パッカー車とは圧縮装置を持つ塵芥車のこと!正規名称や登録区分を紹介

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パッカー車とは「圧縮装置を持った機械式の車両のこと」を意味し、正式名称は「塵芥(じんかい)車」です。特種用途自動車に分類され、産業廃棄物の運搬などに利用されます。 本記事では、パッカー車の概要や種類、運転に必要な資格、免許について解説するほか、発生しやすい事故についてもみていきましょう。

パッカー車とは「圧縮装置を持った機械式の車両のこと」

パッカー車とは「圧縮装置を持った機械式の車両」のことです。車両後方から投入したごみを、自動的に奥へと押し込む装置が備えられた機械式のごみ収集車を意味します。 おもに産業廃棄物運搬業や役所などで使用されています。

ここでは、パッカー車についてさらに理解を深めるためにも、正式名称や登録区分に関する詳しい内容についてみていきましょう。

パッカー車の正式名称は「塵芥車」

「ごみ収集車」と呼ばれるケースも多いパッカー車の正式名称は「塵芥(じんかい)車」です。特種用途自動車に分類されます。 パッカー車は、粗大ごみや段ボールなどの乾燥したものから、生ゴミなど水気を含むものまで積載が可能です。水気を含むゴミを積む場合は、道路を汚水で汚すことを防止する汚水タンクが付属する車両もあります。

ゴミの積み込み方法によって「プレス式」「回転板式」「ロータリー式」の3種類にわかれ、サイズは積載量に応じて「小型」「中型」「大型」から選べます。

パッカー車の登録区分は「8ナンバー」

荷台に廃棄物回収機能を搭載するパッカー車は「貨物自動車」ではなく「特殊車両」に分類されます。 一般的なトラックの場合、車両サイズが小さいものは「4ナンバー」、大きなものは「1ナンバー」です。 しかし、パッカー車は4ナンバーや1ナンバーに該当する車両サイズであっても、廃棄物回収車両として製造されるため「8ナンバー」に区分されます。

パッカー車における2つの種類

パッカー車は、ゴミや産業廃棄物の回収を目的として製造されています。しかし、どの車両もまったく同じ構造で作られている訳ではありません。 パッカー車は、廃棄物回収時の積載方法と排出方法によって分類されます。ここでは、パッカー車の仕組みについて理解を深めるためにも、種類ごとの詳しい内容についてみていきましょう。

積載方法による分類

積載方法による分類は、その仕組みによって3種類に分けられます。

  • プレス式
  • 巻き込み方式
  • 荷箱回転方式

プレス式は一般的によく用いられる積載方法であり、圧縮盤によって廃棄物をプレスさせて積み込みます。 巻き込み方式は廃棄物を回転盤で掻きこむようにゴミを回収します。家庭ゴミなど、一般廃棄物の回収などよく使われているタイプです。 荷箱回転方式は、回転式のドラムによって収集した廃棄物を荷室へと送ります。こちらも家庭ゴミなど、一般廃棄物の回収などによく使われているタイプです。

パッカー車の積載方法に関する詳しい内容は、次のページで詳しく解説しています。   
参考:パッカー車の仕組みは圧縮と排出の形式で異なる!売買時の確認点も紹介

排出方法による分類

排出方法による分類も次の3つに分けられます。

  • 押し出し式
  • ダンプ式
  • 荷箱回転式

押し出し式は、回収中に収納された廃棄物を荷室後部の外側にピストン運動して排出します。ダンプ式は荷室後部をオープンし、荷台をダンプさせて後方から排出する方法です。また、荷箱回転式はドラムを逆回転させて廃棄物を排出します。

パッカー車の排出方法に関する詳しい内容は、次のページで詳しく解説しています。
参考:パッカー車の仕組みは圧縮と排出の形式で異なる!売買時の確認点も紹介

パッカー車の運転に必要な資格や免許

パッカー車には、小型から大型までさまざまな車両区分が存在します。前述の通り、パッカー車は「8ナンバー・特殊車両」に分類され、車両のサイズに応じて回収できる廃棄物の量が大きく異なるのです。 そのため、パッカー車の運転に従事するために必要な資格や免許についても気になるところでしょう。ここでは、それぞれの詳しい内容を確認していきます。

