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セルフローダーとは
セルフローダーは、運転席後部のジャッキと呼ばれる車体を傾ける機構を装備し、ボディ(荷台)部分に車両や建設用重機などを積み、輸送できるようにした車両運搬車です。
セルフローダーという名称は、建設機械メーカーである株式会社タダノの車両名が一般名詞として定着したもので、別名キャリアカーとも呼ばれます。
セルフローダーで運搬する車両
一般的にセルフローダーで運ばれる車両は、大きく4つに分類できます。
- 公道を走行できない車両(フォークリフト、ホイールローダー、ブルドーザーなど)
- 新車
- 車検切れの車両
- 事故車
この他にも、モータースポーツで使用する車をレース場に移動させるなど、車両に係るさまざまな移動でセルフローダーを利用します。このような多種多様な車両運搬に対応するため、セルフローダーは小型(2t)、中型(4t)、大型(10t)と最大積載量が異なる3つの大きさがあります。
セーフティローダーとの違い
セルフローダーと類似した車両運搬車両として、セーフティローダーがあります。セルフローダーとセーフティローダーの違いは、ボディ(荷台)部分への車両の積載方法です。
セーフティローダーは、セルフローダーのように車両の前方が持ち上がるのではなく、ボディ(荷台)部分だけが傾斜スライドし、車両を積むことができる運搬車です。
ボディ(荷台)部分だけをスライドできるため傾斜角度がセルフローダーと比較して浅く、セルフローダーよりも安全(セーフティ)に積載できることから、セーフティローダーと呼ばれています。
セルフローダーの操作や運転に必要な免許・資格
セルフローダーは、中型免許や大型免許のみで運転が可能です。しかし、事故車など走行不能車両を乗せる場合は、巻き上げ機(ウインチ)の操作資格が必要です。
セルフローダーの運転
セルフローダーの運転は、運転するセルフローダーの車両重量と最大積載量によって必要になる免許が異なります。
車両重量 | 最大積載量 | 必要な免許 |
5t未満 | 3t未満 | 普通免許 |
8t未満 | 5t未満 | 中型(8t)限定免許 (H19.6.2以前取得した普通免許) |
5t~11t | 3t~6.5t | 中型免許 |
11t以上 | 6.5t以上 | 大型免許 |
走行不能車両を積載する
セルフローダーに事故車などの走行不能車両を積載する場合、ワイヤロープを使って走行不能車両をボディ(荷台)部分まで引き上げます。この作業で使う巻上げ機(ウインチ)を使用するために巻上げ機(ウインチ)運転者という操作資格が必要です。
巻上げ機(ウインチ)運転者の資格は、学科と実技2日間で行われる巻上げ機(ウインチ)運転特別教育を受講することで取得できます。
セルフローダー利用時の注意点
セルフローダーを利用する際は、車両積載時の後方スペース確保と車両積載後のはみ出し確認が必要です。
特に、ボディ(荷台)部分に乗せた車両が車体の全長の10%以上はみ出してしまうと道路交通法違反となるため注意してください。
積載した車両が、どうしても車体の10%を超える場合は、制限外積載許可が必要です。出発地を管轄する警察署又は交番・駐在所に必ず申請してください。
まとめ
セルフローダーは、運転席後部のジャッキと呼ばれる車体を傾ける機構を装備し、ボディ(荷台)部分に車両や建設用重機などを積み輸送できるようにした車両運搬車です。
セルフローダーで車両運搬する際は、中型免許や大型免許と巻上げ機(ウインチ)運転者の資格を取得するようにしてください。
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