます。貨物は運送や物流を担うトラックが対象になり、旅客は人を運ぶタクシーやバスなどが対象です。

貨物・旅客どちらの試験も合計で30問出題され、回答方法は選択式です。総得点が満点の60%以上、つまり30問中18問以上に正解すれば合格となります。
出題分野ごとに最低限必要な正答数も決められているため、全体について幅広く理解しておく必要があります。

運行管理者試験を申し込む流れ


運行管理者試験を申し込むときは、どのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、運行管理者試験に申し込みをするときに必要なことや、その流れについて解説します。

1.運行管理者等基礎講習を受ける

運行管理者の試験を受験するには、法令や業務の基本的な内容を学ぶための基礎講習を受ける必要があります。

講習の種類は「貨物」と「旅客」に分かれているため、自分が必要とする資格がどちらに該当するのかを確認し、対応する基礎講習を修了する必要があります。

基礎講習を修了すると基礎講習修了証が発行されるため、そのまま運行管理者試験の手続きに進むことができます。

2.運行管理者試験を申し込む

運行管理者試験の申込手続きは、インターネットで行います。CBT試験の新規受験申請は、Web上で行うため、パソコンかスマートフォンでの手続きが必要です。また、電子メールアドレスの入力が必要なため、事前に準備しておきましょう。

申込時には本人確認書類と顔写真を提出しなければならないため、事前に準備し、電子ファイルとして保管しておくとスムーズに作業ができるでしょう。

運行管理者試験の合格率


運行管理者試験を受ける方の中には、試験の難易度が気になる方も多いでしょう。ここでは、運行管理者試験の合格率を、貨物・旅客それぞれで紹介します。

運行管理者試験・貨物の合格率推移

過去5年間の、運行管理者試験の貨物試験における合格率を確認していきましょう。合格率は多少変動しますが、平均は34.3%で比較的安定しています。最も高かったのは令和2年度 第2回の43.9%、最も低かったのはその翌年の令和3年度 第1回で29.8%です。

運行管理者試験・貨物に合格するためのポイント

貨物では、「貨物自動車運送事業法」の内容に基づいて出題されます。出題分野とそれぞれの出題数は下の表のとおりです。

参考:新規受験概要|受験概要|公益財団法人 運行管理者試験センター

安全面に関する内容はもちろん必要ですが、人数や日数などの具体的な数字を覚えておくことも重要です。また試験自体の難易度は高いため、基礎講習を受講したらすぐに受験することをおすすめします。

運行管理者試験・旅客の合格率推移

過去5年間の、運行管理者試験の旅客試験の合格率です。合格率の平均は36.0%と、貨物よりもやや高い傾向にあります。最も高かったのは令和2年度 第2回の47.4%、最も低かったのはその前回の令和2年度 第1回で31.2%となります。

運行管理者試験・旅客に合格するためのポイント

旅客では、「道路運送法」の内容に基づいて出題されます。出題分野とそれぞれの出題数は下の表のとおりです。

参考:新規受験概要|受験概要|公益財団法人 運行管理者試験センター

貨物の試験と同じく選択式の試験ですが、人数や日数などの具体的な数字を覚えておく必要があります。

運行管理者試験の合格ライン(貨物・旅客共通)

試験の対策をする前に、合格ラインについても確認しておきましょう。

運行管理者試験の合格基準は、次の1と2の基準を満たすこととされています。

1.合計点数が満点の60%(30問中18問)以上あること。
2.出題分野の(1)道路運送法関係、(2)道路運送車両法関係、(3)道路交通法関係、(4)労働基準法関係はそれぞれ正解が1問以上あり、「(5)その他運行管理者の業務に関して必要な実務上の知識・能力」については2問以上の正解があること。

参考:新規受験概要|受験概要|公益財団法人 運行管理者試験センター

つまり、特定の出題範囲に山を張って対策するのではなく、全範囲を対策する必要があります。

また、(5)だけは法律の内容ではないため、内容の範囲が広いです。過去問を中心にしっかりと対策をしましょう。

運行管理者試験の難易度が上がったといわれる理由


運行管理者試験の難易度が上昇した理由は公表されていませんが、要因の1つに平成28年に起きた軽井沢スキーバス転落事故があると考えられています。

多数の死傷者が発生した事故でしたが、事故原因として「事故を起こしたバス運転手の労働環境や運転技量に問題があったのではないか」との声があがりました。

そして、この事故の影響を受け有識者委員会が発足し、バス事業者・旅行業者に乗客の安全・安心を最優先とする旨の指導が実施されました。

この指導の一環として、バス運転手の管理を徹底できるように、運行管理者の合格難易度も上昇したとされています。

運行管理者試験に合格するための勉強法


では、実際に運行管理者試験に合格するためには、どのように準備をすれば良いのでしょうか?時間がない中でも効率的に合格する可能性を上げるための勉強法を紹介します。

無駄なく理解しやすいテキストで勉強する

運行管理者試験では法律関連の設問が多いですが、一から法律を勉強していると、時間が足りなくなってしまうため、効率よく学べる教材を選びましょう。試験によくでるポイントがまとめられている教材であれば、効率よく勉強するために役立ちます。

とくに運行管理者試験は仕事を続けながら勉強をする人が多いため、少ない勉強時間を無駄にしないことも大切です。

まずは効率的に勉強できる、自分にあったわかりやすい教材を揃えましょう。

過去問を解く

運行管理者試験の特徴は、過去の試験と似た問題が多い傾向にあることです。そのため、過去問を多く解くことも有効な勉強法といえるでしょう。

ある程度の知識をインプットしたら、過去問に取り組んでいくことがおすすめです。数年分を何度も繰り返し解き直しましょう。反復して問題を解いていくことで、試験の傾向にも慣れていきます。

自分のレベルや苦手な分野が見えてきたら、そこを重点的に学び直します。そうすることで本番の形式に慣れ、試験範囲も網羅的に理解できるでしょう。

ただし、法改正などに対応するために、テキストは必ず最新版のものを選ぶことが大切です。

CTB試験対策をする

運行管理者試験では、令和3年度第1回からパソコンを使って試験に解答する「CBT試験」に全面移行されました。

パソコンを普段から使い慣れていても、CBT試験がどのような形式なのかを理解していなければ、普段以上に回答に時間がかかってしまう可能性があります。

そのため、受験前にCBT試験の方法を、パンフレットを読んで理解しておくことが大切です。とくに、普段パソコンをあまり使わないという方は、試験までに操作に慣れておく必要があるでしょう。

公益財団法人 運行管理者試験センターの公式サイトにCBT試験のサンプルテストが掲載されているので、事前にテストを受けてCBT方式の試験に慣れておくことをおすすめします。

参考:CBT試験の体験版はこちらから

効率よく勉強し運行管理者試験の合格を目指そう


運行管理者の資格を取得しておくことで、運送業などで働くうえで、キャリアアップにつながるなどのメリットがあります。

運行管理者試験は難易度が比較的高いため、効率的に対策をして、運行管理者を目指しましょう。

また運行管理者として選任された場合には、さまざまな管理業務が必要となり、工数がかかります。

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