特別な資格は不要

パッカー車は産業廃棄物などを取り扱うケースもあるため「危険物取扱者」などの国家資格が必要と思いがちです。しかし、実際にはパッカー車の運転に特別な資格は必要ありません。 また、パッカー車は8ナンバーとして登録される特殊車両に分類されますが、機械操作に要する資格もなく、基本的には誰にでも扱えます。

車両区分の運転資格を満たす免許が必要

パッカー車には特別な免許は必要ありませんが、それぞれ車両区分に応じた運転資格を満たす免許が必要です。パッカー車は「小型」「中型」「大型」に分かれており、多くの場合は準中型免許以上の取得が必要となるでしょう。 そのため、導入を考えるパッカー車は自身が、所有する免許で運転できるかどうかを確認しなければなりません。

現在では、運転資格は普通免許から大型免許までの4区分に分けられており、平成19年以前に取得した人は特に注意が必要です。 パッカー車の運転に必要な免許については、次のページで詳しく解説しています。
参考:パッカー車の免許とは?重量ごとに必要な免許や車両の種類を解説!

パッカー車で発生しやすい4つの事故

パッカー車で発生しやすいとされる事故として、次の4つが挙げられます。

  • 圧縮板への巻き込み
  • 爆発や火災の発生
  • 過積載による転落
  • 運転技術の不足による交通事故

パッカー車は運転中だけでなく、収集作業に関連した事故が起こる可能性もあります。未然に事故を防ぐためにも、ここでは事故ごとの特徴について詳しくみていきましょう。

圧縮板への巻き込み

パッカー車の事故で最も多いのが、圧縮板への巻き込み事故です。廃棄物をそのままの大きさで回収すると多くの量を収納できないため、圧縮板でプレスしながら回収します。 しかし、その際に作業員が巻き込まれる事故が多いのも事実です。本来、回収してはいけない廃棄物を誤って投入してしまい、作業員が取ろうと手を入れたことで巻き込み事故が発生したケースもあります。

ほかにも、本来は2人以上でする作業を1人で行い、緊急停止スイッチを押せずに事故につながったという事例もあります。

爆発や火災の発生

カセットボンベやヘアスプレーなど、圧縮ガスを使用している空き缶の爆発や火災もよくある事故の1つといえます。いずれも、ガス抜きがされていない状態で回収したことが原因です。 パッカー車の火災は運転手の生命にかかわったり、周囲を巻き込む大規模火災を引き起こしたりするなど大変危険です。収集後に清掃工場に戻ってから荷室内で爆発を起こし、運転手は怪我、車両は廃車になってしまうような事故も実際に起きています。

過積載による転落

廃棄物を排出する際に過積載が原因となってバランスを崩し、車両ごとピットへ転落するような事故も発生しています。ピットはより多くの廃棄物を貯めるために深く作られており、転落事故が発生すると大怪我にもつながりかねません。 万が一の事故を発生させないためにも、パッカー車ごとに定められた積載量を守ることが重要です。

運転技術の不足による交通事故

運転手による、運転技術の不足を原因とした交通事故にも注意が必要です。パッカー車は収集作業中に頻繁に停車します。 そのため、早めにウインカーを出し、周囲にどのような動きをするのか知らせなければなりません。ほかにも「サイドブレーキは必ず使用する」「必要に応じて輪止めを使う」といった基本作業の徹底が欠かせません。 パッカー車を運転する際のコツは、次のページで詳しく解説しています。

参考:パッカー車を運転するコツは?バック・走行時のテクニックを解説

パッカー車の需要は今後も高まる

パッカー車は、人々が生活を営む上で欠かせないうえで欠かせない役割を担う車両です。今後も安定的な需要が見込まれ、パッカー車自体のニーズも高まる可能性があります。 ただし、通常のトラックにはない機構や仕組みが搭載されていることから、圧縮板への巻き込みや爆発や火災の発生といった事故が起こるリスクがある車両でもあります。

パッカー車の導入を検討する際は、登録区分や必要な免許、仕組みなどを考慮し、自社に合う1台を見つけてみてください。

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