10トントラックは大型トラックとも呼ばれ、大量の貨物を運搬できる車両です。荷台の形状によって平ボディやバン、ウィング、冷凍冷蔵庫などの車種に分かれます。今回は10トントラックのサイズや種類、人気メーカーなどを紹介し、運転時の疑問に対しても回答します。
目次
10トントラック=大型トラック。サイズや最大積載量を解説
トラックは2トントラック、4トントラック、10トントラックなどに分類可能です。「2トントラック=小型トラック」「4トントラック=中型トラック」「10トントラック=大型トントラック」と考えてもらってよいでしょう。 まずは大型トラックのサイズや最大積載量などのスペックを紹介します。
10トントラックのスペック表
以下に挙げた全ての条件を満たす車両が、10トントラックに該当します。
最大積載量 |
6,5トン以上 |
車両総重量 |
11トン以上 |
全長 |
12m以内 |
全幅 |
2,5m以内 |
全高 |
3.8m以内 |
最大積載量はあくまで目安であり、10トントラックと呼ばれていても、必ずしも10トンの貨物を運べるわけではありません。 10トントラックの積載量について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。 「10トントラックの積載量はどのくらい?車両別、計算方法を解説!」
10トントラックの4つの種類
10トントラックは大きく次の4種類に分かれます。
- 平ボディ
- バンボディ
- ウィングボディ
- 冷凍冷蔵庫
それぞれのメリットやデメリットを中心に解説します。
荷台部分がオープンデッキ状の平ボディ
平ボディは荷台がフラットで屋根がなく、三方をアオリと呼ばれる柵で囲われた形状のトラックです。天井がないため、大きさがバラバラの貨物でも積みやすく、積み下ろし作業に向いているタイプといえます。 ただし、貨物の落下や盗難の可能性がある点には注意が必要です。。セキュリティ上の懸念事項はありますが、一般的に広く流通しており、人気の高い種類だといえます。
荷台部分がアルミ箱状のバンボディ
バンボディは荷台部分がアルミ箱状の形で、雨風から貨物を守ることができるトラックです。積み下ろしは後方の扉を開いて行うのが特徴で、十分なスペースがなくても作業しやすいため、狭い道路に面した家への引っ越しにも大活躍します。 ただし、内部には温度調節機能が備わっていないため、生鮮食品や冷凍食品の輸送には向いていません。大型以外に中型・小型タイプもあり、汎用性に優れた種類です。
左右からも積み下ろしが可能なウィングボディ
ウィングボディは荷台の側面が翼のように開くため、後方だけでなく、左右からも積み下ろしが可能なトラックです。バンボディの「人が閉じ込められる」「奥の荷物の積み下ろしをするのが困難」といった問題の解決を目指して作られました。 多量の荷物運搬に適しており、効率的に作業したいならとても役に立ちます。その分、荷台に隙間ができやすく、ちりやほこりが侵入しやすいのがデメリットです。
冷凍冷蔵庫
荷台に温度調節機能が備わっており、冷凍庫や冷蔵庫に入った状態のまま、生鮮食品や冷凍食品を運べるトラックです。クーラーと同じ仕組みで冷却するため、長時間の運搬にも対応可能ですが、導入コストや燃料費が大きくなりやすい点には注意が必要でしょう。 貨物が少量であれば、冷凍冷蔵庫がなくても、ドライアイスや蓄冷剤で対応可能です、無駄なコストの発生を防ぐために、運搬の対象や量を決めた上で本当に冷凍冷蔵庫が必要か吟味しましょう。
10トントラックの人気メーカー
国内に多数あるメーカーの中で、10トントラックの購入におすすめの会社は次の3つです。
- 日野自動車
- いすゞ自動車
- 三菱ふそう
ここでは、各メーカーのトラックが持つ特徴や人気車種を紹介します。
日野自動車
日野自動車 日野自動車のトラックはエンジンの馬力に優れ、耐久性もあるのが特徴です。日野自動車の大型トラックで購入を検討するなら、燃費性能が高い「プロフィア」がおすすめ。 プロフィアは2段過給ターボとインタークーラー2基が搭載されたエンジンの力で、燃費性能とハイパワーを両立しています。また歩行者検知機能や車間距離の自動制御機能などを備えており、安全性能の充実も魅力です。
