ファンベルトとは?基本情報や交換目安、切れた車の処分方法を紹介

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ファンベルトとは、車を動かすために必要なエンジンの機構にクランクシャフトの動力を伝えるベルトを指します。ファンベルトは消耗品であり、適切なタイミングで調整や交換が必要です。 本記事ではファンベルトの基本情報や交換目安、切れた車の処分方法を紹介します。

ファンベルトとは?

ファンベルトとは、車を動かす際にクランクシャフトの回転から動力を得て、エアコンのコンプレッサーやウォーターポンプ、オルタネーターなどエンジンの機構に伝える役割をもつゴムベルトです。 ファンベルトは元々、エンジンを冷やすための送風機(ファン)を回すベルトを指していました。現在販売されている多くの車は、電動でファンが回る仕組みが導入されていますが、当時の名残もあり、現在でもファンベルトという名前で呼ばれています。

ファンベルトに調整が必要な理由

ファンベルトは経年劣化しやすい部品であり、適宜調整が必要です。ファンベルトは車を動かすための重要な役割を担う部品であると同時に、ゴム製の消耗品なので長年使っていると劣化します。 ファンベルトが劣化すると「切れる」「伸びる」「硬くなる」といった症状が表れます。これらの症状を放置した状態で運転していると、エンジンが急に停止する可能性があるでしょう。 大きな事故を引き起こす原因にもなるため、定期的なファンベルトの調整は欠かせません。

ファンベルトが切れるとどうなる?

ファンベルトが切れると、エンジンに対して十分な電気を供給できません。電気が供給できなければ、車のエンジンが正常に作動しなくなります。 その結果、バッテリー上がりやウォーターポンプの停止、エンジンのオーバーヒートなどを引き起こす原因になるでしょう。また、ハンドル操作を軽くするパワーステアリングも利用できなくなり、通常より重くなる可能性もあります。 ファンベルトは、車の命綱ともいえる重要な部品です。ファンベルトが切れると安全運転が難しくなるため、定期的に摩耗やひび割れなどがないかをチェックしましょう。 万が一、ファンベルトが切れてしまった際の対処方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。 「ファンベルトが切れた際の対処方法を紹介!主な原因や交換方法も解説」

ファンベルトに関する4つの基本情報

安全な運転環境に欠かせないファンベルトに関する基本情報として、次の4つの項目があります。

  • 交換時期
  • 交換にかかる費用
  • 調整にかかる費用
  • 交換の依頼先

これらの基本情報について正しく理解しておくことで、いざトラブルが発生した際にも慌てることなく対応できます。ここでは、それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

交換時期

ファンベルトの交換時期は「約3〜5年」が一般的です。ただし、車種や使用状況によっても異なるため、あくまで目安と考えておきましょう。 ファンベルトの状態を正確に把握するには、ディーラーなどの専門店による点検がおすすめです。 ファンベルトが切れる際の前兆についてまとめた記事があるので、ぜひ参考にしてみてください。 「ファンベルトが切れる前兆の異音に注意!具体的な対処法なども解説」

交換にかかる費用

ファンベルトの交換にかかる費用は「約5,000円〜約10,000円」が相場です。交換費用の内訳は部品代と工賃で、車種によってはこれ以上になる場合もあります。 また、部品だけ購入して自分でファンベルトを交換することも可能で、工賃がかからない分、費用を抑えられます。ただし、交換に要する工具と交換方法の知識が必要になるため、不安な方はプロに任せるほうが無難でしょう。 なお、ファンベルトの交換にかかる費用の詳細は、以下の記事でも解説しています。 「ファンベルトの交換費用は?依頼先・車種別に金額を紹介!」

調整にかかる費用

ファンベルトの調整にかかる費用の相場は、2,500〜3,500円程度です。ファンベルトは交換したばかりでも「鳴き」が生じる場合があります。その場合は交換ではなく、ファンベルトの張り具合を調整する必要があるでしょう。 張り具合の調整も、自身で実施することは可能です。ただし、不安な場合は最寄りの整備工場やディーラーに持ち込み、調整してもらいましょう。

交換の依頼先

ファンベルトの交換を依頼する先として、車の整備工場やディーラーなどが挙げられます。 もし工具が揃っていれば、ファンベルトの交換は自分でもできます。 しかし、交換の手間がかかるだけでなく、安全性も保証されないため、交換や調整は専門業者に任せるほうがよいでしょう。また、ファンベルトの交換や調整とあわせて他の部品に関する不具合も発見してもらえる可能性もあります。

ファンベルトの交換目安となる3つのポイント

ファンベルトの交換目安となる主なポイントとして、次の3つが挙げられます。

  • 異音
  • 使用年数
  • 走行距離

ファンベルトの交換は車種や使用頻度によって異なるものの、おおよその目安について理解しておく必要があります。気づかない間に交換目安を超えて、大きなトラブルなどを引き起こさないためにも、ここではそれぞれの詳しい内容をみていきましょう。

