オイルフィルターの値段は?製品・依頼先ごとの費用を解説

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オイルフィルターは機能や種類によって、値段が大きく異なります。しかし、車検やメンテナンスを、お店に任せ切りにしていると、オイルフィルターそのものの値段が分かりにくくなってしまうかもしれません。そこで本記事では、オイルフィルターの値段を、種類や交換の依頼先ごとに紹介します。

オイルフィルターってどんなもの?

オイルフィルターはエンジン周りのパーツを、滑らかに稼働させるためには欠かせないものです。 フィルターを通さずにオイルを循環させてしまうことで、オイルに不純物が混ざり、各パーツに大きな負担をかけてしまいます。つまり、エンジンをはじめとした部品の劣化を遅らせることがオイルフィルターを使用する理由といえるのです。 本章では、オイルフィルターというパーツについて深く知っていただくため、その構造や種類を紹介します。

オイルフィルターの構造

オイルフィルターの役割は、オイルから不純物を取り除き清潔に保つことです。オイルはオイルフィルターを通してろ過され、エンジンをはじめとした各パーツに循環します。 オイルフィルターの構造は、種類によって異なるため、ここでは最も多く使用されている「フルフロータイプ」に沿って解説します。フルフロータイプのオイルフィルターは、以下5つのパーツから成っています。

  • エレメント
  • リリーフバルブ
  • ガスケット
  • アンチドレーン弁
  • サポートスプリング

エレメントとは、エンジンオイル内に混ざった不純物を取り除く「ろ紙」のことです。リリーフバルブとはエレメントが詰まりを解消する「弁」。 ガスケットとは、オイルフィルターからオイルが溢れ出てしまわないよう、気密性を保つパーツです。アンチドレーン弁には、オイルの逆流を防ぐ働きがあり、サポートスプリングは、ろ紙が自動車の揺れによって動かないよう固定する役割を担っています。 上記5つのパーツは、どれか一つでも不具合が生じると、エンジンオイルを正常に循環させることができなくなってしまう、非常に重要な部品です。

オイルフィルターの種類は3つ

オイルフィルターには「コンビネーション型」「フルフロータイプ」「併用タイプ」といった3種類があります。3種類はそれぞれ、使用される自動車や特徴が異なります。自分の車に適合していないオイルフィルターを使用すると、不具合の原因となるため、しっかりと確認する必要があります。 各特徴について、以下で解説するので参考にしてください。

コンビネーション型

「コンビネーション型」のオイルフィルターは、ディーゼル車で広く使用されている製品です。フィルターとは別にバイパスを併用することで、フルフロータイプではろ過しきれない不純物まで、しっかりと除去できます。 フィルターとバイパスとが一つになっていることが「コンビネーション型」の特徴です。コンパクトであるため、エンジンルームで場所をとりません。しかし、内部構造は3種類のなかで最も複雑とされています。素人がメンテナンスをするのは難しいタイプといえるでしょう。

フルフロータイプ

フルフロータイプのオイルフィルターで、主にガソリン車で使用されています。構造の部分でも解説しましたが、フルフロータイプは最も多く採用されているオイルフィルターでもあります。 フルフロータイプの特徴は、ろ紙の抵抗が少ないことや、適切な油圧を確保できることにあります。それによって、摩擦で生じる不純物をろ過しているのがフルフロータイプということです。 また、コンビネーションタイプと比べると、構造がシンプルであることも特徴の1つでしょう。

併用タイプ

「併用タイプ」は、フルフロータイプとバイパスを併用したものであり、ディーゼル車に多く使用されているオイルフィルターです。機能としては、コンビネーションタイプと同様ですが、フィルターとバイパスとが別に設置されています。 コンビネーションタイプと同様に、ろ過性能が高いという特徴があります。しかし採用する場合は、サイズが大きくエンジンルームで場所をとってしまうといった欠点に考慮しなければなりません。

オイルフィルター交換の時期は?