いすゞ自動車
いすゞ自動車のトラックは、ディーゼルエンジンの質が高いことが特徴です。いすゞの大型トラック「ギガ」はディーゼルエンジンによる駆動力のほか、居住性や快適性の高さも魅力でしょう。 運転席の天井部分にはドライバーが寝そべることができるスペースを備え、高機能な座席シートは疲れない角度へ自由自在に調整が可能です。
三菱ふそう
三菱ふそうのトラックはエンジンの振動が少なく、長距離でも快適に走行できるのがメリットです。また他社に比べて、車両価格が抑えられる傾向にあります。 三菱ふそうの大型トラックで代表的な車種は「スーパーグレート」です。車線逸脱防止や急発進検知機能など、運転支援技術が豊富に備わっています。これらの機能は事故防止だけでなくドライバーの疲労にも関係するので、輸送品質の向上に直結するでしょう。
10トントラックの運転に関するQ&A
ここでは10トントラックの運転時に抱きやすい疑問に対して回答します。
10トントラックの運転に必要な免許は?
車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上の10トントラックを運転するには、大型免許が必要です。トラクターでトレーラーを牽引するセミトレーラーやフルトレーラーを扱うなら、牽引免許も必要になります(車両総重量750kg以上に限る)。 10トントラックの運転に必要となる免許の種類について詳しく知りたい人は、以下の記事が参考になるでしょう。 「10トントラックの運転に必要な免許とは?費用や取得期間を解説」
10トントラックの運転は難しい?
10トントラックの運転は、普通自動車より難しいと考えられます。車体が長く総重量も重くなるため、制動距離も伸びて追突事故のリスクが高まるからです。 また、シンプルに車体が長いため、衝突事故が起こりやすくなります。特に、高架の通過時に上部が衝突する場合があるため注意が必要です。 ほかにも、死角の広さや内輪差の大きさも運転が難しくなる原因の1つにあげられます。バックや曲がる際の確認はしっかり行い、常に安全運転を心がけましょう。
10トントラックを乗りこなすためのコツは?
大型トラックの運転で事故を起こさないためには、十分な車間距離を保つことが重要です。平坦な道に限らず、上り坂や下り坂、曲がり角などでもスピードや状況に応じて一定の間隔を保ちましょう。 大型トラックは車体が大きいため、前方の車から煽り運転だと誤解される危険があります。無用なトラブルを避けるためにも、車間距離への意識は常に持ちましょう。
10トントラックの燃費は?
10トントラックの平均燃費は約4kmです。車種ごとに大差はないため、4kmという数字を覚えてもらえばよいでしょう。 10トントラックの燃費についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。 「10トントラックの燃費を向上させる5つの方法を紹介!燃費目安も解説」
10トントラック運転手の給料は?
トラック運転手の平均年収は450万円程度だと考えられています。運送会社のドライバーは歩合給がつくことが多いため、働き方次第ではもっと稼ぐことも可能です。 10トントラック運転手の給料についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。 「10トントラックドライバーの平均給料を紹介!給料以外のサポート方法も解説」
10トントラックは貨物の運搬に適した大型トラック
10トントラックは最大積載量6.5トン以上、車両総重量11トン以上の規格の大型トラックです。その名の通り、一度に10トンの貨物を運べる可能性もあるため、大量輸送に適した車両だといえます。 ただし、10トントラックの運転には大型免許が必須です。また車体が大きい分、制御が難しいため、車間距離を保つことを心がけましょう。