異音

ファンベルトから聞こえる「キュルキュル」「キーキー」などの金切り音や「カラカラ」「カタカタ」といった異音は交換の目安です。「鳴き」と呼ばれる異音が聞こえる場合は、ファンベルトに劣化が生じているサインといえます。 ファンベルトが切れかけていたり、伸びきったりしている場合に異音が聞こえます。この状態で放置していると車が動かなくなる可能性があるため、大変危険な状態です。すぐに交換や調整を実施しましょう。

使用年数

3年〜5年程度がファンベルトの交換目安です。車種や使用頻度によって消耗具合は異なるものの、車を購入してから3年以上経過しているなら交換を検討する時期といえます。 ファンベルトの劣化具合は、車の定期点検時にも確認してもらいましょう。点検業者にファンベルトの状態を聞き、目安を過ぎていなくても交換したほうがよいといわれた場合は、交換したほうが無難です。

走行距離

走行距離においては、3〜10万km程度を目安にファンベルトを交換しましょう。車種によっても目安は変わるため、すべての車がこの限りではありません。 しかし、一定の走行距離を走ったら定期的にファンベルトの状態を確認し、その状態にあわせて対処する必要があります。 反対に10万kmを超えても、ファンベルトに異常が見られないケースもあります。ただし、一度切れてしまうと大きな事故につながる可能性もあるため、定期的な交換や調整は欠かせません。

ファンベルトが切れた車を処分する5つの方法

万が一、ファンベルトが切れてしまった場合は、修理をするのが一般的です。しかし、修理内容によっては高額な費用を要する場合もあります。 さらに、年式が古い車や他の部品にも不具合がある車などは、修理に費用をかけるよりも処分した方がよいケースもあります。ファンベルトが切れた車を処分する方法は次のとおりです。

  • ディーラーによる下取り
  • 知り合いへの譲渡
  • オークションへの出品
  • 中古車買取専門店に依頼
  • 廃車買取業者に依頼

それぞれの詳しい内容について解説します。

ディーラーによる下取り

ファンベルトが切れてしまった車を処分する際は、ディーラーへの下取りを検討しましょう。ディーラーに依頼すれば下取りをしてくれるため、中古車として売却できる可能性があります。 ただし、どんな状態でも下取りしてくれるわけではありません。中古車としても価値がつかない場合は、引き受けてくれないケースもあります。状態によっては、かえって処分費を要する場合もあるため注意しましょう。

知り合いへの譲渡

知り合いで車を探している方がいれば、譲渡することもひとつの方法です。知り合いへの譲渡であれば業者が間に入らないため、手数料がかかりません。 ただし、知り合いであっても移転の手続きは必要です。譲渡証明書などの必要書類を用意し、陸運局での名義変更や保険の名義変更などを進めなければなりません。手続きをしないまま譲渡してしまうと、不要なトラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。

オークションへの出品

ネットオークションへの出品も処分方法の1つです。車はヤフオクなどの大手ネットオークションに個人でも出品できます。 下取りよりもオークションの方が高く売れる場合もあります。ただし、ネットオークションでの取引に慣れていない方が出品すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるため、十分に注意しましょう。

中古車買取専門店に依頼

中古車買取専門店への買取依頼も、検討してみてください。中古車の買取を専門としているため、車種や状態によっては下取りやオークション出品よりも高値がつく場合もあります。 「走行距離が短い」「年式が新しい」といった車の場合は、特に高値での査定が期待できるでしょう。ただし、年式は新しくても走行距離が大きく伸びていると評価が下がり、高額での売却が難しくなるケースもあるため、複数の業者で査定を受けることをおすすめします。

廃車買取業者に依頼

ディーラーや中古車買取専門店で納得のいく査定がつかなかった場合は、廃車買取業者への依頼も検討してみましょう。廃車買取業者の場合、状態に関わらず0円以上の価値がつくのが一般的です。 また、ファンベルトが切れて動かなくなった車でも、レッカー車などで引き取りにきてくれるケースも少なくありません。査定に出したものの、返って処分費がかかるような場合は、廃車買取業者への依頼をおすすめします。

ファンベルトのトラブルを未然に防ごう

車を動かす際にクランクシャフトの回転から動力を得て、エンジンの機構に伝える役割をもつファンベルトは、安全な運転環境に欠かせない部品の1つです。 そんなファンベルトの交換時期は3〜5年程度、走行距離では3〜10万km程度とされているものの、車種や使用状況によっては劣化スピードが異なります。 また、ファンベルトの点検を怠ると、運転中に車が止まるなどの大きな事故にもつながりかねません。保有する車のファンベルトは定期的に点検し、交換や調整によってトラブルを未然に防ぎましょう。

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