エンジンオイルには汚れはもちろんこと、摩擦によって生じる金属粉なども混入します。それらを除去するオイルフィルターは、当然ながら時間とともに不純物が溜まっていきます。 そのため、オイルフィルターは定期的な交換を必要とするパーツです。交換せずにオイルフィルターを使い続けることで、ろ過機能が落ち、エンジン全体に悪影響を及ぼす恐れがあります。 基本的にオイルフィルターの交換は、エンジンオイルを交換するタイミングで実施することが多いです。しかし、エンジンオイルを交換する都度、フィルターも交換するわけではありません。大抵の場合は、オイル交換2回につき、フィルター交換1回くらいのペースで問題ないでしょう。

オイルフィルターの値段は?

オイルフィルターは、当然ながら製品によって値段が異なります。オイルフィルターは製品ごとに「通常の製品」「高機能製品」「外車用の製品」といった、3つに分類できます。 本章では、3つそれぞれの特徴と合わせて、おおよその値段を解説します。オイルフィルター本体の金額を知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

通常の製品

通常製品に分類されるオイルフィルターの中にも、自動車メーカーが販売している「純正」のものと、そうでない「非純正」の製品があります。両者については、後ほど詳しく解説しますが、どちらの場合でもオイルフィルター本体の値段は1,000〜2,000円が相場です。機能としては、最もスタンダードな製品です。 自動車のパーツとしては、それほど高額な製品ではないため、定期的に交換する場合でもそれほど経済的な負担はないでしょう。

高機能な製品

オイルフィルターのなかには、通常の製品よりも「高機能」な製品もあります。平均的な値段は、1,500〜2,500円ほどです。 通常製品との違いは、細かな金属片なども除去する「マグネット」が搭載されている、エレメントの強度が高いといった機能が追加されている点にあります。高強度を誇るエレメントの場合は、使う素材にこだわりが見られます。具体的には、合成繊維とセルロースをブレンドしている製品などは、強度が高いとされています。 複数のグレードに分けて商品を展開しているメーカーもあり、その場合は、金額が上がるほど既出の機能が追加されたり、性能が上がったりします。

外車用の製品

オイルフィルターのなかには、輸入車(外車)専用と書かれた製品もあります。本体の値段は1,500〜3,500円ほどと平均価格に開きがあります。 性能が上がり、機能が追加されるほど金額が高くなりますが、車のサイズによっても変動します。基本的には車体が大きな車ほど、オイルフィルターの値段も上がるとされています。 自分の車に必要な機能を見極め、製品を選ぶ必要があるでしょう。

交換場所による費用の違い

オイルフィルターは交換する場所によっても、費用が変動することがあります。しかし、依頼先によって全く費用が異なるということではなく、大抵は1,000〜3,000円ほどです。 この料金は交換作業にかかる費用なので、実際には部品代が加算された金額を請求されるでしょう。本章ではオイルフィルターの交換を依頼する場所として、一般的である「ガソリンスタンド」「ディーラー」「カー用品店」の3つを比較します。

ガソリンスタンドの場合

ガソリンスタンドでオイルフィルターの交換を依頼する場合は、1,000円〜であることが一般的です。この金額に、先ほど紹介した「オイルフィルター本体の費用」を合わせた金額が、交換費用と考えてください。 ガソリンスタンドにて、オイルフィルターを交換する場合は、事前予約をせずに作業を依頼できるというメリットがあります。洗車や給油のついでに、オイルフィルターを交換できるため手軽です。 しかし、ガソリンスタンドの場合は、車種に対する専門知識を有したスタッフが交換作業を担当するわけではありません。ガソリンスタンドへ依頼する場合は、この点を踏まえておきましょう。

ディーラーの場合

信頼できるところでオイルフィルターを交換して欲しいという方におすすめの方法が「ディーラー」へ依頼することです。交換作業にかかる費用は1,000〜3,000円と開きがありますが、その分、自社で取り扱う車種への知識が豊富であるため、信頼性は高いでしょう。 それぞれの車種に最も適した製品や交換方法を提案してもらえる点も、ディーラーの強みといえます。しかし、他の方法よりも費用が高くなってしまう傾向がある点は留意してください。ディーラーへの依頼は、技術に対して「質」を求める方に向いている方法です。

