フルトレーラーの寸法や種類を紹介!運転時の4つの注意点も解説

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フルトレーラーは2軸以上のトレーラーが接続されている大型の牽引車です。全長の上限は25mで、一度に多くの貨物を運ぶことが可能なため、輸送業務の効率化に役立ちます。今回はフルトレーラーの定義や必要な免許、運転時の注意点などを解説します。

フルトレーラーとは?定義や種類を解説

フルトレーラーは最低でも2軸以上のトレーラーを持つため、全長が長くなりやすい牽引車といえます。基本的には運転席側のトラクターにトレーラーを連結させる構造です。車軸の位置によって、ドリー式とセンターアクスル式に分類されます。 また、形状や積載量に応じて、ライトトレーラーやダンプトレーラー、平ボディに分類可能です。ここでは各種類の定義や特徴について詳しく解説します。

2軸以上のトレーラーを持つ単体でも走行可能な牽引車

フルトレーラーは2軸以上のトレーラーを持ち、荷重のほとんどがトレーラー側にかかる構造の牽引車両です。 牽引車両は運転席と荷台に分離でき、運転席側をトラクター、後方部分をトレーラーと呼びます。トレーラーはエンジンがついていないため、トラクターに連結することで使えるようになります。また、フルトレーラーのトラクターには荷台が搭載されており、単体でもトラックとして走行できます。 フルトレーラーの連結方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を確認してみてください。 「フルトレーラーの連結方法を解説。車両の種類や運転のコツも紹介」  

車軸の位置でドリー式とセンターアクスル式に分類

ドリー式は前輪台車(ドリー)にトレーラーを連結させる構造で、センターアクスル式はトラクターの後部と棒状の連結器を接続させます。 2軸のドリー式は荷重が分散されるため、特定の部位だけに負荷がかかりにくい点がメリットです。ただし、ドリーが介在する分、連結箇所が増えるため運転は難しくなります。折れ曲がる部分がないセンターアクスル式は、比較的コントロールがしやすいでしょう。 ドリー式の詳しい特徴やメリット、運転のコツなどを知りたい方は以下の記事をご覧ください。 「ドリー式フルトレーラーの特徴!乗りこなすための3つのコツも解説」  

形状や積載量などによる分類も存在

他にもフルトレーラーは形状や積載量などに応じて、次の3つに分類が可能です。 フルトレーラーの種類によって、価格も異なります。購入を検討している車両の価格帯を知りたければ、以下の記事が参考になるでしょう。 「フルトレーラーを低価格で導入する方法!新車・中古の価格相場を解説」  

全長上限緩和でより多くの貨物を運べる

2019年1月、特殊車両通行許可基準が改正され、フルトレーラーの全長制限が従来の21mから25mに緩和されました。この規制緩和により、大型トラック2台分の貨物を1台で運搬できるようになっています。 また、運搬トラックの台数減少によって排出する二酸化炭素量も削減でき、環境負荷の軽減にも有効です。 ダブル連結トラックは従来のフルトレーラーよりも、車体が長い車両だと考えられます。フルトレーラーとダブル連結トラックの違いについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。 「フルトレーラーって!?ダブル連結トラックとの違いなどを解説」   参考:国土交通省/トラック輸送の生産性革命「ダブル連結トラック」の本格導入を本日よりスタート~特殊車両通行許可基準の車両長を25mまで緩和します~  

フルトレーラーの運転手に必要な免許の種類

非常に大型のフルトレーラーは、基本的に普通免許だけでは運転できません。大型免許及び牽引免許を取得する必要があります。大型免許は最大積載量6.5トン以上の車両を運転するために必要で、牽引免許は750kgを超える対象を引っ張る牽引車両の運転に必須です。 また、構内での積み下ろし作業を効率的に行うために、フォークリフト運転技能講習修了証もあると便利でしょう。ここでは、それぞれの免許の取得方法を中心に解説します。

大型免許

最大積載量6.5トン以上の大型自動車を運転するために必要な大型免許は、数十トン以上の貨物を運ぶ可能性があるフルトレーラーの運転手は保有しておくべき免許です。大型免許は年齢が21歳以上、かつ自動車の運転経験が3年以上なければ取得できないため注意しましょう。

牽引免許

牽引免許は750kgを超える牽引対象を引っ張る牽引車両の運転に必要な免許です。フルトレーラーは750kgを超える可能性が高いので、牽引免許は必須といえるでしょう。牽引免許だけでは自動車の運転はできないため、フルトレーラーの運転手は牽引免許と大型免許の2つを保有しなくてはいけません。 牽引免許は第一種牽引免許、牽引二種免許、牽引小型トレーラー免許に分類できますが、750kgを超える牽引車両の運転に必要なのは第一種運転免許です。第一種牽引免許は年齢が18歳以上で、かつ四輪車の免許を持っていれば取得可能です。

