特車申請のやり方とは?申請方法や承認までの流れを解説!

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初めて特車申請をおこなう際は、やり方がわからないケースも多いでしょう。一定の基準を超える車両が公道を走る場合に必要となる特車申請ですが、本記事ではそのやり方や流れ、違反した際の罰則、費用などを解説します。 これから特車の申請をおこなう方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも特車申請とは

特殊車両と判断される車両が公道を走る場合には、事前に申請しておかなければなりません。どのような車両がどの経路を通るのかについて管理しておくための申請は、道路をより安全に使用するために欠かせないものです。 この申請を「特車申請」と呼びます。しかし、特車申請は「マイナーな制度」とされており、多くの方に認知されていません。そこで本章では、特車申請について制度の概要や違反した際の罰則などを解説します。

一定基準以上の車両に必要な申請

特車申請とは、上で説明したとおり制限値を超える「特殊車両」が公道を走る場合、事前に車両の情報や経路を申告するための「申請書」のことです。 自治体はこの申請書によって「いつ、どこの道路を、どんな車両が走るのか」を管理します。走行する車両を管理し、場合によっては制限を設けることで、道路の劣化速度を把握することが可能です。 道路がどの程度劣化しているのか予測できることで、メンテナンスが必要となるタイミングを決められます。 つまり、特車申請の提出は、道路の状態を管理し、安全に利用するために必要な制度なのです。

特車とされる車両の特徴

すべての人が道路を安全に使用できるように定められた「特車申請」ですが、まだまだマイナーな制度であり、走行している特殊車両の全てがしっかりと申請しているわけではありません。 また中には、そもそも自身の運転している(保有している)車両が「特殊車両」に分類されることを知らなかったという方もいます。知らず知らずのうちに違反してしまうことのないように、特殊車両に含められる車両の特徴を解説します。 特車とされる車の特徴には、以下の3つがあります。

  • 車両の種類が特殊である
  • 車両の構造が特殊である
  • 運ぶ荷物が特殊である

「特殊」と判断される車両には、次のようなものが含まれます。

  • 単車
  • トラッククレーン
  • フルトレーラ
  • セミトレーラ
  • 特例5車種

そして「構造」が特殊であると判断される車両は、自走式の「建設機械」やトレーラ連結車の一部(バン型、コンテナ用、タンク型、幌枠型、自動車の運搬用)といったものが含まれます。 さらに「あおり型」「スタンション型」「船底型」などの3車種も、特殊車両に該当します。 運ぶ荷物が特殊であるとされる車両は、次のような荷物を運ぶトラックのことです。

  • 電車の車体
  • 電柱
  • 建設機械
  • 大型発電機

上記はあくまでも一例なので、その他の荷物でも「特殊」と判断される可能性はあります。

違反した場合の罰則

自身が運転しているまたは、保有している車が「特殊車両である」場合は、取り締まりの際に許可証を保持していなければ、罰則を受けます。 取り締まりは行政だけでなく、高速道路を管理している『NEXCO(ネクスコ)』もおこなっています。行政とは別に罰則を設けているため、併せて確認しておきましょう。

懲役または罰金

特車申請をせずに、特殊車両を走行させてしまった場合、行政からは違反内容に応じて次のような罰則が科されます。

違反内容

罰則

通行禁止または制限があるにもかかわらず、車両の走行させた

6ヶ月以下の懲役

または30万円以下の罰金

道路管理者(または道路監理員)による通行中止命令に違反した

6ヶ月以下の懲役

または30万円以下の罰金

一定の制限を超える車両を許可なく走行させた

100万円以下の罰金

許可証を備えていない車両を走行させた

100万円以下の罰金

制限以上の車両を走行させてかつ、中止や重量の軽減といった命令に違反した

50万円以下の罰金

罰則が科される対象は、ドライバーだけでなく運営会社にも及ぶ可能性があります。最大100万円の罰金や懲役となる可能性があるため、特殊車両を走行させる際は、しっかりと申請をしましょう。

ETCにまつわる罰則

前述したように、特車申請に関する取り締まりは『NEXCO(ネクスコ)』もおこなっています。NEXCOから課される罰則としては、次のようなものが考えられます。

  • コーポレートカードに点数が加
  • 運送会社組合全体にも点数が加点

加算される点数は違反内容によって異なりますが、いずれにしても罰則が設けられることには変わりありません。 また、このように違反点が増えてしまうことで、最終的には一定期間、NEXCOから発行されている「ETCコーポレートカード」の使用停止の措置がされるケースもあります。特殊車両を保有している場合は、くれぐれも注意しましょう。

特車申請のやり方

特車申請に関する制度はまだまだマイナーです。そのため、申請の方法についても詳しくは知らない方が多いかもしれません。 そこで本章では、特車申請のやり方について解説します。オンラインと窓口、それぞれの方法や必要書類、受付可能な窓口を紹介するので、これから特車申請をおこなう方は参考にしてください。

オンラインまたは窓口

特車申請をおこなう場合は、オンラインと窓口、2つのうち申請しやすい方法を選べます。 オンラインで申請をする場合には「特殊車両システム」を使用することで、インターネットから申請書などを提出することが可能です。 会社情報や車両情報、経路情報などを入力することで申請できるため、比較的手軽な方法といえます。しかし、経路の確認など事前準備も必要となるので、しっかり準備をしておきましょう。 窓口に直接出向くことでも、申請書を提出できます。また、行政書士に依頼して代理で申請してもらうことも可能です。 申請に必要な書類 以下に記載しているものが、特車申請に必要な書類です。不足することのないよう注意しましょう。