カー用品店の場合

カー用品店でも、オイルフィルターの交換作業を依頼できます。その場合、費用は1,000円〜であることが一般的です。カー用品店へ依頼するメリットは、なんといっても作業時間が短い点が挙げられます。 また、多種多様な製品が揃っているため、自分の車により適したものを選べます。店舗によってポイントカードや会員制を採用しているため、割引が適用されることもあります。近くのカー用品店で確認してみてください。

オイルフィルターの選び方

これまでの内容から、オイルフィルターにはさまざまな種類があるとお分かりいただけたでしょう。たくさんの製品があると、いったいどれを購入すればよいのか迷ってしまいますよね。 本章では、オイルフィルターを選ぶ際の基準として「純正or非純正」「機能」の2点を紹介します。採用する製品に悩んでいる方は、ぜひオイルフィルター選びの参考にしてください。

純正か非純正か

前述したようにオイルフィルターには、自動車メーカーが販売している「純正」の製品と、そうでない「非純正」の製品とがあります。 もちろん、どちらの製品を使用することもできますが、非純正の製品はよく吟味しなければならないこともあります。非純正のなかにも、純正のものと大きな差がない製品があることも事実です。非純正の製品を選ぶ際は、この点に考慮しましょう。 また、非純正のオイルフィルターを購入する場合は、自分の車に適合するタイプのものか、事前に確認してください。自分の車に適合する製品は「(型式)オイルフィルター」などで検索することで調べられます。

機能で選ぶ

オイルフィルターについている機能から、製品を選ぶこともおすすめです。オイルフィルターの機能としては、以下3つのタイプがあります。

  • スポーツタイプ
  • マグネット搭載タイプ
  • 多構造タイプ

それぞれ特徴が異なるので、以下で解説していきます。自分の車に必要なのは、どのような機能であるのか確認したうえで、製品を選んでください。

スポーツタイプ

オイルフィルターのなかでも「スポーツタイプ」と呼ばれる製品は、名前の通り「スポーツ走行(カーレースなど)」をおこなう車に採用されるものです。このような車は通常よりもスピードを出すため、エンジンの温度が上がりやすいことへの対策として、粘度の高いエンジンオイルが使用されています。 スポーツタイプのオイルフィルターは、このようなエンジンオイルにも対応するために開発された商品です。

マグネット搭載タイプ

オイルフィルターのなかには「マグネット搭載タイプ」と呼ばれる製品があります。 エンジンオイル内に含まれる、鉄粉や金属片を効率的に除去するため、フィルターにマグネットが搭載されたものです。金属類は、エレメントでは除去しきれない場合が多いため、このような製品が使われます。より多くの不純物を除去できる点が魅力です。

多構造タイプ

エレメントを何重にも重ねているオイルフィルターを「多構造タイプ」と呼びます。 重ねられるエレメントは、それぞれ網目の細かさが異なるため、小さな汚れも除去することができます。また、エンジン内に一定量のオイルを流しやすいといった特徴もあります。エンジン性能の維持が容易であることが、多構造タイプの強みといえるでしょう。

オイルフィルター交換における注意点は?

オイルフィルターは自分でDIYすることでも交換できるパーツです。セルフで交換するため、材料費のみで済むといったメリットがあります。 しかし、この方法には以下のような注意点もあります。

  • フィルターを外した後、取り付けていた部分をしっかりと清掃する
  • 新品のオイルフィルターのパッキン部分にはオイルを塗る
  • オイル漏れがないか、しっかりとチェックする

セルフでオイルフィルターを交換する際は、上記の点に注意してください。

値段を把握し、オイルフィルターを交換しよう

オイルフィルターの値段について解説しました。オイルフィルターは、交換作業にかかる工賃や部品代などに大きな差がなく、比較的安価なパーツです。ディーラーはもちろんですが、ガソリンスタンドやカー用品店などでも交換を依頼できるといった手軽さもあります。 そのため、適度に交換作業をおこない、オイルを清潔な状態に保っておきましょう。

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