あると便利!フォークリフト運転技能講習修了証

フォークリフト運転技能講習修了証は貨物の積み下ろしが便利になるため、あると便利な資格です。座学の講習を受けて修了試験に合格することで、フォークリフト(最大荷重1トン以上)の運転が可能になります。 紹介した免許以外にもフルトレーラーの運転手が保有した方がよい免許があります。フルトレーラーの免許に関して網羅的に知りたければ、以下の記事が参考になるでしょう。 「フルトレーラーに必要な免許は3つ!取得方法や取得のメリットを解説」  

フルトレーラーの運転が難しい2つの理由

フルトレーラーは次の理由から、運転が難しいといわれています。 ・前輪と後輪の距離が長く内輪差が大きいため ・連結箇所が複数あり挙動が複雑になりやすいため 内輪差によって後輪をぶつけてしまうリスクが高まるだけでなく、車両全体が蛇行してコントロールが効きづらいです。具体的にどのようなデメリットが生じるのか解説します。

前輪と後輪の距離が長く内輪差が大きいため

内輪差が大きいフルトレーラーは後輪が通る位置を見誤り、車両の後部をこすったり人や物を巻き込んでしまったりしやすいです。内輪差は前軸と後軸の距離が長くなるほど大きくなるため、全長が大きなフルトレーラーでは他の車両以上に注意が必要です。 フルトレーラーは全長規制の緩和があったため、今まで以上に内輪差は大きくなるでしょう。前輪がギリギリ曲がり切れる感覚でハンドルを切ってしまうと、後輪が障害物等に衝突する可能性が高いです。

連結箇所が複数あり挙動が複雑になりやすい

連結箇所が複数あるドリー式のフルトレーラーはくねくねと蛇行しやすく、運転が難しいのが特徴です。連結部位は一定の自由度を持っていることもあり、後方の車両を思い通りに動かすのは至難の業といえるでしょう。 ドリー式フルトレーラーで特に難しい操作はバックです。通常はバック時にはハンドルを逆に切りますが、連結箇所が一箇所増えるため、進みたい方向へハンドルを動かします。 普通車の運転経験が長いほど、ドリー式フルトレーラーの操作に慣れるまでに時間を要するかもしれません。他にもフルトレーラーの運転が難しいと感じる理由はあります。詳しく知りたい人は、以下の記事をご確認ください。 「フルトレーラーの運転が難しい4つの理由を紹介!運転時のコツも解説」  

フルトレーラーを運転する際の4つの注意点

フルトレーラーの運転で事故を起こさないためには、次のポイントを意識するのがおすすめです。 ・右折時は極力大きく曲がることを意識する ・左折時はハンドルを切るスピードを遅らせる ・バック時は必ず目視確認を行う ・車庫入れは手順を意識してステップごとに進める 上記のポイントを意識することで生まれる効果や、具体的な方法について解説します。

右折時は極力大きく曲がることを意識する

中央分離帯で待っている車にぶつけてしまう恐れがあるため、右折時はできる限り大きく曲がるようにしましょう。また小さく曲がろうとすると、タイヤがねじれて負担が大きくなります。 大きく曲がると交差点を通過するまで時間がかかります。前方の対向車の存在や進行先の道路状況にも気を配りましょう。もちろん巻き込み確認も重要なので、サイドミラーや安全窓から目視をきちんと行い、細心の注意を払いましょう。

左折時はハンドルを切るスピードを遅らせる

内輪差の影響を和らげるために、ハンドルを切るタイミングを遅めにしましょう。通常よりも深めに交差点に侵入したタイミングでハンドルを動かしはじめます。 ただし、極端に大廻りしてしまうと、事故につながるので注意が必要です。オーバーハング(前輪より前の部分と後輪より後ろの部分)が反対車線にはみ出すことがないよう、しっかりとした確認が求められます。

バック時は必ず目視確認を行う

バック時は運転席の窓を全開にして、常に車両の最後尾を確認するようにしましょう。なぜならば、まっすぐバックをしているつもりでも、いつの間にか車体が曲がるケースがあるためです。大きくて長いフルトレーラーは少しの油断が事故に直結するので、小さく細かく動かすことを意識した方がよいでしょう。

車庫入れは手順を意識してステップごとに進める

車庫入れの際は、次の手順を意識して段階ごとにゆっくり操作しましょう。

  1. 窓を全開にして確認しながら、車体を曲げる
  2. ハンドルを元に戻して、微調整しながらバック
  3. ハンドルを逆方向に動かし、車体をまっすぐにする
  4. ハンドルをまっすぐに直す

ドリー式フルトレーラーは操作中に頭が混乱してしまう可能性がありますが、決して焦らず、目視確認と小刻みな動作を意識して進めることがコツです。

フルトレーラーは効率的な輸送に適した牽引車

2軸以上のトレーラーを連結できるフルトレーラーは一度に多くの貨物を積めるため、効率的な輸送に適しています。全長規制が緩和され、従来の21mから25mに伸びたため、より運搬に適した車両になったといえるでしょう。 車体が長く大きいフルトレーラーは運転が難しい点に注意が必要です。操作にとまどいやすい右左折時、バック、車庫入れはポイントを意識し、事故を起こさないよう細心の注意を払いましょう。

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