  • 特殊車両通行許可申請書
  • 車両に関する説明書(※1)
  • 通行経路表
  • 経路図+申請車両数(※2)
  • 自動車検査証の写し(※3)
  • 車両内訳書(※4)

※1 新規格車の場合は不要 ※2 新規格車の場合は2部必要 ※3 オンライン申請の場合は不要 ※4 包括申請の場合に必要 包括申請とは、申請する車両の台数が2台以上である場合におこなわれる申請手続きのことです。

受付可能な窓口

受付可能な窓口自体は全国にありますが、具体的にどこへ書類を提出すべきなのかは、以下を参考にしてください。

  • 国土交通省所管の道路管理担当事務所(一括申請可・オンライン申請可)
  • 都道府県・指定市(一括申請可)
  • 市区町村(一括申請可)

通行経路に含まれている「道路管理者」以外では、特車申請を受理できません。申請をおこなう際は、この点に注意しましょう。

申請〜承認までの流れ

ここからは、実際に特車申請をおこなう際の「流れ」についての解説を進めていきます。申請書を提出するまでの流れは「車両に許可が必要なのかの確認」「自社または外注か検討」「経路と車検証の準備」の3ステップです。 その後書類を提出し、審査が始まります。ここからは結果を待つだけであるため、審査にかかる期間を解説します。

車両に許可が必要なのか確認する

まずは自身が保有している(または運転する)車両が「特殊車両」に分類されるのか否かを確認しましょう。特殊車両と判断されるものは、以下一覧の制限値をオーバーしている車両のことです。

  制限値
長さ 12m
2.5m
高さ 3.8m ※高さ指定道路4.1m
輪荷重 5t
軸重 10t
2つの軸重合計軸距1.8m未満 18t
2つの軸重合計軸距1.8m以上 20t
最小回転半径 12m
総重量(※) 20t

※総重量とは、車両重量+積載物重量+乗員で求められます

自社または外注か検討する

申請が必要であると判断された場合は、次に自身で申請するのか、行政書士(外部)に委託するのか検討します。 自身で申請をする場合は、必要書類などをすべて自分で揃えなくてはいけません。また、窓口は平日限定で開放されているため、時間を確保する必要もあるでしょう。その代わり、必要な費用が手数料のみで済むため、金銭的なコストを抑えられます。 行政書士へ依頼する場合は、書類の作成や手続きを代行してもらえる代わりに、手数料とは別に費用が発生します。時間的コストを抑えられる代わりに、金銭的なコストがかかるので注意しましょう。

経路と車検証を準備する

行政書士へ依頼する場合でも、自身で申請をおこなう場合でも、経路と車検証の準備は必要です。経路を準備するといっても、説明するための書類には書式などの規定がありません。 どのような書き方であっても構わないということです。行政書士へ依頼する場合は、最低限「出発地」と「目的地」のみ決めておけば大きな問題はないでしょう。

承認までの期間

必要書類がすべて用意できたら、申請書を提出します。その後は、承認されるのを待つのみです。申請方法や経路、車両によって承認が降りるまでの期間はまちまちで、早ければ1週間程度で承認されますが、審査に数ヶ月かかってしまうケースもあります。 何度か特車申請をおこなっていくうちに「早く許可が出そう」「この申請は時間かかりそう」とかいったことが、段々わかってくるでしょう。

オンラインで申請する場合のマニュアル

オンラインで申請をおこなう場合についても、具体的な流れを解説します。「特殊車両システム」を使って、オンラインで申請書を提出する場合は、次のような流れで承認まで進みます。

  • 申請書情報の入力
  • 積載貨物情報入力
  • 車両情報の入力
  • 経路情報入力
  • 未収録路線を含む経路の作成方法
  • 簡易算定

それぞれの段階で記入すべき内容や、入力方法については「特殊車両通行許可制度オンライン申請システム」で確認してください。

特車申請にかかる費用

特車申請をする際、経路や車両の台数によって発生する費用が変わります。また、自身で申請をおこなうか、行政書士へ依頼するのかによっても、金額に大きな差があるでしょう。 手数料や行政書士への依頼料など、特車申請に必要な費用について本章で解説します。初めて特車申請をおこなう方は、用意しておくべき費用をここで確認しておいてください。

自分で申請する場合は手数料のみ

自分で申請をおこなうのであれば、行政へ支払う手数料しかかかりません。手数料の金額は申請車両台数と申請経路数によって異なるので、以下の方法で具体的な費用を計算してみてください。

(申請車両台数×申請経路数)×200円

200円と聞くと非常にやすいように感じますが、車両台数や経路数が増えると、やはりそれなりの費用になります。

行政書士の利用前に見積もりをとる

行政書士へ依頼した場合は、手数料とは別に費用が発生します。具体的な費用は依頼する事務所によってまちまちなため、一概にいくらと断言することはできません。 あくまでも一例として紹介すると、特殊車両1台につき15,000円(5経路まで)ほどです。 いくつまで経路を選択できるのか、また複数台の場合に割引などが適用されるのかといった点も事務所によって変わります。そのため、行政書士へ依頼する際には、必ず見積もりをもらいましょう。

やり方を知って必ず特車申請を出そう

特車申請のやり方について解説しました。申請方法としては、自分でおこなうのか行政書士へ依頼するのか、さらに窓口に提出するのかオンラインで提出するのかなど、さまざまあります。 もっとも費用を抑えられるのは、自分で依頼する方法です。しかし、窓口へ行く場合は平日のみと限られており、またオンラインの場合は審査に時間がかかる可能性があります。費用や時間的コストを考慮し、自身にとって負担の少ない申請方法を選びましょう。

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